著者 : 団竜彦
夏生と花梨、しして伝説の聖霊王大地は、聖世界紅蓮城でジャドを倒した。が、ついに恐るべき聖世界の支配者聖魔王ア=ズが姿をみせる。このピンチに妖精族の長老サウルは命とひきかえに夏生たちを紅蓮城から脱出させた。しかしア=ズは大地の生母真里亜の魂を捕らえ夏生たちをおびきだす。一方渋沢は聖霊王の力の秘密を知るため辺境へ旅立った。聖世界の未来をかけた決戦が今はじまる。
大地こそは、聖王子デインの生まれかわり。また聖世界と人間界との運命を握る伝説の聖霊王なのだと、妖精ファルルは語った。花梨と夏生はその言葉に歓喜したが、大地を狙う魔族たちの攻撃も悪辣さをきわめていた。世界に戦争をしかけ、大地の引き渡しを求める中東の幼き王アクラム。その正体も、桁外れのパワーを持つ双頭の魔族。異形の怪物が今、大地たちの前に立ちはだかっていた。
夏生と花梨が育てる大地は救世主なのか?それとも悪魔の子?深まる謎をよそに千年王国教団と悪魔主義者たちとの争いは激しさを増した。その混乱の中アッシド王国の国王アクラムが中東で戦争を始め、それに呼応して日本でもアクラム教が千年王国教団を壊滅させた。彼らの魔手は夏生たちにも迫る。それを救ってくれたのが妖精ファルル。しかも、彼女は大地の驚くべき秘密を知っていた-。
高校生の花梨と夏生はひょんなことから大地という超能力を持つ赤ん坊を育てるはめになった。しかも大地は、キリストの再来である救世主、はたまた悪魔崇拝者が待ち望むアンチ・キリストのどちらかである可能性が高いという。同時に、千年王国教団や蝿の下僕といった怪しげな宗教集団と花梨たちの戦いが始まった。そんな或る日、大地の前に、悪魔主義者の大物と噂される渋沢幻児が現れた。人気ホラー・コメディ。
夏生は同じバスケ部員で女子の憧れの的の京弥から、同クラスの花梨へラブレターを渡してくれと頼まれた。夏生は彼女を意識したことはなく、京弥の気持ちは意外だった。そして、その手紙を渡そうとして彼女と公園の遊歩道を歩いていた時、赤ちゃんを乗せたベビーカーを押している男に出会った。すると突然、男がのどを押さえて苦しみだし、手を離れたベビーカーは坂を転がり落ちて行った。
幽霊探偵奈々と情報屋ミコの2人は、高校の合格祝いにスキーをしにきた。ところが、そのスキー場には若い男性を誘惑して凍死させるという伝説があって、実際に犠牲者が出ているのだが、表向きは遭難として処理されていた。イモコンパワーの持ち主勇一も、姿を消して奈々を陰で見守っている。そんな勇一をおびえさせたものがあった。幽霊かそのたぐい-森の中からぞっとする冷気が……