著者 : 夢枕獏
ルシフェル教団が指定した人質の交換場所へ下見に訪れた真壁雲斎。その時、近くでごくわずかな気配が!!瞬間、みごとなまでに気配を絶った相手、それは宇名月典善であった。「一度だけ仕掛ける」-典善は“本気の遊び”に雲斎を誘う。一方、教団アジトから脱出を図る菊地良二の前に、フリードリッヒ・ボックが現われる。菊地の身体のなかで何かが激しく音をたてて回り始めた…。絢爛たる伝奇大河小説、『魔宮変』に突入!
大鳳吼は九十九三蔵の協力を得て、綾部深雪を拉致したルシフェル教団がアジトとする幻獣城に潜入し、“番犬”と化した菊地良二に遭遇。一方、九十九を追ってきた龍王院弘は、森で宿敵フリードリッヒ・ボックに再会、血肉の死闘を繰り広げる。さらに舞台は遠く吐蕃へ。死を予感した師バグワンがテンジン・ツォギェル少年に語ったのは、キマイラの秘密とともに封印された外法絵にまつわる物語だったー。待望の「望郷変」ついに刊行。
中学生の九十九三蔵は、円空寺で、真壁雲斎を訪ねてきた久鬼麗一と初めて出会った。その後、西城学園の入学式で再会した二人の間には、次第に友情が芽生えていく。その頃、西城学園は、「もののかい」という空手部と関係があるらしいグループによって支配されていた。一年生の夏休み、箱根の別荘で過ごしていた久鬼と九十九は、同じ場所で行われていた空手部の常軌を逸した合宿を目撃するが…。待望の新作第12巻!
大鳳吼と久鬼麗一のキマイラ化を抑えるべく奔走する真壁雲斎。亜室健之から聞いた恐るべき秘密を九十九三蔵に語り始める。一方、スチュワート・ボックに拉致された織部深雪を助けるべく単身戦いを挑んだ菊地良二は、ボックの仲間と思われる久鬼にそっくりな謎の少年と対峙するが…。キマイラをめぐる血ぬられた歴史と伝説が明らかになる、奇想天外の第11巻!