2001年12月7日発売
蝶の戦記 上蝶の戦記 上
尾張、清洲城下のはずれで、二十の於蝶は五月晴れのもとにのびやかな肢体をなげだしていた。夏草のにおいと果肉のような体臭に木立を進む武士は惑乱した。一瞬の後に…。川中島から姉川合戦に到る年月を甲賀忍びの技と道に賭してゆく於蝶。おのが生理と心をあやつり、死闘を繰り広げる女忍びの活躍は、ここからはじまる。
蝶の戦記 下蝶の戦記 下
織田信長、浅井長政らの屋敷に侍して、機をうかがう於蝶の、六年前、どことなく少女めいた硬いふくらみに引きしまっていた肉体は、どこも成熟しつくしている。(大好きな上杉謙信公のために…)常人ばなれした女忍者の秘めた女心と香りたつ生命が、戦場に魅惑的な光をなげかける。人気を博した忍者小説三部作、第一弾。
うつくしい子どもうつくしい子ども
緑豊かなニュータウンを騒然とさせた九歳の少女の殺人事件。犯人として補導されたのは、ぼくの十三歳の弟だった!崩壊する家族、変質する地域社会、沈黙を守る学校…。殺人者のこころの深部と真実を求めて、十四歳の兄は調査を始める。少年の孤独な闘いと成長を痛ましくもみずみずしく描く、感動のミステリー。
幽斎玄旨幽斎玄旨
肥後の大大名細川家の基礎を築き、「神道歌道の国師」とも称された幽斎。第十三代将軍義輝の異母弟として生まれ、室町幕府の名門細川家の養子となり、足利将軍家二代を支え、それでいて信長、秀吉、家康のいずれからも厚遇を受けた。戦国動乱の興亡を如何に生き抜いたのか、その出処進退の鮮やかさと諸芸に通じた文人武将の生涯。
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