小説むすび | 2006年6月15日発売

2006年6月15日発売

ウィンディ・ストリートウィンディ・ストリート

V・Iの恩師、母校バーサ・パーマー高校女子バスケット部のマクファーレン・コーチの依頼が、事の発端だった。V・Iが故郷サウス・シカゴを抜け出せたのは、彼女のお陰だったのだ。不治の病を得てしまった恩師に替わり、渋々ながら母校で臨時コーチをつとめることになるV・Iは、久しぶりにサウス・シカゴに足を踏み入れた。昔と変わらない故郷の窮乏ぶりに、心が痛む。女子生徒の半分は最上級生になるまで妊娠し、多くはそのまま地元の薄給の仕事につき、同じく薄給の男と家庭を持ち、またしても同じ境遇に子供たちを送り出すのだ。現在に希望はなく、未来にも光は見えない。そんな生徒たちの一人から、彼女の母親が勤める町工場が悪質ないやがらせを受けていると相談され、V・Iはまたしても事件の渦中へと踏みこんでゆくことになる。一方で寄付の依頼に行った地元の大企業でも事件の臭いを嗅ぎつけるが…。頼まれれば嫌とは言えず、危険も厭わずに体を張ってしまう、V・I・ウォーショースキーの真骨頂。ミステリの世界を超えて頂点に君臨する、サラ・パレツキーの最新作。

ママは悪魔ハンタ-ママは悪魔ハンタ-

ケイト・コナーは、カリフォルニア州サン・ディアブロに住む、二人の子持ちのごくごく平凡な専業主婦。夫は地方公選弁護人になるべく選挙活動中の弁護士で、それを助ける妻業と子育てのママ業をめいっぱいこなしながらも、「フツーの幸せ」を満喫していた。だが、彼女には秘められた過去があった。孤児としてバチカン法王庁で育てられ、小さい時から悪魔退治の技法を教えこまれたデーモン・ハンターだったのだ。いまは引退し、平和な街で何年も暮らしてきた彼女だったが、ある日を境に状況は一変する。悪魔に憑かれた老人に、突如襲われたのだ。しかも、よりによって夫の選挙運動をかねて開いた新任の判事を招いたディナーパーティの直前に。かろうじて退治し、死体はキッチンのパントリーにほうりこみ、家族の目から必死で隠す。それだけでもショックなのに、ディナーの主賓ラーソン判事から漂ってきたのは、悪魔特有の悪臭だった!どうやら悪魔たちの目当てはなんらかの聖遺物で、それがこのサン・ディアブロにあるらしいのだが…。

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