2015年6月5日発売
サマンサはハンサムで優しい恋人クライヴに夢中だ。父親は「君はあの男の本性をわかっていない」と反対するが、サマンサは、そんな子ども扱いにはうんざりだった。だがある夜、彼女は婚前交渉を迫るクライヴと喧嘩してしまう。彼のもとを逃げ出し、迷い込んだ美しい邸宅の庭で出会ったのは、傲慢で謎めいた実業家、ブレット・キャリントン。驚いたことに彼とクライヴは古くから因縁の関係にあるようで、翌日からブレットはサマンサを毎日のように誘いだすようになった。クライヴを愛しているからと拒んでも、軽くいなされてしまう。あげくブレットは、サマンサを自家用ジェットで別荘に連れ去りー。
家庭教師のマディは新しい雇い主との面接のため、ある宿屋に泊まった。雇い主に気に入られて、年老いてからも家の片隅に置いてもらい、つましいながらも穏やかに暮らすーそんな人生を思い描いて。ところがその夜、あろうことか彼女の眠る客室に忍び込んだ見知らぬ男に夢うつつのうちに体を奪われてしまった!男の正体はなんと、高潔で有名なセイント・オールドリック公爵。不運にも雇い主の知るところとなり、職を失ったマディはショックと恥辱に耐えかね、その場から逃げだした…。ふた月後、マディはあの夜の記憶に怯えながらも公爵邸を訪れたーわたしのおなかにいる子をどうか認知してください、と伝えるために。
“野獣”が新しい花嫁を探しているー子ができぬ妻を殺した、残忍な城主コナー・マクレリーが妻の喪も明けないうちから花嫁を求めているという噂を耳にし、村人たちは震え上がった。やがて、“野獣”は没落氏族の娘ジョスリンに白羽の矢を立てた。弟を人質として城に囚われた今、結婚を承諾する以外、彼女に道はない。そして婚礼の日、現れた長身のたくましい体躯のコナー・マクレリーが欲望もあらわに無遠慮なまなざしでジョスリンを見た。昼間は存在を無視され、夜だけベッドで情熱を交わすー世継ぎをもうける道具としての虚しい結婚生活の幕開けだった。
信じられないほどハンサムな男性が、さっきから私を見ている。それもとびきりの笑みを浮かべて。砂漠の王家主催のパーティを抜けだし、ラウンジに来ていたパイパーは不思議でならなかった。地味で平凡な私をどうして?しかし、やがて男性は隣にやってきてA・Jと名乗った。美女を相手にするようなほめ言葉と誘惑に、パイパーは夢心地。ああ、こんなすてきな人と知り合えるなんて!彼女はまだ知らなかった。彼が砂漠の国バジュールの王子アダンで、次なる獲物が自分だとは。まさか訪れた彼の祖国で、ナニー兼愛人に甘んじるつらい日々が待っているとは夢にも思わず…。
ウエイトレスとして働きながら独りで息子を育てるローズの店に、今や富も名声も手に入れたかつての恋人が現れたーザンダー!初めて愛し、すべてを捧げた男性。彼が町を出て11年。ずつとこの日を夢見ながら、同時に恐れてもいた。隠し続けてきた秘密を、とうとう彼に知られてしまうのだろうか?「きみは昔と少しも変わらずセクシーだ」彼に食事に誘われ、熱いキスを交わした直後、息子がけがをしたと電話が入り、ザンダーの車で病院へ向かったローズ。彼女の息子を見たザンダーは凍りつき、鋭い目つきになった。「きみは…ぼくに話すべきことがあるんじゃないか?」
ジュエルは楽園のような島のホテルで、臨時雇いの仕事を得た。その夜、彼女はバーの前でひとりの男性に声をかけられる。ハスキーな声、ゴージャスで尊大なたたずまい…。柄にもなく、ジュエルは名も知らぬ彼と熱い一夜を過ごす。出勤初日、ジュエルがホテルオーナーのオフィスへ出向くと、そこにいたのは、彼女を官能の極みへと押し上げた、あの男性!彼がギリシア人大富豪、ピアズ・アネタキスだったなんて。ジュエルは翌日、なんの説明もないまま解雇された。セクシーだが冷酷なピアズの子を身ごもっていると知ったのは、それから5カ月後のことだった。
リーの逃げ口上は、「結婚するなら億万長者でなくちゃね」母子家庭で苦労して育ったため、端から結婚には興味がない。リーの唯一の目標は、経済的に自立したキャリアウーマンだった。あるとき姉を訪れるため飛行機に乗ると、隣に居合わせたのは、長身を高級スーツに包んだ、なんともセクシーなイタリア男。ひとめで惹かれたリーは、動揺のあまり彼を無視するが、そんな態度が逆に彼の興味を引いたのか、「どんな男が好みなんだ?」と強引に迫られてしまう。いつもの口癖で「お金持ちで健康な人よ」と返したところ、彼が姉の隣人の億万長者、マーク・レオーネだとわかって…。