著者 : 国道12号
「怖いのは人間をやめようとしている、世界のすべてを敵に回してでも“突破”しようとする者だけ。もしもこれがそうなら、私たちでは歯がたたないーー」 葛城貴士は、蛇口をひねるようにして、他人の血液を弄ぶ。世界一有名なバンドの歌になぞらえて『プリーズ・ブリード・ユー』と名付けたその能力を駆使し、幼なじみの七ノ輪ほのかを“不敗のカリスマ”と呼ばれる売れっ子タレントへと仕立てあげていた彼だったが、そんなほのかの出来すぎた快進撃が世界の裏側に潜む“とある組織”の調査対象となってしまうーー。上遠野ミステリーの傑作<しずるさんシリーズ>入門編となる、熱く苛烈な恋の物語。「しずるさん」はここからはじまった!
よーちゃん、人は死ぬものよ。それはたとえ、どんなに綺麗なお姫様であっても例外ではない。 「人はなぜ物語を必要とするのかしら?」「え?」「それはきっと、現実の世界というものがあまりにも意にそぐわないものだから、でしょうねーー」 今回、“深窓)の美少女”しずるさんと好奇心旺盛な“わけありお嬢様”よーちゃんが挑むのは、4人の“お姫様”たちの悲劇。白雪姫は雪に舞い、人魚姫は海に伏し、眠り姫は頭を砕かれ、赫夜(かぐや)姫は竹刺しにされる……。これは、美しくも悲しい、みっつ目の事件簿。新装版にして完全版、星海社文庫版しずるさんシリーズ第3弾!
人が世界に謎を求めるとき、そこには必ず“ごまかし”があるわーー 「ねえしずるさん、密室ってなんなのかしら?」「そうね、よーちゃん、それはきっと、どんなものでもごまかせると思い込んだ人間の、つまらない錯覚なんでしょうねーー」 今回、“深窓の美少女”しずるさんと好奇心旺盛な“わけありお嬢様”よーちゃんが挑むのは、複雑怪奇な密室事件。吸血植物、家族にまつわるゲームの呪い、ドッペルゲンガー、凍結した鳥人……これは、深淵から覗くふたつ目の事件簿。新装版にして完全版、星海社文庫版しずるさんシリーズ第2弾!