著者 : 十三湊
小花美月の長年の夢は叶った直後に消えた。開店したばかりのパティスリーが、教えたがりおじさんにつきまとわれ、撤退に追いこまれたのだ。失意の彼女がたどりついたのは水郷・近江八幡の「シェアキッチン今日だけ」。そこで再起をかけた小花は、様々な事情を抱える訪問者たちの「夢のお店」を一日限定で形にするため、奔走することに。お菓子店、喫茶、バル…。日毎に姿を変える「今日だけ」と花開く人々の願い。心の片隅に置いてきた憧れに向き合いたくなる、人生讃歌の物語。
筆耕士、相原文緒。彼女の仕事は、卒業証書や招待状の宛名などを、毛筆で書くこと。内気で真面目な文緒は、憧れの先生・都築尚之から請け負った数々の仕事を丁寧にこなしていく中で、文字にまつわる不思議な謎に、しばしば遭遇するのだった…。文字。そこには、使う人の“想い”はもちろん、長い歴史に培われた知られざる“秘密”も潜んでいるー。文豪たちに愛された静岡県三島を舞台に繰り広げられる、インテリジェンスに満ちたミステリーを、ご堪能あれ。
ちどり亭の店主・花柚と総一郎の結婚式まで、あと数ヶ月。平穏な日々が続くかと思われたある冬の日、意外な人物がちどり亭を訪れる。 品のいい和服を着て、毅然とした印象のおばあさんーー総一郎の祖母・咲子だった。 「バイトの彗太に、この店を継ぐだけの力があるか確認したい。その力がないと判断すれば、花柚に店をやめさせる」と言う咲子に、花柚は慌てる。 しかし固い決意のもと、彗太は彼女ために一週間、お弁当を作ることになる……。 大団円となるのかーー?
長年勤めた小さな会社を退職した千束。部屋の掃除をすませ、鼻歌を歌いながら料理でも作ろうと考えていたとき、スマホが鳴った。実家の父から、祖父が倒れたと聞き、慌てて北陸の実家に戻る。そこは名刹・成巌寺の仲見世で三百年以上続く精進料理屋「せんねん食堂」。寺と食堂を巡る騒動に巻き込まれた千束は、イケメン僧侶となった幼馴染み、清道&隆道兄弟と再会するー。人気シリーズ『ちどり亭にようこそ』の十三湊による愉快痛快な新作、登場!
仕出し弁当屋「ちどり亭」店主の花柚は、総一郎との結婚にともない、店を畳まなければならなくなる。しかしバイトの彗太が店を継ぎたいと申し出たことで、彼が大学を卒業するまでの二年間は、店を続けられることに。ところが花柚は祖父から「オーナーも店主も辞めること」という条件を出される。名義とお金だけ貸してくれて、現在の店のやり方を守ってくれる人ーそんな都合のいい人を果たして見つけられるものだろうか…。雨降って地固まるの第三巻。
京都は姉小路通沿いにこぢんまりと建つ仕出し弁当屋「ちどり亭」。花柚が風邪で寝込んでしまい、店に手伝いが来ることになるのだが……。付き合いはじめた花柚と永谷の関係も、どうも一筋縄にはいかないようで。
京都のお弁当屋を舞台に繰り広げられる美味しくて心温まる人情ドラマ! ここは、昔ながらの家屋が残る姉小路通沿いに、こぢんまりと建っている仕出し&弁当屋「ちどり亭」。 店主の花柚さんは二十代半ばの美しい人で、なぜか毎週お見合いをしている。いつも残念な結果に終わるらしいんだけど、どうしてなんだ? 「結婚したいんですか?」と尋ねると「お見合いがライフワークなの」と答える彼女。 うーん、お茶目な人だ。 そんな花柚さんが作る最高に美味しいお弁当は、とても人気で、花柚さんもバイトのぼくも毎日、朝から仕出しや弁当販売で大忙し。 あ、いらっしゃいませ! どのお弁当にしますか?
“黄金の朝”と名乗る者による殺人事件が、全国で起こっていた。東北、北陸、関東、関西、九州と現場はバラバラだが、被害者全員がオンラインゲーム“リバース・オンライン”のユーザーだと判明。情報通信保安庁警備部の御崎と篠木が、ゲームの運営会社・株式会社リバースを調査すると、社長の雨宮が行方不明となっていた。彼の足跡を追ううち、御崎たちは、あの“AetΩ”事件とのつながりを見つけるー。超エンターテインメント・シリーズ、ついに完結!
“神の記憶”とは!?スリル満点の捜査ドラマ。脳とコンピュータを接続するブレイン・マシン・インターフェイス、通称BMIが一般化している近未来。情報通信保安庁を激しく揺り動かした“AetΩ”事件からしばらくのち。警備部の御崎は、小さな事件を担当していた。一人の女子大生が、陰湿なネットストーカー被害を受けているという。犯人を追ううちに、未来を見通せると主張する謎の新興宗教団体に突き当たることになるー。第20回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞作の続編、ついに登場!