著者 : さかもと侑
物理法則に反する少女の無重力な青春 「宇良々川さん、最近ちょっと浮いてね?」 学校の休み時間、すやすやと眠る宇良々川さんは浮いていたーー物理的に。 物理学的にあり得ない宇良々川さんの秘密を知った物理学信奉者の菊池一成(通称ハカセ)は考えた。無重力状態にある彼女の体重はゼロの可能性がある……宇良々川さんがパイロットになれば、鳥人間コンテストで大会新記録を出すことも夢ではない! 交通事故で負傷した自分の代わりに人力飛行機のパイロットにするべく宇良々川さんを飛行機部に勧誘するハカセと個性的すぎる部員たち。だが、彼女には誰にも話せないある事情があって……。 物理法則に反する少女と、物理学を信奉する少年。何もかも正反対な二人が織りなす、悲喜こもごもな青春グラヴィティ小説。 「このラノ2023」新作総合部門 第1位『わたしはあなたの涙になりたい』、 「このラノ2024」新作総合部門 第2位『バスタブで暮らす』の四季大雅が放つ待望の新作!
駆け込んだ結婚相談所の相談員玲司と契約結婚をして早数か月。真面目で誠実な玲司に、咲は徐々に惹かれつつあった。そんな二人に、玲司の義父が早急に結婚式をするよう勧めてくる。しかも、義父の仕事関係者も呼ぶ盛大な披露宴を、と言い出してー。連れ子の遠慮から、身内だけのささやかな式がしたいという二人の希望を言い出せない玲司。「家族の顔も立てた方がいいかと思いまして…」「…私は家族じゃないんですか」契約結婚では本当の夫婦になれないの?夫婦って、いったい何?
美容師を辞めて福岡に戻ってこいという両親を振り切るため、結婚相談所に駆け込んだ私・西依咲は、目の前の相談員に訴えた。このまま仕事を続けさせてくれる人であれば、誰でもいい。年収も容姿も問わない。「書類上だけでもいいから結婚したいんです」「では、私はいかがでしょうか」二週間後、私は結婚相談員・成嶋玲司と入籍した。お見合い結婚でも恋愛結婚でもない。そう、これは利害一致の契約結婚ー。赤の他人とのまったく甘くない新婚生活がスタート!?書き下ろし。
五年前、ベンチャー企業の社長である母を亡くした平浦一慶。残されたのは、喧嘩っ早いトランスジェンダーの姉、オタクで引き籠りの妹、コミュ障でフリーターの父だった。かくいう一慶も、高校にもろくに通わず、母譲りの技術者としての才能を活かし、一人アプリ開発に精を出す日々を送っていた。穏やかな家庭での日常。退屈な学校生活。そんな現状を良しとしていた一慶だったが、たったひとつの事件をきっかけにして、事態は徐々に、彼の望まぬ方へと向かっていくこととなる…。第11回小学館ライトノベル大賞ガガガ大賞受賞作品。