著者 : 安澄加奈
「悩みが解決する」という噂の オーダーメイドストーリー * * * * * 「店主に話を書いてもらうと、悩みが解決するらしい」という噂を聞き、東京下町のこんぺいとう商店街にある「水沢文具店」を訪れた楓。頼みたいのは、部屋に閉じこもってしまった弟のための物語──。ほかにも次々と店主・龍臣の書く物語を求める人が店を訪れる。一方、商店街の秋祭りで出し物をすることになった龍臣は、栞に協力してもらい、紙芝居を作成することに。想いを伝えあった二人の関係が、ゆっくりと変化していく『水沢文具店』続編。 灯りともす野帳──蓮 万華鏡クレヨン──絵茉 ヒーローの消しゴム──貴哉 名前のない色インク──詠司 オリジナル物語帳──栞と龍臣 あとがき illustration pon-marsh
明日町こんぺいとう商店街にある小さな文房具店「水沢文具店」の入り口には、「ペンとノートをお買い上げの方、ご要望があれば話を書きます。オーダーメイドストーリー」という張り紙がはってある。店主が自分のためだけに書いてくれる物語を読むと、悩みが解決するという噂があってー。仕事に悩む小学校教師の栞が店を訪れると、無愛想でどこか謎めいた店主の青年・龍臣が迎えた。想いが込められた文房具が織りなす、前に一歩進む力をくれるハートフル・ストーリー。
京都に修学旅行に来ていた高校生・夕鷹は、博物館で古い剣を目にした直後、気が付くと炎があがる知らない土地にいた。襲われかけたところを助けてくれた男は、源九郎義経と名乗る。夕鷹は、ほかにも同じ境遇の高校生、華月、遠矢と出会い、三人は元の世界に戻るために、平家と戦う義経について、神器の剣を探す。「平家物語」の時代に飛び込んだ高校生たちの焦操や葛藤、恋と別離。圧倒的な力で胸を打つ長編時代青春小説。三人のその後を描いた書下ろし掌編を収録!