出版社 : 星海社
帝旺大学人文学部文化人類学科の最強頭脳集団・桐村研が現地調査に赴いたのは、国家に隠匿された地図にない島ー鳥喰島。江戸時代に囚人の流刑地とされたその孤島には、身体を切断する成人儀礼を始めとする奇習を存続させた“鷲族”と“鴉族”が存在していた。“欠落を美と見做す”彼らの閉鎖世界で発生する連続殺人…これは無計画の連鎖か、計画された虐殺か?惨劇を追認する推理の果て、異形の真実が剥き出しにされるー!
「私の目を、最後まで見つめていて」そう告げた“道連れの魔女”リリィがヒースクリフの瞳を見ながら絶命すると、二人は1日前に戻っていた。母の危篤を知った没落貴族ブラッドベリ家の長男・ヒースクリフは、3年ぶりに生家“永劫館”に急ぎ帰るが母の死に目には会えず、葬儀と遺言状の公開を取り仕切ることとなった。葬儀の参加者は11名。ヒースクリフ、最愛の妹、叔父、従兄弟、執事長、料理人、メイド、牧師、母の親友、名探偵、そして魔女。大嵐により陸の孤島と化した永劫館で起こる、最愛の妹の密室殺人と魔女の連続殺人。そして魔女の“死に戻り”で繰り返されるこの超連続殺人事件の謎と真犯人を、ヒースクリフは解き明かすことができるのかー「館」×「密室」×「タイムループ」の三重奏本格ミステリ。
オール書き下ろし!世代を超えて集結した豪華・少女小説作家たちが、少女小説とSFの可能性を解き放つ!新井素子「この日、あたしは」パーソナルAIとの共生が浸透した未来。地震で母を亡くした「あたし」に生まれた願いとはー/皆川ゆか「ぼくの好きな貌」人面犬に殺された妹と、人面瘡に蝕まれる姉。双子の姉妹に訪れた破滅の真相が明かされるー/ひかわ玲子「わたしと「わたし」」人がみな双子で生まれ出ずる惑星に、ひとりきりで生まれてしまった少女の運命はー/若木未生「ロストグリーン」天才作曲家の少年と彼を支える編曲家。ふたりの前に鎮魂歌の作曲を求める青年が現れたー/津守時生「守護するもの」戦禍の果てに家族を失った少年は青年となり、美貌の相棒とともに宇宙へ賞金稼ぎに繰り出すー/榎木洋子「あなたのお家はどこ?」開発初期の地球型惑星に暮らす少女は、家出という名の小さくて大きな冒険へと旅立ったー/雪乃紗衣「一つ星」目を醒ますと少女の首には奇妙な頚輪があった。氷と極光の世界を歩むガール・ミーツ・ボーイの行方はー/紅玉いづき「とりかえばやのかぐや姫」竹から生まれた美しい男と、帝の地位についた少女。私たちの知らない古代の異類婚姻譚が物語られるー/辻村七子「或る恋人達の話」全身機械化手術が普及した革命後のフランスで、『ナポレオン法典EX』が愛し合うふたりの男を阻むー/嵯峨景子「コラム 少女小説とSFの交点」少女小説家たちが手がけたSFの歴史、コバルト文庫以降の少女小説とSFの交点を辿るー
わたし、野村響子。虹北商店街に暮らす、ピカピカの中学一年生!クリスマスムードに染まる商店街で、貴重な青春の一時を愉快な大人たちとの映画撮影に費やしている。「探し物があるんだ」-そう言って春に旅立った幼馴染みの名探偵・虹北恭助はまだ帰ってこない…。恭助のいない日常は、本当に普通の日常だ。(愉快な大人たちと映画を撮るのは、すごく非日常って感じもするけど、それがなんだって言うのよ!)けれど、そんな平穏な日常の風景には、わたしには気づけなかった「寂しさ」が隠されていたー
ついに秘められた能力が明らかになり実家の陽美谷神社再建を目指すナギは、トータの実家である日本屈指の大神社・江道大社を職業見学で訪ねることに。しかし、江道大社には予知能力者が遺した予言書を巡る、暗い真実が隠されていたー!超能力×学園×友情×恋愛×陰謀!?スピリチュアルスクールドラマ、第3巻!
人類がテクノロジーの力によって「半神」に進化した近未来、天使たちは神を狙う悪魔との決戦に備えていた。新人天使エスクは天使城の指令に従い、宇宙空間に襲来する悪魔と戦うが、神の命令に言い知れぬ違和感を覚えていたー。星雲賞・SF大賞の森岡浩之、待望の新作スペースオペラ!
わたし、野村響子。もうすぐ小学六年生になろうっていう小学五年生で、家は虹北商店街にあるケーキ屋さん。この虹北商店街の日常には謎がいっぱい!ひとりでに増えてゆく駄菓子屋のおかし。深夜、アーケード街をさまよう透明人間の足跡。なんでも願いを聞いてくれるお願いビルディング。巻き起こる不思議な不思議な謎・謎・謎!でも、そんな謎を立ち所に解決してくれる魔術師がいる。その名は虹北恭助。古書店・虹北堂で学校も行かずに店番をしている、わたしと同い年の幼馴染みだー
全寮制、小中高一貫制の「乙女純粋培養槽」-私立青嵐女学院。隔絶した箱庭で、ロリータ・ファッションを纏う橘地莉子は、今日もルームメイトである渡会心音の肌に歯を立てる。それは初等部から続く、ふたりだけの秘密の儀式。心音のなかで、その痛みはいつしか快楽へと変貌を遂げていた。噛み噛まれる、痛くて甘美な中毒関係の行き先はー
“妖精の淑女”と渾名されるイカサマ霊媒師・グリフィスが招かれたのは、帝国屈指の幽霊屋敷・涜神館。かつて悪魔崇拝者の巣窟であったその館には、帝国が誇る本物の霊能力者が集っていた。交霊会で得た霊の証言から館の謎の解明を試みる彼らを、何者かの魔手が続々と屠り去ってしまう…。この館で一体何が起こっていたのか?この事件は論理で解けるものなのか?殺人と超常現象と伝承とが絡み合う先に、館に眠る忌まわしき真実が浮上するー!!
運だけで数々の難事件を解決してきた轟運探偵と助手の努力探偵に、一件の探し物の依頼が届く。依頼主のもとを訪ねると、そこは10人もの探偵が互いに推理を戦わせる異様な館だった。
人類がさまざまな生物の生殖形態を模倣するようになった近未来。高校生の浅樹セイは、性を自らの意志で選択できるドウケツエビの生態を持って生まれ、性別決定について迷っていた。セイは同じく生態への悩みを抱える先輩・布目と出会って心を開くが、程なくして先輩は行方をくらましてしまう。その後、消えた先輩から謎めいた手紙が届き始めるー。『異常論文』でデビューした新鋭・青島もうじきが満を持して世に問う第一長編にして近未来恋愛×SF×ミステリ!
これがあり得ない未来の話だって、誰が証明できる?自由に人工冬眠できたら/人生を複製できたら/脳内の理想世界を生きられたら/人生を売買できたら/昆虫食が普及したら/遺伝子検査で寿命が明らかになったら/AI・ロボットが人間に近づいたら/私たちは本当に幸せになれるのか?人工冬眠/デジタルツイン/ブレイン・マシン・インターフェイス/NFT/昆虫食/遺伝子検査/AI・ロボット…7つの技術が進化&実装された先にある未来の光と闇を、ショートストーリーで予言する!渡辺浩弐の名作ショートショートSF、“ゲーム・キッズ”シリーズ最新作!
1966年竣工。地下3階から最上階まで全13階層。全長140m、幅45m、高さ31m。迷路のような商店街とハイソな住居スペースを抱える東京屈指の魔窟・中野ブロードウェイ。新しさと懐かしさが混在するこの不思議空間は、怪奇現象の体験談や都市伝説が数多く噂される“怪談の聖地”だった…!本書では、中野ブロードウェイの某所にある“開かずのカフェ”の店主・渡辺浩弐がその真相を究明。知る人ぞ知る怪談の背後に蠢く、驚愕の真相とは…。不思議で不気味でゾゾゾな怪談26篇が集結!
人間の意識を半永久的に持続可能な人工身体にコピーしたヒューマノイド=“カティス”が生まれた近未来。“カティス”の女性・ミチが目覚めると、世界から人類は消失していた。搭載された“安全機構”により自殺はできず、誰もいない世界で孤独な時間を生き続けることに絶望していた彼女は、少年の姿をした“カティス”のアミと出会う。“人類消失の謎”の解決を目指すと語る彼に誘われ、ミチは失われた人間の頃の記憶と永遠に続く時間を生き続ける意味を探す旅を始めるー人類が消失した終末世界を人類の残骸のふたりが旅する、最果ての“日常の謎”。
飛び込み自殺をするはずのローカル線が廃線となり、生理不順で味覚障害な中学二年生・有賀海幸の保険金自殺計画はムダになってしまった。途方に暮れる彼女は、タガログ語で“幸せ”を意味する名を名乗る年上の少女・リガヤと出会う。「ボクがこいつを『幽霊鉄道』として、甦らせてみせる!」謎めいた彼女は、廃棄列車を復活させ自殺志願者の海幸に“死”を与えることを誓うのだった。海幸とリガヤの、忘れられない夏が始まるー