著者 : 北條三日月
アエテルタニス国王・レオンハルトから、人知れず飼われる猫のように寵愛を受ける少女・リリィ。記憶を失った状態で保護された彼女をレオンハルトは深く愛し、妃にと望む。身分不相応とリリィは拒んでしまうが、彼の力強く優しい腕と悪戯な指に甘く翻弄されるばかり。そんな折、リリィと同郷らしき行商人が現れる。愛する人のため、自分の正体を知るべくリリィは離宮を抜け出すけれどー!?
幼い頃、王子さまのような美しい婚約者に恋をした伯爵令嬢シェリル。だが当の婚約者・セオドアは、家柄だけが目当ての冷たい心の持ち主だった。それから12年後、久しぶりに再会したセオドアを見てシェリルは驚く。いきなり情熱的の唇を奪った彼は、あのセオドアとは別人としか思えない。愛してくれなかった「本物」のセオドアと、シェリルを激しく求めてくる「偽者」の彼とのあいだで心は揺れて…!?
新たな羽紹国皇帝・飛龍の熱望から、半ば強引に後宮に召された太皇太后・蘭華。早逝した先々帝の后であり、若き未亡人として孤独な生活を送っていた蘭華は、年下の飛龍に夜ごと激しく求められ、彼女を実の妹同様に愛した先々帝が与えることのなかった甘い悦楽の境地を初めて知る。飛龍への愛と、敬愛していた先々帝への罪悪感との狭間で揺れる蘭華は、皇宮内の噂によってさらに心が乱されて…。
病に冒された兄の命を救うため、代わりにマクドウェル子爵として生きるアンジェは、博識なダーク伯爵と出会い、女性として胸がときめいてしまう。けれど、彼は残忍な悪魔・メフィストフェレスと意識を共有し、過去にかわした契約により、身体を乗っ取られていた。メフィストはアンジェを拷問にも等しい愛撫で弄び、堕落させようと企む。一途な愛でダークを救いたいと願うアンジェだが…。
十八歳の誕生日を目前にしたミアは、夜ごと妖しい夢に悩まされるようになる。妖艶に男を誘っては精を奪う、赤い瞳の自分の姿。その悪夢から彼女を救ったのは、誰もが憧れる社交界の花・アレクサンダー伯爵。初めて彼に優しく愛され、無垢な身体にめくるめく快楽を刻み込まれるミア。けれど、甘い悦びの日々は続かなくて…。禁断の記憶が蘇るとき、愛し合う二人の運命が回り始める。
父と継母の家で孤独に暮らす奈津子のもとに、一目で心を奪われるほど美しく気品にあふれた男が訪れる。奈津子を妻として迎えたいというのだ。承諾した父の真意もわからぬまま、秘密の婚儀が行われ、奈津子は幽世の館に迎えられる。そう、彼はこの地を護る蛇神様だったのだ。「ずっと、見ていた。ナツの幸せこそ、私の歓び」一途な求愛の言葉とくちづけは震える奈津子の身体を溶かして…?
天地を統べる応龍の寵姫・璃音は美しい声で主を癒す篭の鳥。彼女に一目で激しい恋をした海の竜王・天籟は、璃音を攫うという大罪を犯す。海底の宮殿に閉じこめ、天籟は応龍とは全く違う愛で璃音を包んだ。強引に奪うようなことはせず、「己を殺すな」と語りかけられ、璃音は天界では抑えつけていた自分自身を取り戻してゆく。天籟への思いがあふれたその時、応龍が彼女を取り返しに降臨して!?
母国を救う代償に、乙女を捧ぐ。四海竜王の長・青竜王との契約の夜に向け、桜麗は美しすぎる彼らに夜伽の躾を受けていた。ひたすら優しく身体に快楽を教えこむ白竜王、焦らしに焦らし、切なさと恍惚の頂点へ追い上げる緋竜王。身体は溺れても孤独な桜麗に、黒竜王だけは激情をあらわにする。ついに青竜王に夜伽を命じられた夜、命がけの反逆に出た黒竜王は、桜麗を強引に奪いにきて!?