著者 : ひかわ玲子
「宙良を取り戻す!」その決意を持って、主神オーディンの住まうヴァルハラへと向かったアキラたち。しかし、待ち受ける神々はあまりにも強大で、さらに予想外の事態も続発しまくってー異世界で“女神さま”になっちゃった女子高生、アキラと桜羅子の旅路も佳境に。果たして彼女たちは、仲間と一緒に元の世界に帰れるのか。
大都会オカレスティから、ロディーニへと無事戻って一月後、ニーヴァとルファーンは新たな災厄に見舞われる。ルファーンに色目を使っていたフェルセン侯爵からの呼び出し。ロディーニの領地内で起こった魔物「幻夢族」の商隊襲撃…。しかし極めつきは、ラルセン皇子によってもたらされた、年末年始の別宮招待であった。思いもよらぬ誘いに、色めきたちロジム邸。が、ニーヴァとルファーンの胸中は…。
ムアール帝国辺境の地ロディーニの治安を守る地方郡司の跡取り娘のニーヴァ・ロジムは、ある嵐の寒い夜、山賊に襲われた二人の美しい姉弟を救い出した。手ひどい凌辱を受け、気も狂わんばかりに思いつめていた二人を、慰めることしかできないロジム家の一同。ところが、翌朝目覚めると、ニーヴァ以外の人々の記憶から、姉弟が凌辱された事実のみが消えていたのだった…。愛と策謀渦巻くミステリアス・ファンタジー開幕。
時を経て、たくましく成長し『蒼の王子』と呼ばれるようになったフェランは、敵国バハウ帝国から、故国エルミネールを奪還。念願を果たした。そして、いよいよ、隣国リンバーグ皇国の姫君リュキア皇姫が、フェランの花嫁となるため、エルミネールへとやって来た。しかしフェランは、国境に押し寄せたバハウ軍を迎え撃つために出陣。だが、なぜかあっさりと退くバハウ軍。帰還したフェランは、リュキアと喜びの時を過ごす。だが、その幸せな時の陰で、世界は、大きく変わろうとしていた-。
時は巡り、時は満ち、今や若き天才武将、「蒼の王子」と謳われるまでに成長したフェランは、遂に憎き敵国バハウ帝国から、故国エルミネールを奪還した。しかし、それは、ひとえにフェランの参謀として味方してくれた翼人・アルジェリックのおかげでもあった。そして兄ジークが、隣国リンバーグ皇国に幽閉されてまで、フェランをかばった結果でもあった。フェランは、ジークを平和裡に返してもらうべく、リンバーグに使節団を派遣するが、リンバーグの返答はつれないもの。又、魔法神殿の怪しい動きは、フェランを苦しめる基となるが…。
暁里は中学三生年。兄の翔は、人気ロック・グループ“ラヴェンダー”のボーカリストだ。暁里は翔が大好きなのだけれど、父はバンド活動をよく思っておらず、勘当同然の状態が続いている。ボーイフレンドの光とラヴェンダーのコンサートに出かけた暁里は、ある曲の最中、不思議な幻影を見た。ラヴェンダー色の野原で、女性が顔を覆って泣いているのだ。そして傍らには、純白のユニコーンが。
“銀竜”をもちいて、龍の七部族のひとつ、晃家の〈水方郭〉を陥とした狄軍は、なぜか一気の攻勢に出ず、雨季を前にして、狄軍と龍の公家禁軍との戦いは膠着状態にはいった。〈万里堰〉に沿って局地戦を展開していた暁騏子アクセス、晃駿子デュオンは、曜象子クルツォや曹彪子ベルディーンらを陣営に招き、局面打開の方策を討議する。果たして、龍の七部族の連合なるか。
遥かな過去、天から降り立った者=〈天上人〉の支配に服すか否かで分かれた人々は、長大な〈万里堰〉で互いを隔てて生きてきた。だが突如、〈天上人〉の新型兵器“銀竜”が〈堰〉を破り、支配を拒む〈龍の七部族〉のひとつ、晃家に攻め入る。晃家の城は滅び、公子デュオンは盲目の妹姫ルビアを連れて友邦へ落ち延びた。〈堰〉を挾む世界の危うい均衡が、破られようとしていた。