著者 : 大澤めぐみ
数百年続いた「帝国」と「王国」の戦争。泥沼の戦いを終わらせたのは、「愛」を説く新たな教えだった。愛は世界を救い、誰もが虐げられることなく、奪われる心配のない、安心して幸せに暮らせる世界が実現した。しかし、その完全なる調和を脅かす『災厄の魔女』アンナ=マリアが現れてー「“善き人”は全て殺す。わたしは、わたしの世界を取り戻す」これは、世界最強で無敵で冷酷で残虐でありえないほど綺麗な僕の姉さんと、僕が、たったふたりで世界を敵に回して戦う、向こう見ずな物語だ。
やりたいことが見つからず、漠然と都会を夢見る優等生の香衣。サッカー部のエースで香衣の彼氏のはずの隆生。香衣に一目惚れする学内唯一の不良・龍輝。ある秘密を隠すため、香衣の親友を演じるセリカ。4人が互いに抱く、劣等感。憧れ。恋心。後悔。あの駅で思いはすれ違い、一度きりの高校生活はとどまることなく進んでいく。「どうしてすべて手遅れになってからでないと、一番大事なことも言えないんだろう」これは、交錯する別れの物語。
「あ、目が覚めたんだ」見知らぬ天井。咽せるような血の臭い。「こんな場所で何してたの?」思い出せない。ここはどこだ。なぜわたしは倒れている。「とにかく気を付けなよ、人食いマンに」巷で噂の美少女専門の連続殺人鬼?「攫われて殺されてバラバラにされて食べられちゃうんだよー」そうだ、わたしはそいつを必ず見つけてー「この手で殺さないといけないんだった」サワメグとアズの出会いを語る『おにぎりスタッバー』前日譚。
中萱梓。愛称アズ。見た目も成績も地味なのに「なんか援交だか売春だかをやっているらしい」という噂によって、クラス全員に避けられている。彼女があの時男を連れ込んで、俺が台所にいて、まあいわゆる修羅場になったせいで、魔法少女やらおにぎりやらが出てくる奇怪な事件が始まったんだが、そんなのは些細な話だ。俺が誰かも気にしなくていい。だけどどうか彼女の話を聞いてやってくれ。世界を巻き込む危険で切実な恋愛小説、登場。