著者 : 佐島勤
数多の強敵を打ち破り、波乱の高校生活に幕を下ろした司波達也。彼は新たな野望の実現のため動き始めていた。一般社団法人『メイジアン・カンパニー』。達也が専務理事に就任したその組織の目的は、魔法適性はあるものの実用レベルに至らない存在、メイジアンの人権保護の実現。魔法師が兵器ではなく人間として生活できる新時代へ向け、達也は大学生ながら、確実に歩みを進めていた。戦略級魔法師を凌駕する影響力を持つ達也の動向は、当然ながら世界中から注目を集める。USNAにある魔法師の結社『FEHR』から、達也の動向を探るべく刺客が送り込まれ…。司波達也の新たな伝説が幕を開けるー。
達也の元に届いた九島光宜からの挑戦状。パラサイトを制御下に置くだけにとどまらず、かつて達也を苦しめた周公瑾の知識も獲得した光宜は、病身という唯一の欠点すら克服し、日本へ戻ってきた。彼の狙いはただ一つ。愛する少女・水波の救済。一方、水波を救いたいと願う達也と深雪の気持ちもまた光宜と同じだった。しかし、両者の信念の違いから、激突は避けられそうになかった。名実ともに『最強の魔法師』となった達也と、人外と亡霊の力を宿した『最強の敵』となった光宜。二人は、決戦の地、東富士演習場で激突する!魔法科高校入学から三年。達也と深雪が過ごした波乱の高校生活に、ついに幕が下りる。そして、二人の恋の行方はー。
水波を奪還し、今までの日常に戻りつつある達也と深雪。しかしそれはつかの間のものでしかなかった。 USNAのエドワード・クラークは焦りを覚えていた。達也を無害化するための謀略に対する達也の警告。このままではUSNA内での立場が危うくなり、それを回避するには達也を斃すしかないと。 そして、新ソ連のベゾブラゾフも復讐の機会をうかがっていた。二度にわたる達也への攻撃が失敗に終わり、自身の戦略級魔法のためのCADまで破壊され、この雪辱に執念を燃やしていた。さらにもう一人の戦略級魔法師も達也へ狙いを定める! それぞれの思惑は巳焼島で交差するーー。
西暦二〇九六年一〇月。黒羽文弥の直下で殺し屋を生業とする榛有希。彼女に新たな依頼が舞い込んでくる。 今回の暗殺ターゲットは、国防軍の軍人たちだった。用心深く警戒を重ねる標的の懐になんとか潜り込んだ有希だが、『鉄シリーズ』を名乗る謎の乱入者に標的の命を奪われてしまう。その正体は、国防軍自らが過去に生み出した調整体の魔法師だった。 調整体の青年は、自らの手で国防軍への復讐を完遂すべく、立ちはだかる有希たちへもその牙を向けるーー! 彼が放つ魔法は、有希の因縁の相手、司波達也が得意とする『術式解体』でーー!
水波を連れ、日本を脱した九島光宜。パラサイト化したレイモンドと共に、USNA軍基地のある北西ハワイ諸島を目指す。 一方、九重八雲という意外な伏兵によって追跡を阻止された達也だが、彼は水波のことを諦めてはいなかった。必ず連れ戻す、と深雪と約束したからだ。 光宜とレイモンドが逃れた先。そこは奇しくも、リーナが救出を願うカノープス少佐が幽閉されたミッドウェー監獄に近い、パールアンドハーミーズ米軍基地。 パラサイトを滅す新魔法『アストラル・ディスパージョン』を習得した達也が、水波と、そしてカノープス奪還のため、USNA軍基地を隠密裏に強襲する……!!
二〇九七年七月。達也は富士樹海に潜伏する光宣を追い、張り巡らされた結界『蹟兵八陣』を破る方法を思案していた。一方、USNA軍非合法魔法師暗殺者小隊『イリーガルMAP』が達也の暗殺に動き出す。その魔の手は彼の友人たちにも向けられることにー。さらに達也の前に立ち塞がる刺客・藤林長正。希代の忍術使いであり亡霊を操る強敵を前にして、ついに精神体をも消滅させる達也の新魔法『アストラル・ディスバージョン』が放たれる!!水波救出のため、猛進する達也。しかし彼の前に次は『あの男』が『最悪の敵』となって立ちはだかるー!?
光宣による水波の奪取を許してしまった深雪ー。達也は、助けを求める深雪の声に応え巳焼島を飛び立つ。光宣に魔法を放つことができなかったことを悔いる深雪。最も忠義を尽くす深雪を前にして、光宣を背中に庇ってしまったことを責める水波。すれ違ってしまった二人は自責の念を抱え、思い悩んでいた。そして、それぞれの思惑を抱いた、達也、十師族、さらに九島烈の仇を討たんとする通称「抜刀隊」が光宣の大追跡を開始する!!そんなとき、フリードスーツを纏い空を疾走する達也に魔の手が迫っていた。
西暦二〇九六年五月、榛有希が司波達也に敗北をしてから約二年の月日が流れた頃。彼女は黒羽文弥直轄の暗殺者として日々依頼される仕事をこなしていた。そんな中、有希の許に四葉家より“暗殺者見習いの少女”桜崎奈穂が派遣されてくる。自らのコンプレックスを鏡に映したような奈穂の幼気な容貌に辟易しつつも、二人の奇妙な共同生活が始まった。そして、新たなるターゲットが決まる。それは『人間主義』を掲げ、司波達也暗殺を目論むとある教団。奈穂は自らの能力を示すため独断専行を試みるがー。落ちこぼれ?それとも?独自なフラッシュ・キャストを扱う奈穂の力とは!?
二〇九七年、七月。激化するパラサイトと光宣との戦いに備え、達也は新魔法『封玉』の完成を目指し鍛錬を続ける。 同じ頃、世界規模の魔法師の衝突もある転機を迎えつつあった。 南下を開始する新ソ連艦隊が日本に迫る。そして、これを迎え撃つため、一条将輝と吉祥寺真紅郎が行動を開始。果たして因縁の敵を退けられるのかーー!? 一方、リーナが潜伏する巳焼島に、パラサイトと同化したかつての同胞、スターズが上陸。ついに激突の火蓋が切られるのであった。 戦略級魔法師が日本に集結!! 物語はクライマックスへと加速していくーー。
西暦二〇九四年の春。暗殺を生業とする少女・榛有希は、その現場をある男子中学生に目撃されてしまう。憂いを断つべく男子中学生を消そうとするも、フィジカルブーストの超能力者である有希でもまったく太刀打ちできない。その謎の少年の名は、司波達也。相手が普通の少年であったなら、相手が魔法師でなければ、相手が司波達也でなければー。規格外の少年と暗殺者の少女。二人の出会いが運命をより数奇なものへと変えていく。大人気作品『魔法科高校の劣等生』原作初のスピンオフ開幕!!
リーナが達也の許にたどり着く七十一時間前。ニューメキシコ州スターズ本部基地で起きた叛乱により、同隊ナンバーツーのカノープスは窮地に追い込まれる。一方、リーナは達也と深雪の手引きにより、四葉家が実質的に支配する三宅島の東約五十キロの海上に浮かぶ『巳焼島』へと潜伏先を移す。そして、再度、水波を連れ出すために病院襲撃を開始する光宣。それに対峙する七草三姉妹は彼を阻止できるのか!?侵攻する脅威ー、侵入する悪意ー。全世界の魔法師たちがぶつかり合おうとする時、達也の力が試される!!
十三使徒の戦略級魔法に襲われた達也と深雪は辛くも生還を果たす。だが、水波は、かつて同じようにして達也を守った穂波のように生命の危機に立たされてしまうのだったーー。 そして、守るべきものと、自らの望みのためパラサイトという禁断の力を求める光宣。彼の選択は未来を揺るがすのかーー!? 達也と光宣、規格外な二人の魔法師がついに対峙する。 そして、同じ頃、スターズではリーナ暗殺を目的とした叛乱が勃発!? 魔法師の未来は如何にーー物語はクライマックスへと、突き進む!!
「トーラス・シルバーは、国立魔法大学付属第一高校三年生、司波達也氏である」七賢人の一人レイモンド・クラークによるビデオメッセージは日本だけでなく、世界中に大きな波紋を投げかけた。そして、実質の魔法師追放計画ともいえる『ディオーネー計画』。達也はこれに対抗すべく兼ねてより研究をしていた恒星炉を用いたプロジェクト『ESCAPES計画』を発表する。それは深雪のため、魔法師の未来の為、達也が選んだ道であった。時を同じくして、滅んだはずの周公瑾と対決する光宣。さらに、十三使徒の戦略級魔法が達也を捉える!?達也と深雪に最大の危機が訪れようとしていたー。
ゲノムスの潜水艦『モビィ・ディック』にインドラとともに収容された蒼生。彼はそこで、敵であり、そしてかつての親友である龍一と再会を果たす。死んだはずの龍一との再会は彼の心に動揺を生むのだった。そんな二人の眼前に、玲音があの乳白色のドウルを駆り現れる。蒼生は敵であるはずの『マクリール』と、味方であるはずの『ミスティムーン』の間に割って入るが…。その時、ついにミスティムーンに搭載されたサイクロニクス装置『ドゥルガー・システム』が起動する。それはまさに、畏るべき女神の顕現であったー。
世界中で大量殺戮が進む。その災禍を引き起こした『天使』は、『人』を喰らい自らの糧としていた。『天使』の変化を察知した『魔人』と『反逆の天使』は、それぞれ守るべきもののために行動を始める。『少女』は悩む。自らが『天使』と闘う力を持つものの、戦いに敗れ、『天使』の餌食となり『魔人』との絆が途切れてしまうのではないかと。『賢者』の分析により、『魔人』と『天使』の驚くべき関係性が明らかになる中、新たなる事件が…。葛藤を抱えつつも『少女』は『魔人』と共に天使討伐へと向かう!
二〇九七年、四月末。戦略級魔法の使用はブラジル軍だけにとどまらず、ギニア湾岸にて大亜連合により戦略級魔法『霹靂塔(へきれきとう)』が使用される。 魔法が戦火を拡大し、世界を包んでいく。魔法を使った者への非難。魔法を作った者への非難。 魔法師への逆風が強まる中、魔法の平和的利用として、USNAの研究者であるエドワード・クラークから『ディオーネー計画』という壮大な宇宙開発プロジェクトが提案される。 そして、選ばれた人員の中にはトーラス・シルバーの名前が。これをきっかけに達也がトーラス・シルバーであることが白日の下にさらされてしまうのだったーー。 達也と深雪に新たな試練の時が訪れる。
二〇九七年、四月。横浜で行われた、十師族及び師補十八家の後継者たちを集めた会議での達也の振る舞いは、他家との軋轢を生む。 “全ては深雪を守るため”の達也の判断を支持する真夜。しかし、同時に他家への警鐘を鳴らすーー特に、十文字家と十山家への警戒を強めるのだった。 時を同じくして、十師族『三矢家』の少女、三矢詩奈が行方不明に!? 彼女を捜索する矢車侍郎と第一高校のメンバーたち。 その裏には国防陸軍所属の遠山つかさの暗躍の影があったーー。 “人間”と魔法師の共存。魔法師に集まる人々の懐疑心が、彼らの状況を一変させ、そして動乱の渦へと巻きこんでいく。
ー人は天使でもなければ獣でもない。男は、闘う者としての矜持を捨てなかった。青年はあくまで、己が最強であることを示そうと欲した。紫の翼を背負わせられた少年は、何の為に力を与えられたのかすら分からぬまま、戦いの渦中に放り込まれた。天使になれず、獣になることを拒んだ少年は、運命に翻弄されるままフォーシアンと戦い、NEOと戦う。始まりの夜に出会った「星の少女」の記憶で、己の心を「人」につなぎ止めながら。
二〇九七年、三月。南米大陸で戦略級魔法『シンクロライナー・フュージョン』が使用された。 それを契機に、世界に吹き荒れる動乱の嵐が、日本にも押し寄せようとしていた。 翌月。国立魔法大学付属第一高校三年生に進級した達也と深雪の下に、十文字家当主・十文字克人からの招待状が届く。 十師族、師補十八家の若手を集めて、自分たちを敵視する風潮に魔法師としてどう対処すべきかを話し合うための会議に二人を招待する正式な書状。 それが達也を、更なる波乱の日々へと誘う。
赤い翼が羽ばたく時。今夜も、人の命が失われるー。天使の姿をした『天敵』が『救済』を届けるために舞い降りる。『大量殺人による人口過剰の解消』という『救済』を。そんな無差別で傲慢な『天使』に死の執行を以て反逆する異端者がいた。『人』は彼らを『魔人』と呼ぶ。ある日。『魔人』の青年が『天使』に襲われた『人』の少女を救い、『賢者』に引き合わせる。少女は『賢者』に与えられた目映い偶像の衣によって『魔女』の力を手にする。『賢者』は『魔人』と『魔女』を助け、『魔人』は『魔女』を守護し、『魔女』は『魔人』に手を差し伸べる。これは『魔人』と『魔女』と『賢者』と『天使』、そして『人』の物語。