著者 : 天沢夏月
「久しぶり」そう言って、高校生のときに交通事故で死んだはずのクラスメイトがなぜか今目の前に立って笑っている。俺がずっと片思いしていた彼女。今でも鮮明に思い出せる、一緒にすごした日々のこと。ようやく最近、君の死を受け入れたばかりなのに。「やり残したことがあるの。それに付き合ってほしい」そして、また消えてしまう君と過ごす、たった数日の同棲生活がはじまった。-苦くて切ない初恋の続きに、きっと貴方は涙する。
人付き合いを避け生きてきた高校生の内村秀は、ある日クラスメイトの飯山直佳が落としたUSBメモリを拾う。その中身、「遺書」を見てしまったことから、奇妙な交流は始まった。やがて秀は直佳が進行性の記憶障害を患い、自殺を願っていることを知り……。 「君が死ぬときは、僕も死ぬ。それが嫌なら君は生き続けろ」 「……内村くん、すごく馬鹿なこと言ってる自覚は?」 約束に隠された本当の想いを知った時、きっと最初からページをめくりたくなる。切なく美しい物語。
油野池鈴子、31歳。ちなみに処女。現在3クール目に突入した人気特撮シリーズ「ワンワン戦隊犬ファイブ」にどハマリ中。しかし、お気に入りのレッドに似た職場の同僚・岡島のことが気になるようになってー?(「犬っぽくなかったです」宮木あや子)気心の知れた幼馴染み、隣の席のクラスメイト、職場の上司、マンネリ気味の恋人、長年連れ添った夫婦ー。いろんな「恋」を集めました。人気作家の書き下ろしも収録した、頁をめくるごとに「好き」が溢れる20人の恋物語。
2年の冬、腕に大怪我を負った駆。練習から遠ざかり心は沈み、一度は退部を考えながらも、テニスがしたいという想いだけは消えなかった。 やっぱりテニスがしたい。あの夏のコートで、もう一度ボールを打ちたい、と。 そしてエースである琢磨は、自らのテニスを研ぎ澄ませながら、駆の復帰を信じていた。 出逢った頃は犬猿の仲。何度も喧嘩して、ぶつかりあってきた。だけどいつの間にか、欠かせない相棒になっていた。高校三年間を共に駆け抜けてきた駆と琢磨。悲願である都立戦優勝を目指し、二人の最後の夏が始まる!
先輩たちにとっての引退試合となる都立戦。そこでの重い敗北を引きずったまま、夏は終わっていく。そして季節は秋、悔しさを抱えてがむしゃらに練習に挑む駆と琢磨だったが、部内にはどこか険悪な空気が漂い……?
並木道の奥にある小さな広場では、未来や過去の自分に逢えるらしいー。その日、九歳の葉子の前に現れたのは、恋人と婚約したばかりだという将来の自分自身で…。母親との衝突、繰り返す転校、上手くいかない就活、そして不安が押し寄せる結婚。いつも悩んで涙をこぼしてばかり。だけど、そうしてめぐっていく時間の先に、「私」は幸せを手に入れたのだろうか?それぞれの時代、五月の憂鬱な一日。過去と未来が入り交じるこの特別な場所で、私はいつかの私と向かい合う。
本当に好きだった。こんなにも人を好きになることは、この先一生ないだろうとさえ思った。言葉や仕草の一つ一つ、ちょっとした表情の変化、笑い声、髪から香る石鹸のにおい……思い出すと息が苦しくなる。まるで肺の中に、炭酸でも入っているみたいに。 --透子。 高校二年の夏。心臓の病が原因でなくなった彼女のことを、未だ引きずっていた成吾。 あれから四年。交換日記の空白に綴られていく新しい返事。それは見間違えようもなく、透子の文字だった。
入部当初は何をやっても噛み合わなかった凸凹コンビ・駆と琢磨も、今では信頼し合えるダブルスのパートナーに。 そして季節は春。二年生となり、先輩としてテニス部を引っ張る立場となった二人。 次期部長候補に任命されて燃える駆だったが、今年の新入部員は一癖も二癖もある問題児ばかりで課題は山積み。 一方、琢磨は弱点を克服するためのメニューをこなしていくうちに、致命的なスランプに陥ってしまう。しかもその不調は、どうも駆の存在が原因らしく……。
「タイムカプセル」によって繋がる迷える高校生6人の青春物語。 十年前に埋めたタイムカプセル。忘れていたのは、離ればなれになるなんて想像もしていなかった時に交わした将来の約束。そして一つの後悔。今更思い出しても取り戻しのつかない、幼い頃の恋心。 嫌いじゃないけどドキドキしない、そんな曖昧な恋愛関係に悩む千尋。部活から逃げ出した元サッカー少年の冬弥。定時制高校に通う不良少年の優。慣れないギャル生活で息苦しい美夏。家から出たくない引きこもりの時子。そして小学校の頃に喧嘩別れした少女を、今も想い続けている耀。 十年前に記した「今の自分」への手紙が、彼らの運命を少しずつ変えていく。
凸凹コンビのダブルスまさかのペア解散命令!? 青春部活ストーリー第二弾! 性格もプレースタイルも真逆で、何から何までお互いのことが気に食わない。そんな喧嘩ばかりの二人・曲野琢磨と進藤駆のダブルスも、都立戦を経てお互いに信頼関係を築き、徐々に成長していった。 だがある日、再び二人に理不尽な部長命令が下るーー。 「新人戦のダブルスは、曲野・新海でいく。進藤はシングルスに集中しろ」 まさかのペア解散宣言に動揺する二人。そして相棒を取られて納得がいかない駆は、琢磨とのペアをかけて転校生・新海涼と衝突してしまい……。 高校テニス部凸凹コンビの絆と成長を描く、青春部活ストーリー、第二弾!
友達の死から始まった苦い夏休み。僕らは、幽霊に導かれて旅に出た。 その夏、恵太が死んだ。 幼いころからずっと恵太と一緒に育った美穂と、仲良しグループだった大輝、舜、莉乃たちは、ショックから立ち直れないまま呆然とした夏休みを送っていた。 そんなある日、美穂たちの前に現れたのは、死んだ恵太に瓜二つの少年、ケイ。 「君たちに頼みがある。僕が死んだ場所まで来てほしい」 戸惑いながらも、美穂たちは恵太の足跡を辿る旅に出る。 旅の中でそれぞれが吐き出す恵太への秘めた想い。嘘。嫉妬。後悔。恋心。そして旅の終わりに待つ、意外な結末とはーー。 隠された想いを巡る、青春ミステリ。
「--もっと、オレを頼れよ」 テニスに青春をかける、二人の夏が始まる。 天才であるが故に誰とも協調することができない孤高のプレイヤー・琢磨。 練習熱心だが、とあるトラウマから他人を信用することができなくなった駆。 高校の名門テニス部で出会った二人は、入部当日から衝突してばかり。プレースタイルも真逆で、初めてコートで向かい合ったときからお互いのことが気に食わない。 だけどある日突然、「お前ら、ダブルス組んでみない?」と理不尽な部長命令が下りーー。 喧嘩ばかりの凸凹コンビが、練習と敗北を重ねる中で徐々に成長し、絆を深めていく熱血部活テニス物語! 少年たちの、熱い夏が始まる。
学校で話題になった一つの噂。「そのサイトに空メール送ると、友達の“本音”を教えてくれるんだって」秀才の大地、お調子者の学、そしてさばさば女子の翼は、帰宅部3人組。自然と集まってダラダラ時間を過ごす、心地良い距離感の友達だった。だけど、夏祭りの夜ー。ふざけて登録した例のサイトから、一通のメールが届く。それは、翼の恋の本音ー。その気持ちを知った時から、彼らの距離は変わっていく。苦くて切なくてあったかい、高校生達の青春物語。
「なぎなたをやってみませんか?」自分に自信がない翔、翔の幼馴染みでグレ気味な孝二、女子に夢中なお調子者の泰誠、寡黙でストイックな拓弥。屋上で青春を無駄遣いする元剣道部の4人組は、新任教師の草薙から男子なぎなた部の創設を持ちかけられる。競技人口のほとんどが女子のなぎなた。初めは入部を渋る4人だが、打ち込む物が欲しい、好きな子に良く思われたい、強くなりたい。それぞれの理由を胸に入部を決める。男子高生達の爽快部活物語。
元吹奏楽部で現帰宅部の亜希は、担任の平野から、ある生徒達に吹奏楽を教えてほしいと頼まれる。学校のいらないモノが吹き溜まる旧講堂で亜希を待ち受けていたのは、学内で札付きのヤンキー少年達。怖じ気づく亜希だったが、下手ながらも音楽を楽しむ彼らの熱意に打たれ、共に文化祭を目指すことを決意する。しかし、吹き溜まりで最も有名な不良少年・夏目に、ヤンキーの音楽なんて誰も聞かないと言われてしまいー?ヤンキー少年と女子高生が奏でる奇蹟の青春ストーリー。
竹刀を握れない天才剣士・天智の運命を変えたのは、一人の少女だった。強引でがさつ、だけど向日葵のような同級生・里佳に巻きこまれ、天智は槍道部に入部する。剣を置いた少年は今、槍を手にし、夏の風を感じる。