2014年11月12日発売
警視庁捜査一課の美女刑事、江仁熊氷見子30歳、通称エニグマ。女の勘…を通り越して、もはやオカルトともいうべき、常人には理解しがたい直感力で事件を解決に導く彼女だが、頭の硬いベテラン刑事たちからはやっかみ半分の嘲笑を受ける日々。相棒で後輩の真山恵介28歳は、戸惑いながらもエニグマに従ううちに…。新感覚警察小説誕生!
京都の名門学園に続発する凄惨な殺人事件。対するは、マンジュウガニ以上といわれるすべすべ脳みそにして、化石オタクの変人女子高生。古生物部の美形部長まりあが、一人きりの男子部員をお供に繰り出す、奇天烈推理の数々!
完全な顕微鏡を完成させた素人学者が、覗いてみた水滴の中に完璧な美をもつ女性を見出す「ダイヤモンドのレンズ」。ロボット物の古典として評価の高い「不思議屋」。独創的な才能を発揮しポーの後継者と呼ばれるオブライエンの幻想、神秘、奇想に富む8作を収録した傑作短篇集。
徳川家康が重用したイギリス人三浦按針を父に、日本人を母にもつ三浦ジョゼフ按針。父亡き後、旗本の地位と領地、朱印状を継いだ。ある日、嵐により持ち船が難破、三浦半島に漂着したジョゼフは、その地を治める衣笠藩のお家騒動に巻き込まれる。背後にはジョゼフを追い落とそうとする老中の陰謀が…。破天荒な旗本の活躍を圧倒的スケールで描く、新たなる時代活劇!
「警官を殺す」と息巻く大男の消息を鮫島が追うと、ある犯罪集団の存在が浮かび上がる。中国残留孤児二世らで組織される「金石」は、日本人と中国人、二つの顔を使い分け、その正体を明かすことなく社会に紛れ込んでいた。謎に覆われた「金石」に迫る鮫島に危機が!二十年以上の服役から帰還した大男が、新宿に「因縁」を呼び寄せ、血と硝煙の波紋を引き起こす!
大学卒業旅行としてトレーラーハウスでの一泊のキャンプを計画した男女9人。だがドアを閉めた瞬間、トレーラーハウスは脱出不能の密室と化した。混乱のなか1人が命を落とし、悪意に満ちたメッセージが見つかる。次々と襲いかかる罠を仕掛けたのは、いったい誰か?果たして生きてここから出られるのか?本格ミステリーの原点に立ち返った著者の新たなる傑作!
夜ごとバーに集う私立探偵の工藤とライターの山内に、マスターの島。三人揃ってヤクドシトリオは往年の銀幕スター話に興ずる。そこに美貌の大学院生桜川東子が揃えば未解決事件の話題に様変わり。アルバイトの阪東いるかも加わり、いっそうにぎやかに盛り上がる!今回はあっと驚く歌舞伎の新解釈で、東子が見事に真相を究明!大好評のバー・ミステリシリーズ!
職場では怪しい研究に没頭し、相手が誰であろうと命令口調。行動すべてが予測不能、態度は決まって傲岸不遜。しかし、不可解な事件の捜査に当たれば、その頭脳明晰ぶりで瞬く間に真相を解き明かす。彼は安孫子弘警視正。所属は警察庁情報分析支援第二室、通称“裏店”。江戸川乱歩賞作家が生み出した、唖然とするほどに強烈な名探偵が活躍する衝撃の連作ミステリー!
松倉明里は玩具メーカー勤務の三十三歳。社内では大リストラの噂が飛び交い、交際七年になる恋人との将来も不透明だ。そんなとき、青梅市にある実家でも厄介なできごとが。正体不明の夫婦が入り込み、何ヵ月も我が物顔で暮らしているという。両親や姉夫婦は何をしているのか。うちが乗っ取られる!?実家に戻った明里が目にしたのは、思いも掛けない光景だった!
大島柚子は、近所の銭湯「松の湯」が大好きな十七歳。家族には問題アリ、将来はまだ見えず。いろいろ不安はあるけど、現実感はない。お湯さえあれば幸せだ。そんな柚子が、松の湯に通う大学生・福一と出会う。反発しつつ、どこか気になる。これってもしかして恋ー?どこかおかしな男女が出会い、やがて最強の人生を歩き出す。お湯が引き起こす幸せな奇跡の物語。
乗っていたはずのリフトから消失し、空中浮遊する男。ゲレンデに転がる切断死体。白銀の世界に起きた怪事件の背後には、カルト教団の影が…。“事件が起きたときから、その真相が分かっている”という特異能力をもつ、美人スキー・インストラクター大鳥安寿の推理が冴え、事件は奇跡のように解決する!本格ミステリ界をリードし続ける著者の新たなる境地!
朝顔売りで糊口を凌ぐ作次は、変化小僧からの施しを待ち望む貧しいひとたちの声を耳にして決意する。「俺もやってみよう」。偽変化小僧となった作次は、残虐な盗賊・つむじ風一味が奪った二千両の隠し場所に気付く。五百両を掠め取った作次に不審な男たちが…。偽者の正体に気付いた変化小僧・仙太郎は般若同心・柚木源九郎とともに、つむじ風一味を追い詰める!
京の料理茶屋「末広屋」に年季奉公にでることになった百姓の娘、お菊。寂しさと不安のなか、有名料理屋の息子の才次郎、その腰巾着の市松、武家の息子の小仲太、生真面目な又七ら同輩とともに、日々懸命に働く。お菊はやがて、又七と心を通わせるようになるが…。人生に立ちはだかる困難や失敗にめげず、未来に向かって真っ直ぐに生きる若者の姿が心を打つ傑作時代小説。
小普請組旗本・能登川清兵衛は、義母と妻に頭が上がらない毎日だが、彼には探索・暗殺者という裏の顔があった。御側衆・上野久唯から持ち込まれたのは、権勢を誇る小納戸頭取・大原石堂の殺害依頼。石堂の周囲を探るうち、清兵衛は幾重にも巡らされた陰謀の匂いを嗅ぐ。小者の峰介が作った、珍妙で抜群に使える道具の数々を懐に潜ませ、清兵衛は敵陣に乗り込む!
御家人の次男坊・杉野伸吾は、立派な戯作者になるのが夢だ。だが、師匠には、真面目すぎて話に艶がないと叱られてばかり。そんなとき、役者まがいの美貌を持つ謎の男・夕星と知り合う。兄さんと懐いてくる夕星は、伸吾の長屋に転がり込んできて…。「お助け屋」の仕事に巻き込まれた伸吾を待っていたのは、波瀾万丈の日々だった!爽やかで温かな人情活劇。
将軍家毒味役を務める矢背蔵人介。いまやその剣の腕は幕臣一といわれるが、いまから二十五年ほど前、道場で鎬を削った友・小暮清志郎がいた。火盗改同心にまで出世し順風満帆だった小暮はなぜか突然、上士を斬って出奔した。はたして何があったのか。調べ始めた蔵人介の前に、とんでもない「悪事」が浮かび始める。人気爆発の鬼役シリーズ上、かつてない衝撃の第十二弾。
クリスマス前のある日、ヒースウィックの町で複数の爆発事故が同時に起きた。未曾有の大惨事。だが事故の因果関係は半年が経っても明らかにされていない…クリスマスに娘が会いに来るのを楽しみにしている老人、一世一代の大葬儀を前にした葬儀屋の主、次期選挙を控えた不倫中の政治家、就職の面接を目前にした冴えない若者、校外学習に向かういたずらっ子を満載したバス、だれかれかまわず話しかけて漫談を聞かせる物乞い…。1章が1秒という短い章のなかに、登場人物たちの人生のひとコマを凝縮し、見事に描いた異色の傑作。
気がつくと密室館と呼ばれる館にいた日戸涼は、他に七人が閉じこめられていることを知らされる。屋敷啓次郎に心酔しているミステリ作家・拝島登美恵が、取材と偽って密室館に監禁した男女八名。顔を兜で隠した人物や何事にも無気力な人物など曰くありげな人々に加え、名探偵として誉れ高い蜜柑花子までいたー!!館内で起こる殺人のトリックを論理的に解くことができれば解放される、と拝島は言うが果たして?出口のない館の中で次々に起こる殺人事件。トリックの解明に挑む蜜柑花子の苦悩と渾身の推理、さらに“名探偵の宿命”をフレッシュな筆致で描く“名探偵の証明”シリーズ第二作。
名ヴァイオリン職人ジャンニのもとに、パガニーニ愛用の名器“大砲”が持ちこまれる。修理の翌日、美術品ディーラーの撲殺死体が発見された。彼はホテルの金庫に黄金製の箱を預けており、中にはエリーザという女性がパガニーニに宛てた古い手紙があった。これは事件解明の手がかりなのか?名職人にして名探偵が“悪魔のヴァイオリニスト”をめぐる壮大な歴史の謎に挑む!