2019年9月9日発売
「好きな女ができたから、お前とはもう遊べない」。僕らの前に現れた16歳の少女、小泉今日子。女神の存在が、うだつの上がらない毎日を一新した。アイドルの「親衛隊」という居場所で、少年たちが手に入れたもの、そして失ったものとはー。恋、友情、憧れ、生と死…、心震わす青春小説。
今日もスタジオに彼らは集う。社交ダンスを定年後のボランティア活動と位置づける田中。モテたい一心の商社マン川端。苦労人だが踊りは熱い工場経営者の大塚。まるきり初心者の面々を指導する講師の米山は、不思議なくらい無気力でー。でこぼこ道の人生を、歩いてきたから夢中になれる。中年世代ならではの、出会いと躍動の物語!
出奔した妹の子ども・朔と暮らすことになった椿。勉強が苦手で内にこもりがちな、決して“育てやすく”はない朔との生活の中で、椿は彼を無意識に他の子どもと比べていることに気づく。それは、大人としてやってもいいことなのだろうかー大人が言う「良い子」って、何?
牛スジ、葱鮪、トマト、蟹面といった名物おでんや、牡蛎のカレー煮、蒸しイチジクの甘味噌かけなどの美味しい小料理…東京・四谷の「めぐみ食堂」は、女将の恵が一人で切り盛りするおでん屋だ。元・人気占い師の恵は、ある事情があって今は“見る力”を失っていたが、結婚のさまざまな悩みを抱える常連客と接するうちに、“男女の縁”が見えるようになってー。ときにほろ苦くも心あたたまる新シリーズ第一弾。
若く野望に燃えていた青年期を経て、織田家での異例の出世、そして本能寺の変へー。かるたの札に絡めて、謀叛の理由へ大胆に迫った「純白き鬼札」(冲方丁)、事実と虚構を見事に切り分け、謎多き光秀を独自の解釈で描いた「一代の栄光」(池波正太郎)、叛逆者の娘・珠の、ある願いと悲劇の選択を描く「ガラシャ」(植松三十里)など、人気歴史作家による名作短編六編を収録した豪華アンソロジー。
元芸妓のもも吉は、わけあって今は祇園で甘味処「もも吉庵」を営んでいる。一見さんお断り、メニューは「麩もちぜんざい」のみの小さな店だ。そんな店を訪れるのは、舞妓になるために十五歳で祇園へやってきた少女、妻を亡くして一人で京都を旅する中年男性ーさまざまな悩みを抱えた人たちへのもも吉の言葉は、ときに辛口だが、彼らの心を解きほぐしていく。京都の四季に彩られた感動の連作短編集。
生真面目な父を持つ志穂子は、その反動からか仕事に恋に奔放な日々を送っていた。ある日、以前バンドのボーカルをしていて、今は不動産業を営む晃と出会う。この男は危険だと周囲の忠告を受けながらも、晃に惹かれていくことを止められない志穂子。しかし、晃は徐々にその正体を表し始める…。一人の女性が「魔性」を持つ男に絡め取られ、転落していく心理を鮮烈に描き出す、戦慄のサスペンス。
第三帝国による世界制覇を目論むヒトラーは、ソ連と共謀のうえポーランドに侵攻して分割占領に成功、フランス軍も撃破する。1941年にはイギリス全土を制圧し、さらにはアメリカ本土、ハワイも支配下に収める。ヒトラーは、防共協定を結んでいた日本が対米参戦を拒否したことを理由に日本へも軍を進め、ドイツ艦隊と日本海軍連合艦隊が激突。日本近海での戦いに敗れた日本は、本土決戦でも敗北を喫した。本土を追われた日本海軍の前に、今またドイツ第三帝国の艦隊が迫る…。地獄を見た者たちの反撃が今、始まる!