著者 : びねつ
どうせ、この夏は終わる(1)どうせ、この夏は終わる(1)
人類滅亡の危機が発表されてから二年が経ち、世界はとっくに恐怖することに疲れていた。誰もが、どうしようもない現実を忘れてダラダラと毎日を過ごしている。そんな、人類最後の夏休み。夢を投げ出した少年はずっと好きだった幼馴染との距離感がわからず戸惑い、スランプ中の文芸部部長は場末のゲーセンでゾンビをド派手に蹴散らす少女と出会い、やさぐれモード全開の女子高生は謎だらけの転校生を尾行し、重大な秘密を抱える少女は廃墟マニアの恋人との最後のデートに臨み、ひねくれ者の少年は女子高生監督に弱みを握られて人類最後の映画を撮るー。どうせ終わる世界で繰り広げられる、少年少女のひと夏の物語。
彼女でもない女の子が深夜二時に炒飯作りにくる話(1)彼女でもない女の子が深夜二時に炒飯作りにくる話(1)
「可愛い私めが炒飯作りに来たんですから、中に入れてください」俺と同じ神戸市の国内有数の進学校に通う高校二年生で、さらには首席で特待生ー桐原銭子の来訪に俺は迷惑していた。だって深夜二時だよ。しかも俺は別に桐原と付き合っていない。「私は藤堂君なら性的に無茶苦茶にされてしまっても構わないのですが」いや、俺の両親の前でマジでいらんこと言うな。「キスしましょうか。藤堂君。鳩のように情熱的なキスですよ」「桐原銭子は一度受け取った以上は返品が利かないんですよ!」知らんし。俺はお前の告白を断ったはずだよな。好きな女の子からの好意を拒絶し続ける青春モラトリアムラブコメ開幕!第8回カクヨムWeb小説コンテストラブコメ部門特別賞。
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