2015年9月発売
企みを、看破せよー!キャリアながら“警視庁付属犯罪資料館”の館長に甘んじる謎多き美女と、一刻も早く汚名を返上し捜査一課に戻りたい巡査部長。図らずも「迷宮入り、絶対阻止」に向けて共闘することになった二人が挑む、難事件。予測不能の神業トリックが冴え渡る、著者初の本格警察小説!!
世界に憧れる有騎、いつも一緒の鮎子と茉歩。三人の女子高生の友情は、問題児の美雲と関わったことで変化していく。四人の間に緊張が高まる中、悲劇が…。後日、罪悪感に囚われ思い悩む有騎がたどり着いたのは、天体観測会が行われる廃園の館だった。館の主にまつわる謎を追ううちに知った、彼女たちの身に起きた悲劇の驚愕の真相とは。多感な少女たちの心を描く青春ミステリ。
16歳の少女ポーシャは両親を亡くし、年の離れた異母兄トマスとその妻アナの豪華なロンドンの屋敷に預けられる。「娘に一年だけでも普通の家庭生活をあじわわせてやってほしい」という亡父の遺言を受けてのことだった。その家には人気作家や元軍人をはじめ、夫妻の友人たちがよく訪れた。ポーシャは、アナの客人で、不敵な世界観を持つ美青年エディに心魅かれていく。寄る辺のないポーシャは、手紙と日記に心をゆるしていて、手紙をくれたエディには、彼女の日記を読ませてあげた。しかしもう一人、その秘密の日記を覗き見る大人の影が…。無垢な少女のまわりで、結ばれ、もつれ、ほどけていく人間の絆…心理の綾を微細に描き、人生の深遠を映し出す、稀代の巨編。
剣を握ったのは遠い過去、今では書物を手放さず、暇さえあれば読書にふける柳生十兵衛は、一応、柳生家の御曹司。以前は徳川家光の小姓も務めていた。だが家光の勘気を蒙り、目下、小田原にて謹慎の身。これ幸いと読書にうつつを抜かす十兵衛だったが小田原城主阿部備中守から城下の不逞浪人の調査を依頼される。十兵衛は、筋骨隆々の従者一兵衛と探索を開始するが…。読書家・柳生十兵衛が小田原に巣くう“魔”に挑む!
失くした大切な記憶が不思議なペットとして現れる“夢幻楼”を老紳士が訪れる。余命短い妻が失った記憶を引き取るという。妻には返さず、記憶を形見として寂しさを埋めたいとの願いに店主の雅は…(永遠を願う亀)。雅の弟・ギンは、兄との思い出の中で重大な何かを忘れていることに気付く。過去を調べ始めるギンに雅は何かを隠しているようで…(二人ぼっちの兄弟)。やさしい想いと強い絆に心満たされる人気シリーズ、第2弾。
家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の警視正に、極秘の捜査チームへ誘われる。“本社”という組織が麻薬売買目的で企画する音楽イベントへの潜入を命じられたタケルは、会場で二人の若者ー中国残留孤児三世としての鬱屈を抱えるホウ、復讐のためイベント企画者の恋人を演じる美少女カスミーと出会う。孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編!
江戸城の台所人、鮎川惣介は、一番の腕の見せ所である八朔祝に非番を言い渡されてしまう。夫婦喧嘩も引き金となって、気落ちしながら日本橋を歩いていると、身投げしそうな大奥女中がいた。案じた惣介は、何とか思い留まらせる。一方、近所の長屋に大量の小判が撤かれ、世間を騒がせていた。下男として雇った麦作が犯人ではないかと怪しんだ惣介は、幼馴染みで大奥添番の片桐隼人と共に、麦作を見張ることにしたのだがー。
旭川の四月は、冬と春の境目だ。高校二年生になった僕、正太郎は、親友の今居と、仲のいい女子・鴻上と同じクラスになった。担任は、気心の知れた磯崎先生だ。けれど転校生のゴスロリ少女・阿世知蘭香が、いきなり鴻上に「親友になって」と宣言し、困惑する僕らだけど…。(「ウラトオモテ」)ほか、櫻子さん宅で起きた「殺鳥事件」、一緒に出かけた美瑛の美しい池で見つけた遺体の謎など、櫻子さんの推理が冴える大人気ミステリ!
全てに無気力な20代無職の「私」は、ある日海岸で小さな蟹を拾う。それはなんと人の言葉を話し、体の割に何でも食べる。奇妙で楽しい暮らしの中、私は彼の食事代のため働き始めることに。しかし私は、職場でできた彼女を衝動的に殺してしまう。そしてふと思いついた。「蟹…食べるかな、これ」。すると蟹は言った。「じゃ、遠慮なく…」。捕食者と「餌」が逆転する時、生まれた恐怖と奇妙な友情とは。話題をさらった「泣けるホラー」。第20回日本ホラー小説大賞優秀賞受賞作。
タンカー沈没により汚染されたニューヨーク湾の除染施設ビッグ・シェルが、テロリストに占拠された。首謀者はソリッド・スネーク、人質は米大統領。単独潜入を命じられた新兵雷電は、想像を絶する陰謀に阻まれる。真の敵は英雄ソリッド・スネークなのか、前大統領ソリダス・スネークなのか。地獄巡りの果てに雷電が知ったのは、国家をも否定するシステムの存在だった。マンハッタン島に、新たなグラウンド・ゼロが出現する。
「和を以て貴しと為す」がモットーの七楽署刑事課長・一ノ瀬のもとに、殺人事件の報せが舞い込んだ。殺されたのは老舗デパートの若社長。地元のしがらみを知り尽くした一ノ瀬は、被害者と対立していた地元商店会の名士から容疑を遠ざけようとするが、まったく空気を読まないキャリア警視・榊原が過剰な正義を振りかざす。容疑者のシングルマザーに頼られ、一ノ瀬は榊原とともに真相解明に動くが!?官能×警察小説の新境地!!
長野県警・城取警部補は、不正献金の疑いのある地元選出の与党代議士・柳平の身辺を調査するよう命じられた。彼の議員秘書2名が相次いで、和歌山沖、石垣島沖でのスクーバダイビング中に死亡していたのだ。迷宮入りする献金問題、秘書に届き続けていた怪文書。当初は事故と思われたが、捜査の進展とともに2つの死を結びつけるある女性の存在が明らかになり…。気鋭の乱歩賞作家が描く、たくらみに満ちた社会派ミステリ!
浅見光彦のもとに、全国紙J新聞の大阪支社から文化部の富永という男が訪れた。部下の女性記者・前田淳子が、明石の自宅を出たまま失踪したというのだ。浅見は、淳子の後輩で、源氏物語を学ぶ女子大生・崎上由香里とともに淳子の行方を捜す。淳子は明石原人の取材話の際に、怪しい2人連れの男を気にしていたというのだが…。若き記者の未来を無情にも奪った事件。憤りを隠せない心優しき名探偵が辿り着いた意外な真実とは。
孤島に建設された探偵養成学校・聖アリスガワ女学校の特別試験問題は「大鐘楼に設置された密室において、二十四時間で主に最も近づけ」、つまりは奇蹟を起こせという難解極まるものだった。そして二人の女生徒が解なき試験に臨むため、密室に入ることに。しかし一夜が明け、二人は鐘楼尖端の十字架に磔の状態で発見されるのだった!!美しき神父と三人の少女探偵が、前代未聞の殺人事件に挑む、耽美かつ華麗なゴシック・ミステリ!
キャンパスの中心にそびえ立つ時計塔。その最上部の小部屋にある鏡に祈りを捧げると、死者と再会できるという伝説がある。晴香は友人から心霊現象の相談を持ちかけられる。八雲とともに調査を始めた晴香だったが、殺人事件の容疑者として捕らえられてしまう。晴香の無実を信じる八雲たちだが、捜査班からは動かぬ証拠を突きつけられてしまい…。大人気スピリチュアル・ミステリー外伝、シリーズ最大の危機!
きっかけは1冊の本。かつて読んだ、忘れられない小説の感想を検索した伸行は、「レインツリーの国」というブログにたどり着く。管理人は「ひとみ」。思わず送ったメールに返事があり、ふたりの交流が始まった。心の通ったやりとりを重ねるうち、伸行はどうしてもひとみに会いたいと思うようになっていく。しかし、彼女にはどうしても会えない理由があったー。不器用で真っ直ぐなふたりの、心あたたまる珠玉の恋愛小説。
四十九院香澄は、大学入学と同時に「鉄道旅同好会」の扉を叩いた。根っからの鉄道好きが集うこの会に入部して、三年前に起きたある事件の真相を探りたいという切実な動機があったのだ。こどもの国線、氷見線、飯田線ー列車に揺られ、旅先で出会った人々と話し、土地の名物を味わううち、鉄道に興味のなかった彼女が、ゆっくりと変わりはじめる。読めば旅に出たくなる、叙情豊かな鉄道ミステリ第一弾。