著者 : びねつ
過去も、現在も、未来も、全てきみのもの。 「誰よりも会いたかったです、みきとくん」 幼い頃にお別れした名前も知らない初恋の少女が、高校生になった僕の目の前に現れた。彼女ーー鈴代憬と再会し、会えなかった過去を、新しい現在で埋めていく二人。 「わたしが全部、みきとくんの理想を叶えてあげる」 繰り返される憬との“見当違い”な倒錯の時間は、みきとの失った初恋と欲求を満たしていく。でも、憬はある秘密を抱えていた。すっかり甘い時間の深みにはまった頃、それを知ったみきとが進む未来はーー。 過去も、現在も、未来も、きみの理想で塗り替える初恋リメイクストーリー。 【編集担当からのおすすめ情報】 愛が重たいヒロインに溺れてください!
人類滅亡の危機が発表されてから二年が経ち、世界はとっくに恐怖することに疲れていた。誰もが、どうしようもない現実を忘れてダラダラと毎日を過ごしている。そんな、人類最後の夏休み。 夢を投げ出した少年はずっと好きだった幼馴染との距離感がわからず戸惑い、スランプ中の文芸部部長は場末のゲーセンでゾンビをド派手に蹴散らす少女と出会い、やさぐれモード全開の女子高生は謎だらけの転校生を尾行し、重大な秘密を抱える少女は廃墟マニアの恋人との最後のデートに臨み、ひねくれ者の少年は女子高生監督に弱みを握られて人類最後の映画を撮るーー。 どうせ終わる世界で繰り広げられる、少年少女のひと夏の物語。 第1話/だから僕は青春をやめた 第2話/初恋は意外と死なない 第3話/潜在的に危険な星空 第4話/さよなら前夜 第5話/どうせこの夏は終わる
「可愛い私めが炒飯作りに来たんですから、中に入れてください」 俺と同じ神戸市の国内有数の進学校に通う高校二年生で、さらには首席で特待生ーー桐原銭子の来訪に俺は迷惑していた。 だって深夜二時だよ。しかも俺は別に桐原と付き合っていない。 「私は藤堂君なら性的に無茶苦茶にされてしまっても構わないのですが」 いや、俺の両親の前でマジでいらんこと言うな。 「キスしましょうか。藤堂君。鳩のように情熱的なキスですよ」 「桐原銭子は一度受け取った以上は返品が利かないんですよ!」 知らんし。俺はお前の告白を断ったはずだよな。 好きな女の子からの好意を拒絶し続ける青春モラトリアムラブコメ開幕!