著者 : 佐原菜月
一之瀬圭美、夢にまでみたキャンパスライフ!だけど、寮費七千円の万葉寮には、二匹の猫が住んでいて、しかもやつらは“猫又”で!?喧嘩っ早いキジトラのキジ。超絶腹黒ハチワレ猫のハチ。たまたま正体を見てしまった圭美は、懐かれ…というか脅されて、彼らの世話を焼くことになってしまいー。猫嫌いな圭美の新生活はどうなってしまうの!?大学女子寮を舞台におくる二匹の猫又と一人の猫嫌いのゆるやか大学青春物語。
美味しいお酒を一献振る舞えば、どんな難事件も解決してくれる。居酒屋「とりい」に居着く元カミサマの自称探偵コトハと、そんな彼女に迷惑かけられっぱなしの店主・雄里。年末営業も大掃除も終わり、あとは静かに酒を飲み交わしながら年越しを迎えるはずだったが…。大晦日の朝に店を訪れたのは、雄里の大学生時代の友人。そんな彼がコトハに依頼したのは「宝探し」という突飛な依頼だった。凸凹コンビが織りなす、季節の料理と日常の謎をどうぞ。
都内某所の隠れた名店「とりい」に居着く金髪碧眼の酔っ払い美女、葛城コトハ。その正体は、古代より託宣の神として祀られた「葛城の一言主の大神」の成れの果て。暖簾という名の「鳥居」をくぐり、御神酒代わりのビールと焼酎を報酬として振る舞えば、彼女はどんな難題でも答えを導いてくれる。「今の一言、しかと聞き届けた!」ポジティブ&脳天気な元神様と、苦労人の店主が織りなす、季節の料理と日常の謎をどうぞ。
美人だけど趣味も性格もどうにもオッサン臭い姉、利津。彼氏に振られた夜に赤提灯で一人酒。冷酒になめろう、愚痴をわめきながら酔いつぶれ、弟に介抱されて家に帰る。そうして二日酔いで目覚めた朝、姉の中には本当に「オッサン」が棲んでいた!姉の身体に触れれば、確かに野太い男性の声がテレパシーのように聞こえてくる。幻覚?二重人格?それとも悪霊が取り憑いた?その声の正体を調査していく中で、とある殺人事件との関連が見えてくるのだが…。
“旋律士”-。それは生まれながらにして旋律器官と呼ばれる特殊な紋様を身体に刻み、その器官から“音楽”を生み出すことのできる特別な存在。戦乱終結から15年、不平等な条約により騎士団を解散させられた王国にあって、貴族達が血眼になって欲する権力の象徴は、「楽団」を抱えることであった。類まれなる才能を秘めながらも上手に音を操れない落第音学生の少女コハクと、貴族ご用達の有名作曲家・ヂェス。ヴィンタールの音楽祭で出会った二人の運命は、やがて大国が争う新たな戦乱へと巻き込まれていく。
「カーブミラーの下にいる男に声をかけてみろ」。新米刑事の空也は、ある事件をきっかけに碧い眼を持つ年若い神父・青と出会った。友人の形見を捜し求める青と大きな事件を追う空也。互いの目的のために協力することになったふたりは、徐々に信頼とも呼べる気持ちを抱くようになっていく。しかし、青は誰にも明かせない、とある秘密を抱えていて…。それは自らが背負うべき罪なのかー。わけあり神父と新米刑事が繰り広げる、異色のヒューマンサスペンス。