著者 : どらねこ
列車に揺られ、レナルドとエウラリアはついに王都に到着する。王都は国の中枢にして最大の都市、そして融合屋がひしめく融合魔術の中心地。そこで商売できるとあって意気揚々のレナルドであったが、それには許可証が必要であると、ばったり出会ったイルヴィラに忠告され、出鼻をくじかれるのだった。そしてなんとか許可証を手に入れ、中央通りから少し離れたところに店を構えたレナルドは、少年期に弟子にした少女セレナと再会する。さらに、そのセレナが王都一の融合魔術師になっていることに、レナルドは驚きを隠せないでいた。一方、そんな劇的な再会の裏では、エウラリアが警鐘を鳴らす破壊魔術の妖精が着々とその行動を現し、王都に暗雲が漂うのであった…。
入社三年目、その青年は疲れていた。「ああ、刺身にタンポポ乗せる仕事がしたい…というのは冗談だけど、脱サラして職人になりたい。なにか一つに集中していたい」そんな現実逃避気味な五月病の彼は、自作電子部品の通電のミスで感電してしまう。急いで離さねばと手を動かしたその時、視界は見知らぬ天井を映し、動かした手は虚しく宙を漂う。さらには己の体がふた回り小さくなっていることにも気づく。どうやら、運悪く雷に打たれて意識不明だった十二歳の少年の体に憑依してしまったらしい。こうして新たな人生を歩む少年(青年)レナルドは、運命的に融合魔術と出会い、十年かけて融合の極意にまでたどり着くのであった。極めた融合魔術で、目指すは千客万ら…!!…ではなく、ゆとりある職人生活!!だが、そうは問屋が卸さず、運命は大冒険の日々に彼を誘っていくのだった!
筋肉とがっかりエルフの冒険は続く。いつものように依頼をこなし、その報告のためギルドを訪れた際、その事件は起こった。身長145センチ程度の赤髪ツインテールなSランク美少女冒険者(13)とユーリがすれ違いざまにぶつかり、決闘騒ぎに発展したのだ。相手は『炎姫』アシュリー。二つ名がつくほどの実力者。だがユーリはそのこに喜び、勇んで戦い勝利する。その後、決闘を通じてフィーリアにひどく懐いたアシュリーは、自分の故郷の村で行われる祭りにユーリとフィーリアを招待した。しかし村に到着するや否や、空からロリロリと名乗る魔人が現れる。さらに、村では何やら物騒なことも起きているようでー!?
魔闘大会で優勝した筋肉の権化ユーリと、ナルシストを地で行くエルフのフィーリア。そんなある意味最強の凸凹コンビにピンチが訪れる。フィーリアが盗賊団に誘拐されてしまったのだ。懸命に捜すユーリの活躍で無事救出されるが、フィーリアは己の未熟さを知り、生まれ育った森に帰ると言いだす。強くなるために、里から飛び出す原因となった自身の力の片割れを取りにいくのだという。一緒にきてほしいと頼むフィーリアだが、早々に大きな壁にぶち当たってしまう。そう、迷子から始まった二人の出会いが意味するとおり、里の場所がわからないのだ。最強の凸凹コンビ再び!フィーリアの過去と故郷を舞台に波乱の予感!
ーああ、俺に魔法は効かないんだ。鍛えたからな。人生の半分を森の奥深くで過ごしている青年ユーリ。鍛え抜かれたその筋骨隆々のボディで、今日も彼は狩りに勤しむ。そんなある日、大物を仕留めた彼の前に、美麗だが性格的にちょっぴりがっかりなエルフの少女フィーリアが現れる。道に迷い困っていたフィーリアから、森から抜け出す手助けを求められるユーリ。だが彼は、修行のために森に入ったはいいが、出たことはなく…。のっけから噛み合わないこの筋肉ダルマとがっかりエルフの冒険の扉は、こうして開かれていくのだった。そしてフィーリアは目撃することとなる。ユーリの使う『筋肉魔法』のデタラメな技の数々をー。