著者 : 三角くるみ
「ずっと主人のそばにいたい」悪魔ダンタリオンの使い魔となった人間の少女ニニ、時は経ち、人間の世界では戦争の火種がくすぶっていた。そんな中、突然ダンタリオンが人間界に召喚される。ひとり魔界に取り残されたニニは主人の帰りを大人しく待つのではなく「あること」を決意する。そして彼女は魔女マーガレットのもとを訪れたー。型破りな使い魔に翻弄されるダンタリオン、意地悪な居候悪魔ベルフェゴール、不思議な魔獣たちとともに人間ニニが織りなす、不器用な人と悪魔の物語。
「僕と契約をするか」19世紀フランスの片田舎で、親に捨てられた少女ニニは死にかけていた。そんな時、彼女の前に美しい悪魔が現れる。彼の名はダンタリオン。甘い物が好きで思慮深い、魔獣専門の獣医だった。ダンタリオンと契約し、魔界で悪魔の使い魔になるー過酷な生活を覚悟したニニだが、思いがけず手厚く庇護され、少しずつ心の凍った部分が溶けはじめ…。ニニに甘い悪魔ダンタリオンと怠惰な居候悪魔ベルフェゴール、人間ニニと魔獣たちが織りなす、いびつであたたかな主従物語。
香港赴任中の新人外交官である秋穂は、誘拐された邦人家族から相談を受ける。黒幕は香港最大の黒道組織、七海幇。けれど、彼らが犯人だという証拠が足りない。歯がゆく思うなか、秋穂はひとつの出会いを果たす。政治家をアテンドして訪れたカジノを支配する七海幇幹部の男、立花。秋穂は政治家と上司を盾に脅され、買収をしかけられる。それをはねのけたことで立花に執着されてー?清廉潔白な秋穂と外道の立花が出会い、すべてが始まる。混沌の色濃く残る香港で繰り広げられる、絶望と再生のラブ・サスペンス。
新人外交官の秋穂は同僚の木内たちと協力して、誘拐された蓮子の行方を追っていた。そんななか、七海幇当主の三男である月龍の屋敷が突然襲撃される。その捜査の過程で秋穂は蓮子に繋がる手がかりを得たものの、救出を目前にして彼女を保護しそこなってしまう。事態が急展開を迎えたとき、秋穂が思い出したのは「知りたいことがあるなら、ひとりで私に会いに来てください」という、七海幇幹部の立花の台詞だったー。この出会いは地獄への道か、悦楽への階段か。香港が舞台のラブ・サスペンス、緊迫の下巻!