著者 : 前田珠子
新しい世界を統べる者になったラエスリール。だが穢禍は未だ変質を繰り返し、様々な影響を与えていた。その力を断つべく創造主を封印しようと総力を尽くすラスと闇主。戦いの中、闇主が姿を消し…?
覇権をかけた戦いに敗れ、女皇の座をラエスリールに譲った燦華は、緋陵姫と乱華と共に世界を巡ることに。時にいがみ合いながらも次第に打ち解けていくが、ある町で三人を襲った衝撃的な事件とは…?
ラエスリールの手により、世界は新しい時代の幕を開けた。だがそこは『天明の月』が照らす世界で、月は妖しげな力を持っていた。「またいつの日か、舞い戻る」という言葉を残し、姿を消した闇主は…。
腐食の泥闇の中に包み込まれた燦華に破妖刀を突き刺したラエスリール。遂に二人の女皇を巡る戦いに終止符が打たれる。その時、腐食の泥闇は? 創造主は? 世界の運命は? 超人気作、堂々完結。
自らの存在は、世界を破滅させるための鍵として創造主に作り出されたものだと知った燦華。世界を統べる者ではないことに絶望し、終戦を決意するが、腐食の泥闇は世界を滅ぼすべく増殖を続け……?
ラエスリールと燦華は、腐肉と瘴気が満ちる広大な「穢禍」の海上で、創造主の意志を託した石板を発見する。六つの石板を合わせ解読し、真相を知る二人。戦いの行方は、そして穢禍を葬ることはできるのか!?
命ある限り、互いを互いの『半身』とする神に選ばれた二人ーヒアルキトと、ハワルアト。島国トランキザムでの神事を行い、命を削るようにして、『ミユキ』が宿る晶脈石を生み出す。ところが最近、より多くの晶脈石が必要とされる事態が起こっていた。いったいなぜ!?三年前から訪れるようになった、大陸の皇子エイシャラムも交え、運命の大きな渦がヒアルキトたちを呑み込んでゆく…!
光闇の化身からの恩寵『ミユキ』にあふれた島・トランキザム。特別に選ばれた二人が光闇の志を受け継ぎ、島を守っている。三年前、ヒアルキトは兄と慕うハワルアトと共にその役目に選ばれ、神殿で日々を過ごしている。ある日、お忍びで街へ下りたヒアルキトは、島へ漂着した青年と知り合う。その出会いが彼女の、島の運命を変えるー。前田珠子が生み出した新作世界を、気鋭の作家が小説化!
全ての生命を侵食し、無き者にする怪物・穢禍。増殖を繰り返し、その粘液状の形態は腐肉の海としてラスと女皇の眼下一面に広がる。創造主は何の意図で忌み嫌うより価値のないはずの穢禍を作ったのか?その答えを示すかのように腐肉の海に一つの金属板が浮かんでいた。ラスの魅了眼がそれを発見。二人は一旦休戦し、その金属版に刻まれている文字を確認するために腐肉の海へ迫り行く!!
穢禍とは、世界を完全なる終焉に導くため創造主により生み出された怪物。あらゆる物を浸食して増殖する“腐食の泥闇”。その脅威から一旦は逃れたラスだが、女皇との最後の戦いが穢禍の“海”の上で再開…!?
世界の覇道を賭けた死闘は続く。ラスは女皇の心臓に破妖刀を突き立てる。それでもなお、不敵な笑いを浮かべる女皇。だがその瞬間、彼女の口から謎の物体が三つ、滴り落ちた。怪しく動き回るその正体は!?
成功と失敗、そのすべてを糧にして進化を続けていく女皇・雛の君。ラエスリールとの死闘においても、その攻防の中で驚くべき変化を遂げていく。追い詰めてもさらに強大な姿でたちはだかる雛の君に一度は絶望するラス。しかし、人間に滅びてほしくない。そのためにならば命をかけて戦うという決死の覚悟で、自らを信じて破妖刀・紅蓮姫を強く握りしめる。「行くぞ、紅蓮姫!」ラスは宣戦布告する。
女皇・雛の君と再び相見えるラエスリール。世界をかけた人類の命運を左右する戦いが幕を開ける。六種の闇と虚を操り、ラスを窮地に陥れる女皇。自らの勝利を確信したその瞬間、彼女は驚愕の真実を目の当たりにする。そこには傷一つなく立ちはだかるラスの姿があった。五つの闇の輝きを放つ人影に護られるようにして。その闇とは?その輝きとは?その人影とは?そして、戦いの行く末は…?
女皇の世界殱滅宣言により、恐怖に晒された人間達は生き抜くためにそれぞれの戦いを始める。女皇・雛の君はラエスリールに窮地に追い込まれた時の脅威が脳裏から離れない。その強大さへの嫉妬・恐怖・憎悪。足掻きながら反撃を模索する彼女の前に緋陵姫が現れ、意味深な言葉を吐く。「私が知る真実をすべてお聞かせするために参りました」と。その真実とは。そしてラスと再び相対する日は?
雛の君の世界殲滅宣言により、世界の人々は様々な選択を強いられる事になる。生き抜くための覚悟と決断。ラエスリールは力で女皇を抹殺せんとするが、すんでのところで闇主に止められる。その強大な力は全てを破壊する危険を秘めているという理由で。その根源を知るべく璃岩城へ赴くラスと闇主。そこで見たものは金、緑、紫、白に輝きながら不可思議かつ優雅にたたずむ闇の化身の姿だった。
世界の皇となるべく全てを破滅に導かんとする女皇・雛の君。父を侮辱された怒りで憤怒の刃を振り下ろすラエスリール。恐るべき己の邪念と頑なに他者を護ろうとする情念が対峙する。しかし、闇主は戦いを中断させラスに「お前はまだ悲しんではいない」と言い放つ。あたかも彼女の未来を予言するかのような言葉。その真意は?そして魔性の女皇に殲滅を宣言された人間達の命運はいかに…?
息子・乱華をかばって自らの生に終止符を打った王蜜の君…そして、「わたしはあなたと逝く」と言って、その魂に寄り添う母チェリク…この世で最強だった…そしてラスが愛した人たちは消えてしまった。しかし残されたラスに涙を拭く時間はない。目の前に立ちはだかる女皇とただ闘うのみなのだが…!?か弱き人間に少しでも生きながらえる可能性がある限り…その手で世界を抱きしめろ!
死闘の末、父・王蜜の君に勝利したラス。世界の「破滅の鍵」を携え、五闇を従えることとなったラスには、第六の妖主である「雛の君」と等しく、新たな世界の「女皇」となる資格があると、父は認めたのだが。一方、ラスの母・チェリクが見上げる空には、巨大な亀裂が不気味に入って…!?魔性による殺戮が、世界を赤黒く染め上げ始めているー。ラスよ、愛しき世界の破滅を食い止めよ…。