2024年7月発売
銀河大帝国ー人類が生息可能な惑星のある宙域の7割を国土としている大国でジョン・ウーゾスは、傭兵を生業としていた。「オタク」「モブ」を自認している彼は「分不相応・役者不足・身の程を弁える」をモットーにし、惑星テウラでのテロリスト掃討作戦を完遂した。そして、そんな彼に新たな災難の影がー「なんであんたがあんなに報酬をもらってるのよ!?」頭がピンクの没落貴族様に絡まれたり。「動くな侵入者。動けば殺す」パッチワーク号が破壊され、逃げ込んだ洞窟では“意思のある古代兵器”ロスヴァイゼの姉・ゲルヒルデに銃口をつきつけられたり。災難続きのウーゾスだが、偶然出会った超高性能な古代兵器。当然、彼がとる行動は…!「だが断る!そういう船は、イケメンで主人公属性の奴が乗るのが正しいお!」実は超有能なモブ傭兵による、無自覚爽快スペースファンタジー。第3幕!
フリオがホウタウ魔法学校の闘技場を改修したことで、学校に通うフリオ家の子供たちは規格外の実力を十二分に発揮する。しかし、平和なクライロード球状世界の裏、地下世界ドゴログマでは厄災魔獣を超える脅威ー厄災の超魔獣が暴れ回っていた。神界の女神たちは厄災の超魔獣に対応するため、神界の使徒の捕縛部隊を派遣するも、そのことごとくが失敗に終わってしまう。事態の収拾を図るため、神界は『超越者』であるフリオに生態の調査・討伐を依頼することに。一方、魔狐集落の復興を目論む銅角狐は、悪魔導士と協力して地下世界ドゴログマに門を繋ぎ、厄災の超魔獣をクライロード球状世界に召喚しようとしていた。そうとは知らず、強大な魔力に引き寄せられた金髪勇者一行が現場に居合わせていてー?WEB発、チートだけどまったりな異世界ライフ、第18巻!
侯爵令嬢シャーロットは第一王子ハロルドの婚約者として努力を惜しまず、品行方正・清廉潔白に生きてきたはずだった。それなのになぜか、学院では「稀代の悪女」と噂されるようになり、転入生の男爵令嬢マリーアのことを皆がもてはやす。果ては彼女への鞍替えを示唆するハロルドを前に、絶望したシャーロットはすべてをリセットする“記憶魔法”を使うことに。『それでは皆様ごきげんよう。悪女のいない世界でどうぞお幸せに』-数か月後。シャーロットの存在が消えたレノク王国中枢部では政務が回らない、王子の婚約者が決まらない…「どうしてこうなった?」と誰もが首をかしげる事態に。一方、魔法の代償として自身の名前以外の記憶を失い、平民となったシャーロットは新天地でのびのびと第二の人生を歩み幸せになっていく。これは、頑張った人が報われる世界で心優しい貴族令嬢が幸せをつかむ物語。
不老不死の体をもつ魔女ララニカ。彼女は一人、森の奥で暮らしていた。そんな生活を続け数百年たったある日のこと、ララニカは森で死にかけの少年を拾う。少年には帰る場所がないようで、「ノクス」と名付け、しばらく面倒を見ることに。そうして始まった二人の生活。ノクスは自分を救ってくれたララニカに恋心を抱くようになるが、不死ゆえに置いていかれる悲しみを知るララニカは気持ちを受け取ろうとはしない。それでも諦められないノクスは悩んだ末に一つの答えを出す。それはー「俺がララニカを殺してみせるから、俺と結婚して」というもので…?驚きつつも方法はないと説得するララニカ。しかし、ノクスは殺す方法を求めて森の外へ出ていってしまう。数年後、ララニカのもとに帰ってきたノクスは血と死の匂いを纏う暗殺者へとなっていてー?
前世は伝説の魔女だった伯爵夫人ラム。シャールとともに宿敵エポカを打ち破った彼女は、魔法使いに対して寛容なレーヴル王国へ引っ越し、平和な時間を満喫していた。そんな折、引っ越し先を提供してくれたレーヴルの国王フレーシュが、アンシュ王国の記者ティボーを連れて屋敷にやってくる。話を聞くとアンシュ王国では解散したはずのモーター教が存続していて、ティボーが真実を伝えようとしても信じてもらえないどころか、嘘つきだと攻撃されるという。モーター教がある限り魔法使いの不遇が続くことは明白。放っておけないラムは彼が証拠を掴む手伝いをすることに!早速、シャールたちと一緒にアンシュ王国の騎士団に潜入するが、そこは団長の一存で全てが決まる歪な場所だった。大量の理不尽を魔法で受け流しつつ、少しずつ調査を進めていくラムたち。すると、一人の騎士がラムの魔法を見抜き「目的のため協力してほしい」と接触してきてー?
「あの、私も妹も、交通総務課から来ました」。そう聞いて、永嶺スバルは絶句した。犯人を挙げるため違法捜査も厭わなかった捜査一課での職務を失い、異動した先での初日。やって来たのは、仲良し姉妹、田舎の駐在所から来た好々爺、机の下に隠れて怯える女性、民間人を誤認逮捕しかけても悪びれない金髪男だった。着任早々、異様な事件の報告が入る。全身の血液が沸騰した死体と、炭化するほど燃やされた死体。-後に犯人は声明をネットにアップし、日本中を混乱と恐怖に陥れる。相棒を失った心の傷が癒えぬ永嶺は、この「警視庁公安部公安第五課 コトダマ犯罪調査課」のメンバーと捜査を開始した。彼らの共通点はただ一つ。ある能力を保持していることだったー。6作品連続「このミステリーがすごい!」ランクイン&「本格ミステリ大賞(評論・研究部門)」受賞作家最新作。
菜澄藩の郷士・望月鞘音は、姪の若葉との生活を少しでも楽にしようと、傷の治療に使う“サヤネ紙”を作っていたが、幼馴染の紙問屋・我孫子屋壮介から改良を頼まれる。町の女医者・佐倉虎峰の依頼らしいが、目的を明かさないので訝しく思うと、それは「月役(月経)」の処置に使うためであった。自分の仕事を穢らわしい用途に使われた、武士の名を貶められた、と激怒する鞘音だったが、時を同じくして初潮を迎えた若葉が「穢れ」だと村の子供にいじめられたことを知る。女性の苦境を目の当たりにした鞘音は迷いつつ、壮介や虎峰と協力し、「シモで口に糊する」と誹られながらも改良した完成品“月花美人”を売り出そうとするがー。己に恥じぬ生き方とは。落涙の医療時代小説!
時は江戸。作事奉行・上月監物の屋敷の奥女中・お葉は、度々現れる男に畏れ慄き、死病に憑かれたように伏せっていた。彼岸花を深紅に染め付けた着物を纏い、身も凍るほど美しい顔のその男・萩之介は、“この世に居るはずのない男”だったー。この騒動を知った監物は、過去の悪行と何か関わりがあるのではと警戒する。いくつもの謎をはらむ幽霊事件を解き明かすべく、“憑き物落とし”を行う武蔵晴明神社の宮守・中禪寺洲齋が監物の屋敷に招かれる。謎に秘された哀しき真実とは?
狩る者、狩られる者の底知れぬ欲望が交錯し、金とプライドを巡る命懸けの駆け引きが展開する、怒涛のクライム・サスペンス。シンガポールのカジノで元Jリーガーの稲田は全財産を失い、失意のどん底にいた。一部始終を見ていた大物地面師・ハリソン山中は、IR誘致を見込んだ苫小牧の不動産詐欺計画の一員として参画を提案する。稲田は日本に戻り、ディベロッパーの宏彰、支援者の菅原と共に準備に入るが、突然計画が白紙になり、代案として北極海航路開通を睨んだ釧路へ変更を余儀なくされる。一方、警視庁捜査二課のサクラは、ある不動産詐欺の捜査過程で地面師一味の関与を疑い、捜査を続けていくうちに、逃亡中のハリソン山中が趣味の狩猟で頻繁に北海道を訪れていたという情報を掴むがー。
「西の『城砦』、東の『白い巨塔』」と絶讃されたものの、いつの間にか忘れられていた名著が夏川草介氏の新訳で甦りました。大学を卒業したばかりの医師である主人公が、夢と情熱を持ち医師という仕事に挑む半生を綴ります。無知や打算、諦めなど“大人の事情”が存在する医療現場で、もがき続ける若き医師とそのパートナーの物語です。
「人生とは、未知に対する戦い。ひどい上り坂を諦めずに上っていくこと。そして、頂上にある城砦を絶対に打ち破らなければいけない」と語っていたアンドルーですが、極貧生活を経て、富や名声への渇望を募らせます。そして悲劇が訪れて…。あなたにとっての“城砦”とは何ですか?それを打ち破る覚悟はありますか?
毎日をただこなすように生きてきた平凡な中学生のキートは、死んだはずの7歳上のいとこから、天国にたまねぎを密輸するバイトを持ちかけられた。ついでに、死後も更新が続くいとこのSNSの乗っ取り犯さがしも命じられる。突然訪れた非日常。その中で、自身の平凡さをもてあまし、非凡であることに憧れと恐れの両方を抱いていたキートが、最後にたどりついた真実とは…。
砂漠に囲まれた豊かな都市国家・ズィーラーンに、新しい生活を求めて逃れてきた難民の少年・マリク。心に傷を抱え、後継者でありながら、自国を逃れ、遠くで暮らしたいと願う王女・カリーナ。出会うはずのないふたりが神霊の謀略によって出会うとき、運命が動きはじめるー。西アフリカの神話を下敷きにえがかれる、まったく新しいハイファンタジー!
心が近づくほどに、相手の命を奪うことへの葛藤が深まるマリクとカリーナ。カリーナの願いもむなしく、マリクはソルスタシアの試練に勝ち進んでいく。それは、決断のときが近づいていることを意味していた。惹かれ合うほど、運命は非情さを増していくー。西アフリカの神話を下敷きにえがかれる、まったく新しいハイファンタジー!
サーシャがギリシア富豪ラファエルと出会ってすぐに結婚したのは、裕福な権力者で横暴な継父の支配から逃れたかったためだ。ラファエルも彼女が持つ豊かな人脈を必要としていたから、どちらにも都合はよく、愛がなくてもかまわないはずだった。けれど妻を大切にし、対等に扱う夫にサーシャはいつしか恋をし、愛を求めるようになっていた。今、夫は自分の後継者となる赤ちゃんを欲しがっている。けれどいくら不妊治療を続けても子供を授かることはなく、サーシャはつらい気持ちを押し殺し、代理母による出産を提案した。私が愛する夫の願いをかなえるにはもうその方法しかないから…。
ベアトリスは緊張した面持ちでイベント会場へ足を踏み入れた。ホテル王メイソンに近づき、誘惑して妻の座を手に入れるー横暴な父に命じられて来たけれど、私にできるの?そんな彼女のためらいは、メイソンに会った瞬間に吹き飛んだ。抗えない熱情に突き動かされ、純潔を自ら捧げてしまったのだ。だが、ベアトリスの様子を訝しく思った彼に問い詰められ、彼女は恥じて姿を消し、密かにホテルの清掃員として働き始める。まさか身ごもっているとは思いもせずに。4カ月後。身重のベアトリスの前に、突然メイソンが現れて…。
掃除、洗濯、買い物、料理…すべての家事をこなしながら、セリーナはもう何年も、わがままで気難しい父の世話をしてきた。26歳の誕生日、彼女が休息を求めて近くの丘にのぼると、いつもは誰もいない頂上に、見知らぬハンサムな男性がいた。なぜか初対面の彼に親しみが湧いておしゃべりに興じるが、気づけばセリーナの心はほぐれ、笑顔を取り戻していた。その後すぐ父が心臓発作で倒れ、主治医と共に現れた医師、ファンドーレンを見て、彼女は驚くー丘の上の想い人だった!父の死後に家を失い、仕事もなく追いつめられたセリーナは、ファンドーレンから思いがけず“友情結婚”を申し込まれて…。
19歳のローズは訪れたバルセロナで、長身でたくましい黒髪の若き銀行家、ハビエルと出会い、たちまち虜になったー純潔を捧げた翌朝、捨てられるとは夢にも思わず。10年後、ローズは従妹の婚約パーティで偶然ハビエルと再会する。あのとき、妊娠したことだけでも告げたかったけれど、彼が他の女性と結婚間近と聞かされたあと、流産したのだ。「お会いできて光栄だ、ロザリン・メイ」ハビエルに笑顔で挨拶され、ローズは落胆した。私の顔も覚えていないのね…。だがハビエルは、言葉巧みになぜか彼女をスペインの実家へ連れていき、強引に結婚を承諾させてしまう!
保健師のソフィーは女手一つで幼い一人息子ラキーを育てている。ラキーには生まれつき足に問題があり、相談のため連れていった病院で、ソフィーは思いがけない相手と再会したー2年あまり前、一夜を共にしたあと音信不通になった不実な男性、フィン!電話すると約束してくれたのに、待てど暮らせど連絡はなく、彼の子を身ごもったことを伝えようにも伝えられなかった…。自分の息子とも気づかず診察する彼に、ソフィーの心は千々に乱れた。もしもフィンがいてくれたら、育児も日々の生活もずっと楽だったろう。でも彼が私を捨てた事実は変わらない。息子は私が独りで守るわ!だがラキーが1歳半と知ったフィンは月日を逆算するような顔になりー。
幼い頃に両親を亡くし、車の整備士の伯父に育てられたイジー。その伯父も亡き今、天涯孤独の彼女に遺されたたった一つの母の形見は家族に伝わるという古い木箱だが、鍵がないため中身を知らない。ある日、イジーの職場に黒塗りのリムジンが横づけされた。側近を従えて降りてきたのは、ブルーグリーンの瞳の端整な若い男性。「イザベル・ポーサードだね。僕はベルノニアの皇太子ニコラだ」親しい人しか知らない彼女の本名を口にした彼は、驚きの告白をした。「君が持ってる箱は、君が赤ん坊のときに僕が贈ったものだ。王子が結婚するとき、妻に“花嫁の箱”を贈る。僕は君の夫だ」口をぽかんと開けたイジーをまっすぐに見据え、ニコラは鍵を差し出した。