著者 : 一色みんと
新たに建設された大聖殿の落成式に出席するため、ピアジュ教皇とともに世界最大の都市アバトンを訪れたティタニア。しかしアバトンは、さまざまな欲望が渦巻く悦楽の都市だった。アバトンに君臨している市長・アズルファンの陰には、以前、ティタニアがマルドリュースから追い払った邪悪な魂の存在があったのだ。落成式の直後、邪悪神ギラッシュの魔手は、ピアジュに伸びようとしていた。
ティタニアは、瞳にリリスの魔法陣を持つジタンの少女。ジタンは、魔霊と戦う力を持つ聖なる一族だ。ティタニアは、ひそかにミューズの兄・マルドリュースに思いを寄せているが、ジタンの力は、一族以外の者と愛を交わすと消えてしまうのだ。赤い巨星が闇に染まり、封印を解かれた悪霊がマルドリュースに取りついた。体を悪霊に操られるマルドリュースは、ティタニアに救いをもとめるが。
大好きな片山くんと初めてのデートをした、瑚剣なずな。展示会の『魔女の部屋』にあった天空儀にさわったとたん、突然、不思議な世界にスリップしちゃった!そこは、半球は水晶で、半球は岩でできた、クリスタリアという惑星。自分の実の娘の王女を妃にしようとするガゼル大帝からのがれ、水晶の大陸に旅立ったなずなたちを、待ち受けていたものは!?謎と冒険、愛と笑いと涙の物語。
ファンタジウムという1万2千年前の種が各学校に配られた。あたし(なずな)は、どんな花が咲くのかという好奇心から、育てることを引き受けてしまった。そして唯一あたしのだけが芽を出した。ひょんなことから知り合った花好きの片山くんと、学校の温室へファンタジウムを見に行った夜、あたしは1人まっ暗な闇の世界へ落ちていった。気がついたとき、あたしは異界の女神にされていた。
「君に、どこかで、会ったような気がする」幻想水族館で会ったちょっとワルっぽい男の子はそう言った。あたし(美潮)と親友の絵麻はこの水族館によく来る。水槽には不思議な生き物ばかり。暗幕におおわれた中にいる金色の毛が生えた魚を見たとき、あたしはデジャ・ビュ(既視感)-説明のつかない不思議な感覚に襲われた。あたしは前世がどんなだったか、眠り瞽女(ごぜ)にみてもらうことにした。
夏鈴は、親友の美奈子に誘われて、横浜の中華街にある雑貨屋『斑猫』へ行った。そこには占いをするおばあさんがいた。夏鈴の亡くなったおばあちゃんに、ちょっと似てる。お店には不思議なものがいっぱい。蛇皮のタンバリン、銀細工のクジャクの置物、その中には冬虫夏草、魚石、朱猫の毛で織ったお守り袋、美少年の肖像画。そして夏鈴の耳に、どこからかきれいな歌声が聞こえてきた…。