著者 : 久生夕貴
妖なる存在から国を守る陰陽師。その士官学校・青藍学園に、広瀬名月は性別を偽り、男装して通っている。お家再興のため、首席を目指して励んでいるけど、眉目秀麗・成績優秀・孤高の財閥御曹司、東条伊織にいつも阻まれ万年次席。その上「陽月番」という学生同士のパートナー制で、名月は伊織と組むことになってしまった。 倒すべき目標が相棒になって複雑な心境の名月。しかも伊織とは寮生活を共にするため、女であることを隠す日々は波乱の連続で!? 一方の伊織にも、名月に向かう秘めた想いがあるようでーー。 目次 一 青藍学園の男装令嬢 二 陽月の課題 三 番の役目 四 誰がために 五 それぞれが秘めるもの 六 夜行祭 七 舞踏会への招待状 八 Shall We Dance? 九 秘密の崩壊 十 君がために 結 夏の約束
勤勉で、安定第一。結婚願望も持たない千景は、地方公務員試験前に訪れた神社で、銀髪蒼眼の男・秋水にいざなわれる。気づくと裏世界《月世》に連れ去られていた。 秋水によると、千景は世界を支える《命花》を育てる巫女だという。主神である自身と結婚し、花を咲かせるよう請われるが……。 「花が必要なら協力はします。ですが花嫁になる必要はないのでは?」 元の世界に帰る条件で、お仕事として巫女をすると宣言して!? 何かと噛み合わない千景と秋水。二人の思いは、やがて月世を、そしてお互いを変えていくーー。 目次 序章 ままならぬ人生に、ささやかで堅実な生活を 第一章 朱鷺色の空と冷艶の神さま 第二章 見えているもの、いないもの 第三章 一日花 第四章 陽のあたる場所へ あとがき
恋と友情を同時に失い、落ち込み気味だった大学生の咲は、早春の朝、近所の庭園に赴いた。純白の花を咲かせる木の傍に、佇む人影ーー白木蓮の精霊が、何故かため息をついている。咲は幼いころから花木に宿る精霊を視ることができた。美しい姿の精霊たちは、長い時を生き人を見守っている。 白木蓮にため息の理由を尋ねると、ある少女を捜してほしいと頼まれた。咲は昔なじみの精霊・楠と協力し、望みを叶えるため街を奔走する。やがて木精が抱き続けていた本心を知ったとき、咲の中でも何かが変わり始めていくーー。