著者 : 七転
平凡な社会人生活の唯一の楽しみは、夜のベランダでひとり晩酌をすること。 そんな俺の向かいに住んでいたのは、可愛さと仕事ぶりから会社内でも人気の高い後輩・白帆羊だった!? 「せんぱい。また仕事終わりに、ここで一緒に飲みましょうよ」 数多の男性からの誘いをさらりと断る白帆の無防備な笑顔。 俺にだけ懐く理由は分からぬまま。仕事終わり、ベランダ越しのふたり晩酌は、いつしか日常の楽しみになっていって……。 「会社でだめなら、ベランダでは甘えさせてくださいね?」 後輩以上、恋人未満。--今は、そんな距離感が心地よい。 疲れた日々へのご褒美みたいな、じれ甘ベランダラブコメ。
同期社員でありながら住んでいるマンションが同じであることが発覚して以来、俺と秋津ひよりは半同棲のような生活を続けている。ご飯を一緒に食べるだけの仲であり男女の関係はない……はずだったのだが、もうそろそろ自分の気持ちを誤魔化すのも限界だと思う。 仕事から帰るのが遅くなった日でも、あの食欲モンスターと軽口を叩き合いながら一緒にご飯を食べるときは、いつも心が穏やかで。 かけがえのない瞬間をこれからも日常にしたくて。くだらなくも愛おしい毎日と、それを確かにしてくれる彼女を離したくなくて。 「なぁやっぱり好きだわ。ひより」 これは、同期社員たちの宿した恋心が確かに色づき始める話。
弊社の営業課には美人と評判のエースがいる。名前は秋津ひより、俺の同期である。「入社時期が同じ」というだけでなく、なんと高校時代の同級生でもある。人気者の彼女と学生時代からの知り合いだなんて、周りにバレると面倒だ。なるべく彼女とは関わらないように過ごしているが……。 『昼一緒に食べられそうだけど、どう?』 なぜかランチを一緒に食べたり、帰り際に飲みにいったり、はたまた自宅で夕飯を食べるような仲になっていた。これは社会の荒波に飲まれた残業モンスター達が美味しいご飯を食べるだけの話。 そして、同期社員がほのかに宿した恋心をゆっくりと育む話。