著者 : 佐藤友哉
大財閥・入来院家の支配する薄荷島に招待された小学生・すばるは、ふつうを嫌う入来院家の令嬢・鈴音に出会う。彼女のもとには誘拐の予告状が届いていた。やがて、予告されたとおりに鈴音はさらわれてしまう。衆人環境のなか、塔の頂上から、忽然と。一体なぜ?そして、どうやって?鈴音を救うため、すばるは200年前、13年前、そしていま、入来院家で繰り返される密室人間消失の謎に挑む!
女子中学生・冬子が「本物の衝動」に突き動かされてたどり着いた見知らぬ孤島。そこで出会った青年から冬子はある男の「監視」を依頼される。密室状態の岬の小屋に完璧にひきこもり、ノートパソコンに向かって黙々と作業を続ける男。その男の「監視」をひたすら続ける冬子。双眼鏡越しの「見る」×「見られる」関係が逆転するとき、一瞬で世界は崩壊する!「書く」ことの孤独と不安を描ききった問題作中の問題作。あるいは傑作。ゼロ年代きってのマスターピースがいま蘇る…!“戦慄の19歳”、再び。佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画。
お祭り騒ぎは、もうお終い。今回は愛をめぐる三つの物語だ。暗澹たる日々に埋もれた無様な青年。悪意から逃れられない少女を護り続ける少年。密室情況の屋敷の中で繰り広げられる、贖罪を含んだ惨殺劇。それらは歪んでいて、壊れていて、間違っている。でも確かに愛の物語なのだ。俺は行動を開始した。その目的は、水没した全てのものを引き戻すため。そして、その果てに浮かび上がる真相。そこにはもう、馬鹿げた世界は存在しない。ゼロ年代きっての“鏡家サーガ”がいま蘇る…!“熱慄の19歳”、再び。佐藤友哉デビュー20周年記念復刊企画。
青春は美しくない。私の場合もそうだった。二年B組に現れた転校生。校内で発生した密室。それらを起点として動き出す、不可解な連中。コスプレを通して自己変革する少女。ぐちゃぐちゃに虐められる少女。人間しか食べられない少女。ドッペルゲンガーに襲われた少女と、その謎を追う使えない男。そして…予言者達。私は連中の巻き起こす渦に呑まれ、時には呑み込んで驀進を続けた。その果てに用意されていたのは、やはりあの馬鹿げた世界。…予言。あの時の私は、それで何を得たのだろうか。ま、別に知った事じゃないけどさ。
妹が死んだ。自殺だった、と僕のイカれた家族は云うが。そして現れた男。手にはビデオ。内容は妹のレイプ中継。渡されたのはレイプ魔どもの愛娘達の克明すぎる行動表。こうされちゃあ、する事は一つ。これが自然な思考だね。そして僕は、少女達の捕獲を開始した。その果てに…、私は病気。でも誰にも相談できない。絶対に云えないよ。七十七人の少女を屠った連続殺人犯、突き刺しジャック。彼が少女を殺す時…彼の視覚が私の視覚に接続するの。怖いよ。もう駄目。しかも彼は、私の存在を知っている。そして私は、彼に立ち向かってしまった。その向こう側に、こんな馬鹿げた世界が用意されているなんて知りもせず。ゼロ年代きっての“鏡家サーガ”がいま蘇る…!
異世界転生史上もっとも日本文学な傑作が生まれて。すみません。“太宰治(令和の日本に転生)VS.終わらないコロナ禍”を佐藤友哉がビビッドに書き尽くす!
一瞬で変わってしまった日常を舞台に、さらなるミステリー界の珠玉の才能たちが競演する「ステイホームの密室殺人」、待望の第2巻!新型コロナウイルスに感染し、自宅療養中の男子高校生が刺殺体で発見された。密室殺人の謎を追いかけた末に友人たちが行き着いた、彼の死に込められたメッセージとは?乙一のせつなさと天才が爆発する傑作。(乙一「ステイホーム殺人事件」)。外界との接触をすべて断ち、引きこもった潔癖症一族の家長がリモート家族会議中に刺殺された。潔癖症の家族がなぜ人を刺殺できたのか、そして密室はいかにして作られたのか、二つの謎にリモート探偵が挑む!(佐藤友哉「潔癖の密室」)。自粛休業中で無人のメイド喫茶で、店長が死体となって発見された。密室と化した店内の謎を、メイド探偵とメイド喫茶オタクの二人が解き明かす!(柴田勝家「すていほぉ〜む殺人事件」)。自粛警察がはびこる「新しい日常」下、ボランティア読み聞かせ会の開催で世間から中傷を受け、沈黙していた児童作家が満を持して新たに朗読会を開催した。脅迫状が送りつけられる中、彼が読んだものとはー!?(法月綸太郎「題名のない朗読会(抄)」)。ステイホーム期間中、コロナ陽性者が出たマンションで起きた飛び降り事件。その死は自殺か他殺か、謎めいた動機をめぐってコロナ時代ならではの推理が迫る!(日向夏「迷惑な殺人者」)。保育園休園のあおりを受け、遠隔見守りサービスを使って子育てする夫婦。ある日、監視カメラの目をくぐって息子が死んでしまう事件が起こるが、その裏には恐るべき真相が隠されていたー!(渡辺浩弐「末恐ろしい子供」)。
あの太宰治がよりによって現代日本に転生、人生と平成を謳歌中!女子高生地下アイドルを流行作家にプロデュースして、今生こそ芥川賞を狙う太宰だったがー!?急展開の第2巻!
ついに姿を現した「十神一族最大最悪の事件」の犯人・十神和夜!超高校級の御曹司・十神白夜は、世界保健機関疫病対策委員実行部隊隊長となった彼に「絶望病」蔓延の諸悪の根源として逮捕されてしまう。移送のさなか語られる謎の「『聖人計画』と『聖書計画』」。そして、血の抗争の果てでついに明かされる「件」の正体…!「いい、世界征服だったぞ」佐藤友哉×しまどりる×ダンガンロンパ堂々完結!
「愚民に朗報を聞かせてやる。お前がぶち立てた世界征服を、俺が実現してやろう」超高校級の御曹司・十神白夜は絶望の闇に沈むプラハを舞台に“世界の敵”として世界征服を宣言し、絶望高校級の才能が炸裂する刺客たちを迎え撃つ。そのさなか、ニセモノの禁忌の幕は剥ぎ取られ、全てのはじまりである「十神一族最大最悪の事件」の真相がついに明かされる…!三島由紀夫賞作家によるノベライズ!
「これは『世界征服宣言』だ。今から二十四時間以内に俺を殺すか、この世のどこかにいる『かわいそうな牛』を見つけ出せ」己の偽者が放った『世界征服宣言』により、すべての権力を奪われ、“世界の敵”となった超高校級の御曹司・十神白夜を次々に襲う、“超高校級”の刺客たち。一方、不気味な広まりをみせる謎の『絶望小説』によって、世界そのものも混乱の極みに達していた…!『ダンガンロンパ』×三島由紀夫賞作家!佐藤友哉による最高傑作、いざ開幕!
かつて六十三人もの人間を殺害し、暴力と恐怖の体現者たる“覇王”として群臨した今は亡き偉大な祖父。その直系たる「僕」がこの町を、この世界を支配するーそんな虹色の未来の夢もつかの間、「肉のカタマリ」として未だ何者でもない灰色の現実を迎えてしまったことに「僕」は気づいてしまう…。「僕」の全力の反撃が始まるー!!青春小説のトップランナー・佐藤友哉と『惡の華』の押見修造のタッグが放つ、ゼロ年代の金字塔的青春小説!