著者 : つくぐ
「死はわたしの望むところだ。私は“死にたがり”なのだから」あまりにも無駄な戦争の、絶望的な敗勢の中で、とある事情から「死ぬため」に戦闘機乗りになった少女コロウ。配属されたのは、「死なさずの男」カノーが率いる国内随一の精鋭部隊だった。圧倒的な戦力差で襲いくる敵爆撃機。危険を顧みない飛び方を繰り返すコロウを、仲間たちは「生」につなぎとめる。彼らの技術を吸収し、パイロットとして成長していく彼女はいつしか“大空の君”として祭りあげられるほどにーあるべき“終わり”のために戦う戦闘機乗りたちを書き記す、空戦ファンタジー開幕!第13回GA文庫大賞銀賞受賞。
既に終わってしまった世界、エンドベイルー。人が魔族に敗北したこの世界では、異世界から人間を召喚しては無残に殺戮されるデスゲームが日々、繰り広げられていた。そして今回も現代から何も知らない人々が集められたのだが、そのなかに偶然、紛れ込んだ一つの異分子ー「俺が今この瞬間に、運営者であるお前を殺したら、ゲームは終わるのか?」かつては裏社会で“調整者”と呼ばれていた高校生、凪平凌真。社会の均衡を保つための存在、危険因子の抹殺、殺し屋専門の殺し屋だった彼は状況を理解し密かに微笑む。「少しは愉しむことができそうだ」決して覆るはずのなかった人類と魔族の力関係は、やがて崩れ始めるー。
ドゥゼ村の秘密を解き明かし、村に結界を張り直したエルザ。今後はラグの木だけではなくきちんとした食事がとれるようにと、村の改革を進めていく。変わっていく生活に不安を抱いたイルクと衝突したり、不思議な猫と遭遇したりとトラブルもあるものの、いつかお店を開くという夢のため、エルザはスレイマンに協力してもらいながら猪突猛進に料理を作っていく。そんなある日、長寿種の人たちが、結界を張った聖女に会うために村にやってきた。話を聞くと、かつて泥に呑み込まれてしまった土地を取り戻したいと言う。自分にできるのならば協力しようと、エルザはスレイマンとバーニャとともに、ドゥゼ村を発つのだがー。
近所に住む小五女子の城ヶ崎君は、朝から鯨を見に海へ行こうと誘ってくる、行動力だけで生きているような少女だ。そんな彼女に言われるがまま、一緒に海へ向かう高二のぼく。十一歳と十七歳、恋愛、どはないと思う。二人で過ごすいつもの夏の水曜日。こんな穏やかな日々がずっと続けばいいのにー。夏の朝、目が覚めたらいつものように鏡の前で情報整理。「海野幸、十七歳、性別女性、二年C組、両親は健在ー」顔にかかる髪を払い、ぼくを私に切り替える。曜日を確かめると水曜日。さぁ、今回も三日くらいがんばろうー。そして城ヶ崎さんは宣言する。「この世界を破壊したい」と。閉ざされた海辺の街で、ぼくと彼女は今日も出会う。
料理人の「私」は、夢であった自分の店を開く直前に通り魔に刺されて命を落とした。次に目を覚ましたとき、そこは異世界で、なぜか小さな少女になっていた。しかし、前世のことをわずかに思い出したのもつかの間、乗っていた馬車が盗賊に襲われてしまう。運よく不思議な狼に助けられて一命をとりとめたが、前世の記憶は取り戻したものの、ここがどこで、この世界の自分が何者なのかもわからない。ひとまず狼とともに森の中で暮らすことになった「私」は、狼が持ってきてくれた生肉を見て強く思ったー料理がしたい、と。聖なる炎でベーコンを炙ったり、洞窟で死にかけていた男を助け、彼が仕留めた魔獣で焼き肉パーティをしたり。異世界の森の中、破天荒な少女のとんでもサバイバルクッキングが繰り広げられる!
時は2060年ー自律機械DZを巡る陰謀に巻き込まれ、冷凍睡眠により10年の時を越えた技術者の青年デリダ・イヴェン。暴走したDZの群れがひしめく荒廃した世界で、請負仕事をしている「デストラクト」のヴィドーに命を救われ、窮地を脱したデリダは、マージュの親友・ユーリィと再会。共にマージュの足跡を辿る中、何者かにユーリィが攫われー!?そして、徐々に明らかになる『タイムライド』の、その恐るべき真実。“刻”を越える旅の果てに、究極の選択を迫られたデリダが選ぶのは世界か、あるいはー。近未来ハイエンドSFアニメノベライズ、堂々の完結!
時は2060年ー自律機械DZを巡る陰謀に巻き込まれ、冷凍睡眠により10年の時を越えた技術者の青年デリダ・イヴェン。覚醒したその“未来”に、DZの暴走を止める鍵を握る少女・マージュはいなかった。崩壊していく世界と彼女を救うため、デリダは10年前の“あの時”に戻ることを決意する。“消去されない思い出、特別な時間と場所、人の意識、時間を越える鍵になるものはー”彼女を取り戻す鍵は…過去へと跳躍する『タイムライド』。デリダは刻を越え、マージュの親友・ユーリィと陰謀を明かしていく!近未来ハイエンドSFアニメがノベライズで登場!
遠い未来、遠い惑星、黄昏を迎えた世界。私は遺跡の発掘物を利用するため、スクラップ工場で働いている。遥か昔に作られた私は、人間より人間らしい見た目で、機械らしさが足りない。ある日、発掘隊が棺めいた箱を持ち帰えると、中には銀糸のような髪に艶のある肌の少女が。瞳を閉じて眠る姿は、一目では機械人形と判断がつかない。彼女の造形を目で追う度、巻き起こる発熱とエラー。非の打ち所のない彼女の姿を前に、「きれい」と口にして、生まれて初めて、私はエラーで動けなくなった。変わり者二人の出会いから語られる、彼方の物語。遙か昔に交わされた約束の行く末を今語ろう。
全世界を襲ったゾンビパンデミックから5年後ー、人類はほぼ全滅していた。荒廃した東京をひとりさすらう少年ユキトはある日、「死ぬまでにやりたい10のこと」のため北海道を目指し旅をしている少女エコと出会う。いつも笑顔で明るい彼女だが、その正体は他に例のない“ゾンビ化していないゾンビ”だった。彼女の死を見届けるため、人類の敵とふたり旅に出ることにしたユキト。決意を胸に、朝日とともにいざ出発しようとするとエコがかわいく抗議の声を上げた。「ゆっくんは、デリカシーがないなあ。支度はすぐだけど、昼間は出たくないの」尖った口先が、つまらなそうに続ける。「腐っちゃうから」
サクヤのおかげで、念願のドラグーンになることができたルーデル。犠牲を払って夢を叶えた彼は日々鍛錬に明け暮れていた。「…いつまでも女々しいな、俺も」苦しみを抱えながらも、最高学年となったルーデルは、仲間と過ごせる限られた時間を惜しむようになっていく。そんな中、卒業前の一大イベントである学園トーナメントが開催される。そこで、ルーデルの前に立ちはだかったのは、なんと…イズミ!?少年・少女たちによる、学園バトルファンタジー感動のクライマックス!