2014年2月発売
華やかな美貌で売る女優、出産前の身体に戻りたい主婦、完璧な男との結婚をねらうキャバ嬢、そして、独自の美を求め続ける資産家令嬢。美容整形に通い詰める四人はやがて「触れてはならない何か」に近づいてゆくー。終わりなき欲望を解き放った女たちが踏み込んだ戦慄の風景を、深くリアルに描く傑作長編!
相原徹は、生まれ故郷の敦賀ー原発に税収と雇用を頼る街から出ることなく、子供時代を過ごし、仕事を得、家庭を持った。未来を描けないこの街での窒息しそうな日々を、水商売の女や妻子の間で揺れ惑いながら生きる徹が、最後に見極めた人生とは。地方都市で生きることの現実をあぶりだす、著者の新境地。
曲亭馬琴も書き残した江戸版UFO遭遇事件と目される「うつろ舟」伝説。海辺に流れ着いた異国風の女の裏には何があるのか。幽霊を食った男、深川の白蛇、牢から忽然と消えた男…さまざまな怪奇が入り乱れる中、闇の者たちとバテレンさんじゅあんの謎を根岸肥前守はついに解き明かすのか?大人気妖談シリーズ堂々完結篇!
江戸の大川端にある小さな旅篭「かわせみ」を舞台に繰り広げられる、大人気“人情捕物帳”。1973年に連載が開始されて以来、現在まで続く、総累計1000万部を超える国民的ベストセラーである。全34巻から選りすぐった7篇を美しいカラー挿絵とともに収録したベスト版第1弾。シリーズを振り返った書き下ろしエッセイを収録。
美しい江戸の町でついに成就するるいと東吾の恋ーシリーズ最大の人気作「祝言」や、下手人が誰もいない!?痛快ミステリー「矢大臣殺し」、人さらい事件を解決した「花世の冒険」など、粒ぞろいの傑作が目白推し。捕物、人情、江戸の光景に心遊ばせる贅沢な一冊。全34巻から著者自らセレクトした愛蔵ベスト版第2弾!
「時は今あめが下しる五月哉」明智光秀はその日の直前こう発句した。坐して滅ぶかあるいは叛くか。天正十年六月一日、亀山城を出た光秀の軍列は本能寺へと向かう。戦国武将のなかでもひときわ異様な謎に包まれたこの人物を描いた表題作他、郷里の歴史に材を借りた「上意改まる」など3篇を収録。異色歴史小説集。
幼子の母亜矢子の最近の苛立ちの原因は、ママ友仲間の中心人物麻由による理不尽な嫌がらせ。コミュニティ唯一の独身女性時恵や旧友志穂を心の支えとしつつも、無関心な夫、育児疲れもあいまって、亜矢子は追い詰められ、幸せな日常から転落していく。その破滅の裏側には、思いも寄らない「悪意」が存在していた…。不世出のストーリーテラーが新境地を拓いた、傑作心理ミステリー!
地球に生命が誕生して以来の記憶を受け継がせるため、エマノンは必ず一人の娘を生んできた。しかし、あるとき男女の双生児が生まれて…。「かりそめエマノン」小学四年生の夏休みを曾祖母の住む九州で過ごすことになったぼく。アポロ11号が月に着陸した日、長い髪と印象的な瞳をもつ美少女エマノンに出会った。それは忘れられない記憶の始まりとなった。
最先端の施設警備システム・ROMESを擁する西日本国際空港で、密輪の摘発が続いた。税関から協力要請を受けた空港警備チームは、ROMESを駆使して次々と運び屋たちを発見していく。だが、うまく行きすぎる。疑問を抱いたシステム運用の天才・成嶋優弥はひそかに調査を開始する。大模規密輪を隠れ蓑にして進んでいた恐るべきテロ計画。成嶋は首謀者の男の執念に対抗できるか?
江戸中期、宝暦の京と江戸に怪異が生じた。数珠屋の隠居が夜ごと憑かれたように東山に向かい、白花の下で自害。紀州藩江戸屋敷では、不思議な蓮が咲くたび人が自死した。はぐれ公家の庭田重奈雄は、この世に災厄をもたらす異界の妖草を刈る妖草師である。隠居も元紀州藩士であることに気づいた重奈雄は、紀州徳川家への恐るべき怨念の存在を知ることにー。新鋭が放つ時代伝奇書下し!
かつて御小人目付として剣と隠密探索の達人だった九十九九十郎。だがある事情で職を辞し、今は「仕舞屋」と称してもみ消し屋を営んでいる。そんな九十郎の家を、ある朝七と名乗る童女が賄いの職を求めて訪れた。父母を失ったという七は断っても出て行かず、父仕込みの料理で九十郎を唸らせる。「侍」のもとで働きたいという七の真の目的とは?九十郎の情と剣が、事件と心の綾を解く!時代小説・書下し。
文化二年、お盆の頃。摂津尼崎藩江戸家老・塩谷隼人は胸に虚しい思いを抱えていた。それは、還暦を過ぎた今となっても父の仇討ちを果たせていない悔恨からきている。そんな折、両国広小路で暴漢たちに絡まれていた一人の武士を助けた。松崎と名乗るその武士は、聞けば四十年の間、親の仇を追う身であり、奇しくも隼人と同い年であった。因縁を感じた隼人は、助太刀を決意するが…。
たびかさなる刺客の襲来。霞幻十郎は見えざる敵の意図をはかりかねていた。叔父の南町奉行池田長恵の失脚が狙いなのか。未然に防いだ岡山池田家への強請を仕掛けたものの遺恨なのか。さらには、黒狐一味らしき押込み強盗についての助勢を、南町奉行所の面々に求められる。剣客にして名君の血をひく霞幻十郎が、鞍馬流の剣で刺客を斃し、謎を解く痛快時代小説。
西国に武者修行の旅に出た半兵衛は、舟の中で出会った鴻乃森兵馬という浪人者に、長州へ行こうと誘われる。勤王や佐幕という思想に興味を持たない半兵衛は断ろうとしたが、長州に伝説の鬼無剣を遣う幻の剣聖がいると聞き、興味を持った。その時、同じ舟に乗り合わせていた旅芸人と知り合った半兵衛は、お妙という美しい娘に一目惚れする。だが、その旅芸人達には、ある秘密が隠されていた。
両国広小路で色っぽくお客の相手をする矢場娘の美咲。実は定町廻り同心の間垣弥十郎の配下の娘岡っ引きで、大店の呉服問屋・島津屋の一人娘でもあった!!日本橋小町と言われる美咲だが、間垣の弱みを握って親の力で岡っ引きになったというほどの捕物好き。矢場娘の連続手籠め事件に、生娘の美咲は女中の朋代に助けられながら挑むが、果たして無事に解決しその貞操は守られるのか!?娯楽時代作家が放つ破天荒のじゃじゃ馬娘捕物帖!!
殺人事件の犯人にあと一歩と迫ったとき、刑事は県警幹部の重大な犯罪を知ってしまった。幹部の犯罪を見逃せば、殺人犯をとり逃がすことになる。幹部の犯罪を追及すれば、県警自体が瓦解しかねない。守るべきは、正義か組織か!?苦渋の決断を迫られた刑事は…。話題騒然!法廷ミステリーの名手が描く、異色の警察小説がついに文庫化!
「思いきって、やったらどうなの」「何をだ」「わたしを殺すのよ」-社の常務の姪と不倫した挙げ句、妊娠させ、結婚を迫られてしまった夫。“玉の輿”を目論む夫に、妻は離婚を絶対拒否することで対抗する。はたして、夫婦の運命は…(「霧」)、ほか、全編会話だけで構成された異色の短編を6篇収録。
大学院生の大森直人は、同じ研究室の後輩で性に奔放な佐山利香と付き合っていたが、キャンパス近くの弁当屋で働く人妻杉村裕美を一目見て以来、叶わぬ恋に胸焦がす日々を送っていた。一方、控えめな直人の視線に気付いていた裕美も、満たされぬ夫婦生活に悩み悶々とする毎日。互いに惹かれあう二人の距離は次第に近づいていき…。抑えきれない男女の欲望が迸る長編ふとももエロス。