著者 : 佐島勤
二〇九七年三月。あずさ、五十里、花音、服部、桐原、紗耶香という魔法科高校卒業生組メンバーが卒業旅行を企画していた。場所は、沖縄。折しも、雫とほのかが深雪と達也を誘った旅先ー久米島沖の人工島『西果新島』竣工記念パーティーと同じだった。そして、達也と深雪も、彼らと旅先を共にする『ミッション』を課されていた。大亜連合軍を脱走した秘密工作魔法師のテロ活動の阻止。達也はこの作戦を未然に防ごうと、独立魔装大隊と合流するが…そこには、かつて敵対していた『予想外の魔法師』が同席していた。魔法科高校の卒業旅行、そして春休みのバカンスは、一筋縄ではいかない波乱の旅!
ティモール海で“ソフィア”軍と交戦した龍一は、かつての上官マユリ=カーティスを墜とし、ゲノムスに勝利をもたらした。敵機の正体に気づかぬ蒼生と、自身の戦果による真実を自覚した龍一。二人の間に、二度と引き返せない、大きな隔たりが出来た瞬間だった。最新鋭ドウル、蒼穹色の『マクリール』を完璧に使いこなす龍一の実力は、ついにソフィア最強のエクサー集団の一人、アニル=ダ・コスタが駆る『ヴァルナ』を呼び寄せる。両ドウル共に、得意とする戦場は海中。ノルウェー海、水深約千メートルで、二体の巨大人型兵器は激突するー!そして舞台は宇宙へと移る。蒼生のインドラと朱理のアイアンメイデンに突如襲い掛かってきたゲノムス軍を排除すべく、戦場へ向かう玲音のミスティムーンだが、そこに意外なドウルが彼女の前に立ちふさがり…!
二〇九六年度『全国魔法科高校親善魔法競技大会』。司波達也が、魔法兵器『パラサイドール』運用試験計画を阻止すべく『裏』で行動を起こしていた頃。『表』側では、魔法科高校生たちの熱戦が繰り広げられていた。モノリス・コードの選手・吉田幹比古のエピソード『竜神の虜』。新競技ロアー・アンド・ガンナーの選手・エイミィのエピソード『ショットガン!』。アイス・ピラーズ・ブレイクの選手・雫と花音のエピソード『一人でできるのに』。黒羽姉弟のエピソード『目立とうミッション』。そして、レオとエリカのエピソード『薔薇の誘惑』。書きおろしを含む連作短編集、登場!
死体を操る魔法で自爆テロを敢行させるという残酷な計画を企てた魔法師・顧傑(グ・ジー)は、気配を消して日本に潜伏していた。 この自爆テロ事件によって、世論が魔法師を糾弾しはじめ、人間主義の勢力が勢いづく中、十師族は黒幕の捜査を決める。 十文字克人、七草真由美、一条将輝と協力して司波達也は顧傑の行方を探す。 しかし、手掛かりを掴んだ達也の前に思わぬ敵が立ち塞がる。 USNA軍。米軍最強の魔法師部隊スターズのナンバー2、ベンジャミン・カノープス少佐も参戦するこの『顧傑』争奪戦は、思わぬかたちで達也を激怒させ……!
早乙女蒼生は地球に降下した。そして、死んだはずの親友、龍一が乗る最新型ドウル『マクリール』と交戦する…。海上に浮くメガフロート上で、『ヤクシャ』を駆り実機での地上訓練に励む蒼生たち。玲音との交流も増え、自身の恋心を再確認する蒼生だった。数日後、敵が襲来する。現れたのは、水中戦に特化した蒼穹色のドウル『マクリール』。宇宙でも『ソフィア』を手玉にとった恐るべき機体である。蒼生と玲音も訓練機で応戦するが…蒼生の大切な仲間が、マクリールの毒牙で命を落とす…!
世界中の魔法師が注目する師族会議は、何者かによる自爆テロによって幕を下ろした。この残酷な計画は、死体を操る魔法によって引き起こされていた。使用された魔法を手がかりに、黒幕を追う達也。そして、「四葉家の司波達也殿がお前と同様、十文字殿の下で捜索に加わる。将輝、意地を見せろよ」そう一条剛毅に発破をかけられた将輝は、『テロの黒幕』捜査メンバーである達也に対抗するように東京へ向かう。深雪に『婚約』を申し込んでいる彼は、思い掛けない手を使って深雪にアプローチを試み…。
司波深雪の許へ、四葉本家から一族の有力者が顔を揃える新年の集い「慶春会」の招待状が届く。それが意味するものは、四葉家次期当主の指名。-自分が後継者に選ばれれば、兄も日陰者に甘んじなくて済む。-次期当主の地位にはきっと、それに相応しい「婚約者」が付いてくる。深雪の心は千々に乱れる。そして「慶春会」前夜。四葉本家へ出頭した達也たちは、現当主・四葉真夜の口から「深雪は達也の妹ではない」という衝撃的な「嘘」を告げられる。それは、兄を恋愛対象として意識してもよいという意味であった。はたして深雪はー!
二〇九六年、九月下旬。四葉家当主・四葉真夜による「横浜から逃亡した周公瑾の捕縛に関する協力依頼」を受けた司波兄妹は、京都で九島光宣と出会う。その光宣と共に周の捜索を行うも、手がかりは未だ掴めなかった。 そんな折、七草家のボディガード・名倉の訃報が達也たちの許へ届く。弔い合戦として、周捜索に真由美も参戦、事態は動き出す。 ついに周の潜伏先を突き止めた達也は、とある過去の強敵(ライバル)へと連絡を取りーー。 『クリムゾン・プリンス』一条将輝、『四葉の最終兵器』司波達也が共闘! 緊迫の《古都内乱編》、完結!
人型機動兵器『ドウル』最強部隊『ソフィア』への入隊を目的とした訓練校に、早乙女蒼生が入学して丸三ヶ月が経った。蒼生の姉・朱理、『ソフィア』のエクサーという素性を隠す玲音、反体制組織『ゲノムス』加入を偽装する龍一の四人は、日々、ドウルマスターとしての訓練に励んでいた。地球では『ゲノムス』によってポリス反乱軍が蜂起するも、『ソフィア』により一瞬で鎮圧されていた。この結果は、『龍一脱走作戦』の早期決行を決定づける。そして迎えた、クリスマス前の訓練航海。玲音、龍一、蒼生による、互いの素性を知らないドウル三体の激突が始まるー!
『九校戦』の“裏側”で起こった『パラサイドール』事件の黒幕の一人・周公瑾は、横浜から逃亡し、京都を中心とする古式魔法師集団『伝統派』の下に潜伏、姿をくらました。 そして二ヶ月が経ちーー。『全国高校生魔法学論文コンペティション』の季節がやってきた。新京都国際会議場で開催される日本魔法協会主催『論文コンペ』の一高生徒たち。 そんな中、達也の許へ、四葉真夜の書状を携えた黒羽姉弟が訪れる。手紙の内容は「周公瑾の捕縛に協力して欲しい」という要請だった。 何故、いつもの『命令』ではなく『依頼』だったのか疑問を覚えながらも、達也と深雪は『伝統派』の対抗勢力の中心である九島家を目指す。そこで、二人は『作られた天才魔法師』との運命の出会いを果たし……。 古都を舞台とした謀略と暗闘。魔法師開発の歴史の裏で燻り続けてきた因縁に、達也と深雪とその仲間たちが挑む。
ー『ドウル』。それは、パイロットの『思念の力』を拡張させ、物理的な戦闘力へと変換する人型機動兵器『タイタニック・ドウル』の略称である。新米ドウルマスター・早乙女蒼生は地球の貧しい都市機構『オートン』に所属し、姉の朱理と共に横浜ポリス軍と交戦していた。強力な敵機体から最期の一撃を喰らいかけたその時、蒼生の類い希なるサイキック能力が覚醒、『エクサー』として目覚める。それを契機に、ドウルの最強最新鋭部隊『ソフィア』へ入隊を果たした蒼生は、宇宙へと向かう。そこでは、純白の専用機『ミスティムーン』を駆る最強のドウルマスター・玲音との運命の出会いが待っていたー。壮大な近未来宇宙を舞台に、少年と少女の『世界』を賭けた闘いが、今始まる。
今から三年前。司波深雪にとって、忘れられない出来事があった。それから、深雪は変わった。兄との関係も。兄に向ける、彼女の心もーー。 中学一年生の司波深雪は、自分の兄が苦手だった。一体何を考えているのか分からないから。家族でありながら使用人同然の扱いを受けているにもかかわらず……全く意に介さない。兄と目が合えば、深雪の口からは、不機嫌な声が出てしまう。 そんな妹に、『ガーディアン』として完璧に付き従う兄。そこには一切の油断もミスも無い。そして、一切の感情も。 理不尽だとは分かっていても、深雪は兄に苛立ちをぶつけることしか出来なかった。自分の、ただの我が侭だと分かっていても。 今とは全く異なる、達也と深雪の関係と、その心の中ーー。三年前、沖縄で起きた『出来事』によって、二人の心と、その運命が、大きく変わっていく。
横浜で催される『全国高校生魔法学論文コンペティション』。この魔法科高校生徒達の晴れ舞台に、突如謎の武装集団が侵入した。 彼らの正体は、大陸からやってきた大亜連合軍の魔法師とその機動兵器群。目的のためには市民殺害も厭わない武装軍によって大混乱に陥る中、司波達也は生徒会メンバーと共に窮地からの脱出を模索する。 同時刻。コンペ会場に、最新鋭魔法技術武装集団、国防陸軍第一〇一旅団独立魔装大隊が現れる。驚く七草真由美や十文字克人を尻目に、劣等生・達也は戦場の最前線へと向かうよう命令を受ける。 訝しむ魔法科生徒達の中、 「お兄様。ご存分に」 「征ってくる」 深雪との『儀式』を終えた達也は、ついに、恐るべき“禁断の力”を解放する。