著者 : 前田珠子
ラエスリールの昏倒より一年後。伝説の破妖刀・紅蓮姫は、新しい使い手であるアーゼンターラの手の中で、魔性の命をすすっていた。しかし紅蓮姫の暴走を止める真の使い手は、結界の最奥で深い眠りについたままで…!?新たに生まれた六人目の妖主・雛の君の狙いは何なのか?ラスの父である金の妖主の真意とは…?大人気ファンタジーの本編が遂に再始動。数々の謎が明かされ始める…。
「おまえが魔族で女の子だったらお嫁さんにしてあげるのに」公言して憚らないキラルの“変態兄貴”ガルファールによって、ファガルは、紫眼の女性の身体に魂を宿し直されてしまった!!キラルに加え、ファガルまで目立つ外見になってしまい、サリームの本来の身体を取り戻す旅はますます困難に。そんな折、ファガルたちは昔馴染みに再会し、サリームが持つと噂されている“万能の稀石”の正体を知らされるー。次第に黒幕の影も見え始める、好評シリーズ文庫第三弾。
“美しいキラル”-それは、美貌と強大な魔力を併せ持つ伝説の魔族。破呪師ファガルは、サリームとリカリルの罠にはめられ、彼らをキラルのもとに案内することに。尊大な青年サリームと、サリームに恋する魔族の少女リカリル。ふたりにこき使われ、踏んだり蹴ったりのファガルだが、実はファガル自身にも大きな秘密があった…!!ワケあり一行の旅が、今、始まる!前田珠子版「西遊記」、ついに文庫版で登場。
破妖刀・夢晶結の使い手であるスラヴィエーラは、苛立ちを隠せなかった。紅蓮姫がアーゼンターラに懐いているのに、使い手であるラエスリールは平気な顔でいるからだ。しかも紅蓮姫が惹かれているのは、アーゼンターラではなく、かつてラキスだったときの人間の魂と、幾ばくかの記憶にであった。つまり、ラキスとは意志の疎通ははかれるが、アーゼンターラ自身とはままならないのである。
リメラトーンは苛立っていた。理解に苦しむのは、紅蓮姫を奪還するために組まれた仲間たちが裏切り者に対して同情的なことだった。彼は思う。強大な魔性の手によって命を奪われた両親、そしてまだ救えるかもしれない姉アーゼンターラのことを。ただひとり助かった負い目とともに。だが彼の苛立ちは激怒へ変わった。相手の護り手が妖主であり、半人半妖の破妖剣士であることを知ったのだ。
姉のアーゼンターラを魔性に攫われたリメラトーンは、浮城の捕縛師になった。しかし彼がなりたかったのは、魔性を滅ぼし得る力を有する破妖剣士。破妖剣士になるには、高邁な思想や理想も血を吐くような努力も意味をなさない。選ぶのは破妖刀そのものだからだ。不信感を募らせる彼に城長から命令が下る。「我が浮城の至宝を奪還せよ」-至宝の名は紅蓮姫。最も強力な破妖刀の名前だった。
「お前が魔族で女の子ならお嫁さんに貰ってあげるのに-」そう言ってはばからない、キラルの“変態兄貴”ガルファールによってファガルは、紫眼の女性の身体に魂を宿し直されてしまった!!万能の稀石を持つと噂されるサリームを狙う輩は跡を絶たず、四人になった一行の旅は、ますます困難に-!?次第に明らかになる真相の奥に、さらに厄介な気配も見え始め-前田珠子流「西遊記」、待望の第三弾。
美貌と強大な魔力を併せ持つ伝説の魔族・美しいキラル。彼を探していた人間のサリームと、サリームに恋する魔族・リカリルは、一人の破呪師のもとにたどりついた-。ファガル-実は、キラルの養い親にして、すでに一度は黄泉への道を通った強大な力を持つ破呪師。別れを嫌ったキラルの力によって、キラルの肉体の中によみがえった存在。三人で四人の、ワケアリの面々の旅は波瀾の連続で-!!好評シリーズ第二弾。
カラヴィス公国の第一公子・ソルヴァンセスが原因不明の難病になった。どうやら魔性に、その生気を吸いとられているらしい。浮城で魅縛師として修業をしていた公子の妹・リーヴシェランは兄を見舞いに、故国に帰ることになった。従うのは彩糸という公女の護り手と、侍女に姿を変えた破妖剣士・ラエスリール。魔性に操られた死霊がラスたちを襲う。だが頼りの闇主は姿をみせない…。
ガンダル・アルスの中心に浮かぶ浮城の結界近く。破妖剣士ラエスリールの前に、突然凄絶なまでの美貌の青年が出現した。問うまでもなく、上級魔性である妖貴であるのは明らか。謎の青年は、ラスに禍々しいまでに赤い柘榴の実を手渡して、消えた。その話を知った護り手・闇主には、いつになく不審の色が走った。そして更に、柘榴を手にした少女妖貴の桜妃がラスの前に現れた。人気アクション・ファンタジー。