著者 : 唐澤和希
千代は弟を救うため、荒ぶる神の生贄となった。ところが龍神の銀嶺は、花嫁として千代を溺愛。空回りながらも共に暮す中で、二人はお互いを知り、悪しき神も封じて平穏な日々を送っていた。 身に余る幸福は銀嶺のおかげ。彼の力になりたい千代だったが、生贄花嫁ならできるはずの霊力の捧げがうまくいかない。このままでは銀嶺が弱ってしまう。そこで千代は、神様の生贄たちが花嫁修業をするという学校へ通うことに。力を捧げる術を学ぶうちに、仲良くなった大鼠神の花嫁・唯の抱える神様への想いに触れて……? 目次 プロローグ 第一章 生贄花嫁は捧げたいので学校へ行く 第二章 捧げるために修業する 第三章 捧げたかったけど妖しい影 第四章 捧げたいのに運命が阻む 第五章 生贄花嫁はどうしても捧げたい 第六章 捧げたいのは意地があるから 第七章 運命でなくても愛するあなただから捧げたい エピローグ
荒ぶる神に生贄として捧げられた如月千代。彼女は弟を守るため、神の力を封じる毒と一緒に食べられたい。その瞬間を待つ千代の前に、秀麗な龍神・銀嶺が現れる。誰もが恐れる龍神は、けれど千代を花嫁として丁重に扱うばかりでーーいっこうに食べてくれない! 銀嶺の優しさに癒やされつつも、食べられようと自分磨きに励む千代。一方で、千代の不憫な境遇を神の力技で解決しようとする銀嶺。から回りながら共に暮らす二人は、やがて互いの隠し事を通じて向き合うようになりーー。生贄乙女と龍神様、運命の婚礼物語が始まる。 目次 プロローグ 第一章 生贄花嫁は食べられたい 第二章 食べられたいので好みを知りたい 第三章 食べられたかったけど実家に帰る 第四章 食べられたくないのに壺は囁く 第五章 生贄花嫁はやっぱり食べられたい 第六章 あなたのためなら食べられても構わない エピローグ
悪意を振りまく凶獣・渾沌、欺瞞を引き起こす凶獣・窮奇、憤怒で理性を奪う凶獣・檮ゴツ、限りない欲望を生み出す凶獣・饕餮。四匹の凶獣に蹂躙される人々を哀れに思い、天帝は神の力を四人に分け与えた。四人はそれぞれに凶獣を封じ、その地で王となった。 誠実さを美徳とする誠国において、美しく気高き華と称えられる女王・詩雪。 彼女のもとに突如舞い込んだのは、かつての敵国・寛国による婚姻の提案…その実、人質交換の要求だった。 寛の内情を探る良い機会と考えた詩雪は、周囲の反対を押し切って凶獣・晶翠に女王代理を頼み、妃に変装して寛の王宮に乗り込むことに。 寛容さを謳いながらも周囲を威圧し、他国にも積極的に侵攻する王・虎静。 その弟で詩雪の世話係に任命され、柔らかな雰囲気と美貌で周囲を魅了する雲慶。 自らの仙力である「質問に嘘偽りなく答えさせる力」を使い、晶翠とも連携を取りながら、詩雪は彼らの懐に入り込んでゆく。 やがて寛に隠された信じがたい秘密を知ることにーー!? 最強女王による痛快中華後宮ファンタジー、待望の第2弾! ■著者プロフィール 唐澤和希(からさわ・かずき) 群馬県出身、東京都在住。2016年、『転生少女の履歴書』(ヒーロー文庫)で書籍化デビュー。他の著作に「後宮茶妃伝」シリーズ(富士見L文庫)、「五神山物語」シリーズ(スターツ出版文庫)など。
アランを追ってベイメール王国にやってきたリョウは無事にアランと再会。晴れて恋人同士となった二人は気の向くままにベイメール王国を旅することになった。旅の途中で弱々しい老人だけの山賊に遭遇する。事情を聞くと、どうやら横暴な領主に働き手をとられて畑も耕せず、生活に窮しているということだった。話を聞いたリョウはその農村に手を貸すことに決めて、アランと移住することにした。リョウはとある秘策で村の食料事情を改善し、村人達からは『お嬢』と言われて慕われるようになった。しかし、領主から若者を取り返さない限り村に村未来はない。行く末を心配していると……。
欺瞞を引き起こす凶獣・窮奇を封印した仙人の子孫にして王女の詩雪は、誠国王族に伝わる「嘘を聞き分ける力」を持たず生まれ、周囲から蔑まれつつも、強かに生きてきた。 ある日、欲深い第一妃・呂芙蓉が国の実権を握らんと王を暗殺。息子・忠賢を新王に立て、自らの傀儡とする。城を追われた詩雪は、何故か溺愛してくる謎の美青年・晶翠に助けられ身を潜めていたが、新統治に苦しむ市井の人々を間近に見て心を痛めていた。加えて、幼い頃に仲の良かった忠賢の様子も気がかりに思っていたところ、後宮で宮女を募集しているとの噂を聞きつけて……? 嘘と偽りを武器にこの国を取り戻す! 無才の王女が立ち上がる、中華後宮ファンタジー! ■著者プロフィール 唐澤和希(からさわ・かずき) 群馬県出身、東京都在住。2016年、『転生少女の履歴書』(ヒーロー文庫)で書籍化デビュー。他の著作に「後宮茶妃伝」シリーズ(富士見L文庫)、「五神山物語」シリーズ(スターツ出版文庫)など。
青国の茶道楽妃・采夏の機転により皇帝・黒瑛への帝位簒奪計画を未然に防ぎ、後宮が落ち着いたころ。新たな妃が二名入内した。絶世の美妃・秋麗と男装の麗人・冬梅だ。出会い頭から折り合いの悪い二人に頭を抱える黒瑛だったが、采夏は茶飲み仲間が増えたと喜ぶ。そんな折、青国に西方の大使が来訪する。お茶でもてなそうとする采夏だが、希望されたのは今は存在しない“幻の白茶”で…!?さらに、水害が采夏のせいと噂されたり、新たな妃が原因で黒瑛とすれ違ったり。采夏は数々の困難をお茶の力で乗り越えられるのか!?
王国軍対反乱軍の戦争が始まった。何とかして戦争を止めたいリョウの前に、隷属魔法にかかっていると思い込んでいる王国最強の魔法使いヘンリー王弟が現れる。ヘンリーは、反乱軍の独立を許す代わりに、リョウと自分との婚姻を提案してくるのだが…。婚姻を了承すれば、穏便に戦争が終わるという。戦争が望まない結婚か…リョウは複雑な思いを抱えながらも、その提案をのもうとした時、アランがやってくる。アランは、それはどちらのためにもならないと訴えた。結果、リョウが選んだ道は…!?
うっかり青国の妃となった、茶を愛す茶道楽娘・采夏。仕事に没頭する皇帝・黒瑛を心配し、部屋へ向かうと、手つかずの茶が目に入る。そこで采夏は息抜きにと、幼馴染みから教わったバター茶と、さらに三種の茶を飲む三道茶を淹れた。飲む度に悲喜交々思い出す三道茶の作法で茶を啜り「二人の出会い」を偲ぶ黒瑛に、采夏は思わず顔を赤らめる。そんなある日、新たな妃・燕春の入内がなされ、そこに一人の青年も同行していた。バター茶の匂いに誘われた彼は、迷い込んだ宮廷で采夏と出逢ってしまいー?
リョウは隷属魔法の呪文を知るため、アランとカイン、そして記憶を失った様子のヘンリーとともに兄・ジロウに会うために神縄を訪ねた。ただ、ジロウはガリガリ村で暮らしていた頃とは雰囲気が変わってしまっていた。彼は「六十四番目」と名乗り、実際に見てきたかのように数千年前の過去について語り始める。前王朝よりも前の時代では、魔法使いと非魔法使いの関係性が現在のとは異なっていることを知らされる。だが、求めていた隷属魔法の呪文について知ることができなかった。そして神縄の外へと出たリョウ達だったが、縄の外に出た瞬間、空気が変わったのを感じた。あたりを見渡すと…!?
茶道楽と呼ばれるほどお茶に目がない娘・采夏。自作の茶葉が皇帝献上品になるのを夢み、茶選定の列に並んだはずがーそこは后妃受付。“引きこもり帝”と評判の皇帝の元へ入内となってしまった。采夏が項垂れていると何かが香る宦官が通りかかる。(この人は茶葉を隠し持っている!)それは皇帝献上茶であり、彼こそ皇帝・黒瑛。実に美味しそうにお茶を飲む皇帝の姿に惚れ惚れした采夏はお茶への情熱から、思い掛けず皇帝へ助言をすることになり…!?お茶の知識と茶飲みの才能(?)。利害一致の二人が後宮の闇に挑む!
ヘンリの婚約者となったリョウ。各地への挨拶回りの道中、何者かから命を狙われてしまう。黒幕を推測して落ち込んでしまうが、元気を取り戻す出来事も。また、リョウのためにヘンリーが護衛を呼んでいて、その中には懐かしい顔ぶれがあって、リョウもほっとする。しかし、様子のおかしいヘンリーや、カインとの関係もギクシャクするなど、新たな火種がリョウを悩ませることになるのだがー。
暴動を起こしかけたウ・ヨーリ教徒を見た王家は、リョウの影響力を利用するために、ヘンリー王子の婚約者となるように命令した。魔法使い以外の人間を人間とも思わないゲス王子との婚約に不安を抱いたリョウだったが、家畜扱いが逆に幸いして貞操の危機を脱することに。そしてリョウは、婚約者としての立場を使って、たくましく活動し始める。国政に口が出せるように評議会入りを目指すのだが、非魔法使いの立場は微妙なもので、もどかしい日々を送る。そんな中、とうとうヘンリーとの婚約式の日が訪れる。美しいドレスで着飾り民衆の前に立つと、集まった人々は歓喜の声をあげて大騒ぎ。その様子を見て、やはり家畜だと見下すヘンリーに、彼らも同じ人間なのだと諭すのだがー。
リョウたちは学園を卒業し、長かった学生生活も遂に終わりを迎えることになった。学園で知り合った人たちとの別れを惜しみつつ、領地に戻ったり、騎士になったりと、それぞれが新たな道を歩みだしていった。リョウは白カラス商会の活動に本格的に力を入れていくのだが、ある日、盗賊団に荷物が奪われてしまったと報告が入る。聞けば近頃、生活用品を載せた荷馬車が多く被害に遭っているようで、盗賊団の退治に乗り出すことになった。アジトに辿り着いたリョウたちは、リーダー格の男一人を捕まえることで穏便に済まそうと交渉していると、血相を変えた男がアジトに戻ってきた。その男は間違って魔法使いが乗った馬車を襲ってしまったと言うのだがー。
結界の崩壊後、なかなかグエンナーシス領から戻ってこなかったカテリーナが王都に帰還し、リョウたちは再会を喜んだ。しかし、周囲には常に護衛がつきまとうようになり、どこか思いつめた様子のカテリーナ。グエンナーシス領には、先の災害の際に活躍し、英雄視されているアレクサンダーという男がいるのだという。アレクサンダーこそ、リョウが山賊時代に世話になっていた親分。魔法使い至上主義を嫌っていた親分が、この機会に国から離反しようとしているのではないかと推測し、リョウはカテリーナとグエンナーシス伯爵の動向を探るのだがー。
結界の崩壊で王国全土が混乱に陥っていた。だが、ルビーフォルン領では、今まで行っていた領地政策やタゴサクが広めていたウ・ヨーリの教えが浸透していたことで、魔物の被害を最小限に抑えることができていた。ルビーフォルン領内の混乱が落ち着いてきたのを見計らって、アレクから託された『神殺しの剣』を持ってバッシュのもとに戻ることにしたリョウ。魔物の対策としてマッチが有効であると実感したリョウは、改めて白カラス商会を使って他領地にマッチを送り届ける手配を進める。白カラス商会の人員を増やし、道を整え、マッチ等の配給が他領地にも行きわたり王国を揺るがす魔物の災害が落ち着き始めた頃、王都からとある商人がやってくるー。
王国全土で結界が破られたことで、リョウや学園の生徒たちはそれぞれの領地を守るために学園から旅立つ。その道中で魔物に襲われ、治癒魔法が使えるリョウは捨て身の攻撃で魔物を撃退していく。しかし、魔物が出るたびに無茶な戦い方をするリョウに、コウキは疑問を覚える。何か隠し事があるのではないかとリョウに問うコウキ。王家が隠しているかもしれない魔法の秘密を知ってしまったリョウ。そのことで押しつぶされそうになっていた心の内を、リョウはコウキに打ち明けるのだった。
リョウが学園に入学して、早くも4年が過ぎた。友人も多くでき、商人としても成功しつつ、順風満帆な日々。ある日、大雨の影響で、魔物から国を守っていた結界が壊されてしまう。結界から出てきた魔物達が、リョウ達が過ごす学園を襲う。避難場所である講堂へ向かい、他の生徒や先生と合流すると、シャルロットがいないことに気づく。リョウ、アラン、リッツ、カテリーナ、サロメの5人は、シャルロットを救うために魔物がいる講堂の外へ出ることを決意するのだがー。
リョウは王立学校に入学して2年目を迎えていた。魔法使いではない生徒にも魔法に関する書物を閲覧する権利を求めて、デモ活動に力を入れるリョウ。ドッジボールを広め、社交場を作ることで、様々な生徒から署名を得ていた。だが、学園で最も権力のある生徒、ヘンリー王弟と思わぬところで遭遇したことで、魔法使いや王族に対して複雑な思いを抱くようになる。また、嘆願書を通すために、自分の立場向上をはかるリョウは、商人としての名声を得るため活動を始める。しかし、ある日、腐死精霊使いでもあるシャルロットの魔法を見て、とある物の作成を思いつく。