著者 : 和智正喜
『この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口くん』昭和二十七年。文士・関口巽は刑事・木場、担当編集の桜木とともに、東京を彷徨っていた。巷を騒がす連続神隠し事件。その被害者が消えた跡に、関口初の長編小説「蜃の楼」が残されていたため、犯人探しに巻き込まれたのだ。捜査線上に浮かぶのは、“S”と名乗る黒衣を纏った犯人像。一行は犯人を拿捕すべく、犯行の痕跡を追っていく。空を仰ぐと、視界には、天を衝く長大な鉄塔“スカイツリー”が鎮座してー。薔薇十字叢書随一の奇書、登場。
就職浪人生活に震えていた向澤明音に、一通の採用通知が届いた。差出は“神望町つくも神小学校”。怪しすぎるけど、憧れの教職に釣られて訪れてみるとー校舎から飛び出してきたのは、着物や時計、旅行鞄を身につけた彩り豊かな子供たち。そこは大切にされたモノに宿るあやかし“つくも神”が通う、もう一つの世界の学校だった!教頭の藤木に迎えられ、明音はつくも神の先生をすることに。賑やかな授業とふしぎな事件を前に、明音は生徒を卒業へと導けるのか?新米先生とつくも神の子供たちが奏でる、学園ふれあい奮闘記。
舞台は1996年、東京。ゲームメーカーに勤める主人公・三原一也は、半年前に失踪した同僚・月岡陶子の影を追い、六本木のビル内部に広がる地下神殿へと潜入した。そこで目の当たりにしたのは、神殿に集まった人々が次々と異形の怪物へと変身を遂げる驚愕の光景ー。「これは…陶子が創っていたRPG『エネミーズ』の世界そのままじゃないか!?」そして一也自身にも不思議な力が及び、彼は最大最凶の敵(モンスター)、ドラゴンに変身した!一也はーそして人類は、現実を浸食するこの恐怖とどう立ち向かっていくのか?一話一見開きで物語が展開。カード感覚で展開する新感覚モンスターバトルノベルが誕生!!
お散歩専門店“とうきょう堂”。そこは東京に数多ある不思議スポットを訪れて以来、怪異に悩む人々がやってくる案内処。店の住人“先生”が、相談事に示す解決方法とはーー? 「さあ、あとはお散歩をするだけです」
家業の旅館を手伝う高校生・一馬は、月夜に浮かぶ同級生・麻衣子の全裸を目撃。さらに麻衣子は無意識のうちに聞こえてくる何者かの言葉を呟きだす。「この街はもうすぐ地上から消滅する」そして「…DT」連夜の不思議な出来事に心を掻き乱されていく一馬。やがて寂れた温泉街は、異形が跋扈し血煙をあげる超絶のサイバネティックバトルに巻き込まれていく!その一部始終を目撃した一馬の、忘れられない夏の七夜の物語。