著者 : つくぐ
ロンドンに朝が来なくなって、八年と三ヶ月。ジェームズは本業の学生を務めながら、文字通り夜な夜な副業をこなす。それは、“死神”として人々の寿命を狩り、世界の“寿命平衡”を保つこと。だが彼は、その性格と過去のトラウマから、人を殺すことができないでいた。 ある日、ジェームズは銀髪のシスターが男の胸にナイフを刺し、寿命を回復させている現場を目撃する。彼女の名は、メアリー・ストランド。同じ学校の生徒であり、永久の時を生きる不死の“聖女”。ジェームズの妹が不治の病であると知ったメアリーは、ある提案をする。 『あなたの妹・マーガレットの寿命を伸ばす代わりに、私を殺してちょうだい』 人を殺せない死神と、死ねない聖女は、命をかけた契約を結ぶーー。
「死はわたしの望むところだ。私は“死にたがり”なのだから」あまりにも無駄な戦争の、絶望的な敗勢の中で、とある事情から「死ぬため」に戦闘機乗りになった少女コロウ。配属されたのは、「死なさずの男」カノーが率いる国内随一の精鋭部隊だった。圧倒的な戦力差で襲いくる敵爆撃機。危険を顧みない飛び方を繰り返すコロウを、仲間たちは「生」につなぎとめる。彼らの技術を吸収し、パイロットとして成長していく彼女はいつしか“大空の君”として祭りあげられるほどにーあるべき“終わり”のために戦う戦闘機乗りたちを書き記す、空戦ファンタジー開幕!第13回GA文庫大賞銀賞受賞。
既に終わってしまった世界、エンドベイルーー。人が魔族に敗北したこの世界では、異世界から人間を召喚しては無残に殺戮されるデスゲームが日々、繰り広げられていた。そして今回も現代から何も知らない人々が集められたのだが、そのなかに偶然、紛れ込んだ一つの異分子ーー「俺が今この瞬間に、運営者であるお前を殺したら、ゲームは終わるのか?」かつては裏社会で《調整者》と呼ばれていた高校生、凪平凌真。社会の均衡を保つための存在、危険因子の抹殺、殺し屋専門の殺し屋だった彼は状況を理解し密かに微笑む。「少しは愉しむことができそうだ」決して覆るはずのなかった人類と魔族の力関係は、やがて崩れ始めるーー。
ドゥゼ村の秘密を解き明かし、村に結界を貼り直したエルザ。今後はラグの木だけではなくきちんとした食事がとれるようにと、村の改革を進めていく。変わっていく生活に不安を抱いたイルクと衝突したり、不思議な猫と遭遇したりとトラブルもありつつ、いつかお店を開くという夢のため、エルザはスレイマンに協力してもらいながら猪突猛進に料理を作っていく。そんなある日、村に長寿種の男たちが現れる。結界を張った聖女に用事があるということで話を聞くと、かつて泥に飲み込まれてしまった土地を取り戻したいのだと頼まれる。自分にできるのならば協力しようと、エルザはスレイマンとバーニャとともに、ドゥゼ村を発つのだがーー。
近所に住む小5女子の城ヶ崎君は、朝から鯨を見に海へ行こうと誘ってくる、行動力だけで生きているような少女だ。そんな彼女に言われるがまま、一緒に海へ向かう高2のぼく。11歳と17歳、恋愛、ではないと思う。2人で過ごすいつもの夏の水曜日。こんな穏やかな日々がずっと続けばいいのに──。 夏の朝、目が覚めたらいつものように鏡の前で情報整理。「海野幸、十七歳、性別女性、二年C組、両親は健在──」顔にかかる髪を払い、ぼくを私に切り替える。曜日を確かめると水曜日。さぁ、今回も三日くらいがんばろう──。 そして城ヶ崎君は宣言する。「この世界を破壊したい」と。 閉ざされた海辺の街で、ぼくと彼女は今日も出会う。
料理人を目指していた女性は、夢であった自分の店を開く直前、通り魔に刺されて命を落とした。次に目を覚ましたとき、そこは異世界で、なぜか小さな少女になっていた。しかし、前世の記憶を取り戻したのもつかの間、乗っていた馬車が野党に襲われてしまう。運よく不思議な狼に助けられて一命をとりとめたが、前世の記憶はあるものの、ここはどこで、この世界の自分が何者なのかもわからない。ひとまず狼とともに森の中で暮らすことになった少女は、狼が持ってきてくれた生肉を見て思った。--料理がしたい、と。洞窟で拾った魔王に頼んで魔獣を仕留め、聖なる炎でベーコンを炙る。異世界の森の中、破天荒な少女のとんでもサバイバルクッキングが幕を開ける!
時は2060年ーー自律機械DZを巡る陰謀に巻き込まれ、 冷凍睡眠により10年の時を越えた技術者の青年デリダ・イヴェン。 暴走したDZの群れがひしめく荒廃した世界で、 請負仕事をしている「デストラクト」のヴィドーに命を救われ、 窮地を脱したデリダは、マージュの親友・ユーリィとも再開。 共にマージュの足跡を辿る中、何者かにユーリィが攫われーー!? そして、徐々に明らかになる『タイムライド』の、その恐るべき真実。 刻を越える旅の果てに、究極の選択を迫られたデリダが選ぶのは世界か、あるいはーー。 近未来ハイエンドSFアニメノベライズ、堂々の完結!
時は2060年ーー自律機械DZ(ディジィ)を巡る陰謀に巻き込まれ、冷凍睡眠により10年の時を越えた技術者の青年デリダ・イヴェン。覚醒したその《未来》に、DZの暴走を止める鍵を握る少女・マージュはいなかった。崩壊していく世界と彼女を救うため、デリダは10年前の《あの時》に戻ることを決意する。 “消去されない思い出、特別な時間と場所、人の意識、時間を越える鍵になるものはーー” 彼女を取り戻す鍵は……過去へと跳躍する『タイムライド』。デリダは刻を越え、マージュの親友・ユーリィと陰謀を明かしていく! ★近未来ハイエンドSFアニメがノベライズで登場!
私は遺跡から運び込まれた発掘物を利用するため、工場で働いている。ある日発掘隊が持ち帰ったのは、棺めいた箱の中で眠る少女。銀糸のような髪に艶のある肌。一目では機械人形とは判断がつかない彼女の造形を目で追う度、巻き起こる発熱とエラー。私のどこかが故障したのか、非の打ち所のない彼女の姿を前に、「きれい」と口にして、生まれて初めて、私はエラーで動けなくなった。
全世界を襲ったゾンビパンデミックから5年後ーー、人類はほぼ全滅していた。 荒廃した東京をひとりさすらう少年ユキトはある日、「死ぬまでにやりたい10のこと」のため北海道を目指し旅をしている少女エコと出会う。 いつも笑顔で明るい彼女だが、その正体は他に例のない“ゾンビ化していないゾンビ”だった。 彼女の死を見届けるため、人類の敵とふたり旅に出ることにしたユキト。決意を胸に、朝日とともにいざ出発しようとするとエコがかわいく抗議の声を上げた。 「ゆっくんは、デリカシーがないなあ。支度はすぐだけど、昼間は出たくないの」 尖った口先が、つまらなそうに続ける。 「腐っちゃうから」 第21回電撃小説大賞≪大賞≫鳩見すた × 第24回電撃イラスト大賞≪銀賞≫つくぐの受賞者コンビが贈る、 愉しくも切ない、夜の旅路の物語ーー。
サクヤのおかげで、念願のドラグーンになることができたルーデル。 犠牲を払って夢を叶えた彼は日々鍛錬に明け暮れていた。 「……いつまでも女々しいな、俺も」 苦しみを抱えながらも、最高学年となったルーデルは仲間と過ごせる限られた時間を惜しむようになっていく。 そんな中、卒業前の一大イベントである学園トーナメントが開催される。そこで、ルーデルの前に立ちはだかったのは、なんと……イズミ!? 少年・少女たちによる、学園バトルファンタジー感動のクライマックス!