著者 : タケシマサトシ
アンティークを憎み、世界から根絶させるため、アンティークの力を振るう駿と飛鳥。その力に振り回されることなく完全に使いこなす駿は、異質な存在でした。想いは同じでも、刻也はその考えに反発し抗います。アンティークの力を使いこなす者同士の戦いは熾烈を極め、それは触れてはいけない過去をも引きずり出すのでした。刻也と咲はいかにして出会ったのか?そこに隠されたアンティークの秘密とはー。
不思議な力が宿った器物ーアンティーク。今日も贋物を掴まされた美人が嘆いています。つまり付喪堂の店頭に新たなガラクタが増えたわけです。アンティークは人を選ぶのか、切にその存在を願っている者は期せずして手に入れることがあるようです。ある少年の話をしましょう。幼馴染みの恋多き少女のキューピッド役をする少年がいました。彼は運命の赤い糸を自由にできる指輪を手に入れたのです。人の運命を握ってしまった少年はどうなるのでしょう?それは本来の出会いを捻じ曲げてしまうわけで…。あなたならそれでも使いますか。
スレンダーな大人の美人と無表情な少女、そして見た目普通の少年。骨董店は三人の大騒ぎで今日も賑やかです。お客さんの声が聞こえないのはご愛嬌。つまり、付喪堂は今日も暇です。お客さんは来ませんが、付喪堂には不思議な事件だけは舞い込んできます。ちょっとそんな話をしましょうか。最近恋人を亡くした少女がいました。彼女は夢の中で好きな人に会えるという香炉を手に入れたのです。あなたなら夢の中に逃げますか?それとも所詮は夢と割り切って辛い現実を生きますか?彼女の選択はーそれはあなたが確認してください。
今日も閑古鳥が鳴く付喪堂骨董店。ごくまれにやって来る客も無愛想な少女のあやしい接客に回れ右をしてしまうのだ。だが、奇妙な事件だけはほっといても舞し込んでくる。不思議な力を宿した『アンティーク』を求める人たちは後を絶たないのだ。映した世界の音を消し去ってしまう鏡『明鏡』、被せるとまったく同じもう一人の自分が作れる仮面『マスカレード』-。一見すると便利なものでも使い方を誤れば大変なことになったりする。彼らは『アンティーク』に飛びつくのだが…。あなたならこの不思議な品をどう使いますか。
学園祭の日、12人は学校へと向かった。いつも通りであり、いつも通りでなく。悪魔のそれを継承する彼らがそこに集う時ー、呪われた儀式が再開される条件はすべて揃った。「生きたい者は奪うべし。死にたい者は捧ぐべし。最後の一人になるまで奪い合え」その言葉を合図に、ある者は追い、ある者は逃げ、ある者は傍観する。誰を信じ誰を疑いーそして自分は何をすればいいのか?制限時間は今夜零時。一夜の狂想曲は始まった!!俊英・御堂彰彦が描く、サイコ・ラビリンス、登場。