2006年1月31日発売
貧しい日系ブラジル人移民の子・ミルトン。学校で執拗ないじめを受ける幸太郎と英世。少年たちの閉ざされた心を解放するもの、それは音楽だけだった。やがてミルトンと幸太郎は、自分たちの音楽を作りはじめる。ミルトンの意識が頂点をむかえたとき、二人は究極の音楽『アベーリャ』を編み出す。アベーリャ=ミツバチと名づけられたその音楽は、人の意識を変容させるものだった。ふたりのユニット「トランス=ソニック」は世界デビューへとむかうが、アベーリャの毒はミルトンの意識を侵しはじめていたー。
不肖わたくしめは、ロンドンの裏街で探偵を営むパキスタン系イギリス人トミー・アクタル。人生において知るべきことはクリケットから学び、ワイルド・ターキーと煙草がなくては手先が震えるアフガニスタン帰りの元聖戦士ってとこだ。そんなわたしの薄汚いオフィスに、ゼリーみたいなおっぱいの黒人娼婦がノックもなしに訪ねてきた。その名はメロディ・チェイス。行方不明の娼婦仲間を探してほしいという。下心からなんかじゃなく調査をはじめた優秀な(よく言うよ)わたしだが、事態はやがて下院議員殺害事件、さらにはロンドンを襲う自爆テロ騒ぎに発展してくって、マジかよ、こりゃ。ロンドンを襲った自爆テロ。ほんとうの犯人は誰なのか?ウィットブレット賞を射止めた英国の新鋭が紡ぎあげる、探偵小説のニュー・ボイス。
時間的同一性交換によって6カ月前の世界へ向かった俺が見たのは、すべてが燃えあがり、あらゆる生命が死滅した終末のパノラマだった-タイムトラベル実験の恐るべき顛末を描いた表題作、謎の異星生命体との危険なコンタクトを果たした詩人の手記にしてSFマガジン読者賞受賞作「メデューサの呪文」、アキバ系科学幻想譚「シュレディンガーのチョコパフェ」ほか、全6篇を収録する最新作品集。時間、宇宙、言語、超人テーマなど、SFならではのアイデアを現代に蘇らせる、科学と奇想と語りの饗宴。
骨董商の凌は、香港出身の資産家、塔眞家の三男・貴礪の“秘密の花嫁”。初めは凌を罠にはめ強引に躰を奪った貴礪…だが、お家騒動の波乱を経て今、二人は愛の絆で結ばれている。そんな折、国宝級の青磁小瓶を巡って不穏な動きが…。凌に急接近してきたカメラマン、橋爪の正体は?…闇の盗品市の実体は?…さらに、凌の身を案じて縛りつけようとする貴礪との間に亀裂が…。危険なウェディングロマン。
冷徹なチャイニーズマフィア、王とアブない関係になってしまった平凡な…でも好奇心旺盛すぎる大学生の三枝。しばらく平穏だったそんな二人の日常だが、王が突然逮捕され、またもやトラブルの予感…。その上、三枝のバイト先の喫茶店に足しげく通ってくる男、藤川が実は王を密かにマークしていた刑事だったことから…。年の差&ギャップありまくりラヴァーズに天敵出現!ドキドキメラメラな束縛愛。