著者 : 小木君人
ついに旅の目的地である旧魔導帝国へと足を踏み入れたネロとアーシェ。皇都跡地を目指して歩き続ける二人は、水と食料が尽きるころ、中継地点となる“小さな古城”にたどり着く。そこには圧政に耐えかね国を追われた人々が寄り添うように暮らしていた…。一方、“真実の書”を奪った魔女“ギルダ”を追うモーガンは、300年前にも同じ名の魔女が存在していたことを知る。さらなる手がかりを求め、モーガンもまた旧魔導帝国の地へと向かう。そして、皇都跡地ではひとリの魔女が、“その時”が訪れるのを静かに待ち続けていた…。
亡くした大切な人を生き返らせるため、旧ガルディア魔導帝国の皇都跡地を目指すネロとーアーシェ。“重罪人の息子”と“魔女の娘”として、国から追われる身である二人は、人目を忍ぶ旅を続ける。夜は一枚の毛布にくるまって眠り、共に困難を乗り越えることで、二人の絆は深まっていく。旅の途中、人買いに追われる少女カルロッタや、アーシェを魔女だと知りながら求婚する不思議な青年ハンスと出会う。彼らとの出会いを経て、アーシェはこの世界の残酷な側面を知る。外の世界への憧れが色褪せていくなか、アーシェが見つけた希望とは?
鍛冶職人の父親と幼い妹との3人で暮らす少年ネロの平穏な日々は、国王軍の襲撃により唐突に終わりを告げる。妹を連れて森へと逃げ込んだネロは、とある古城へたどり着く。そこで彼は、病の床に伏した魔女と、その娘・アーシェと出会った…。世界に忌み嫌われる魔女と、ネロとの間で交わされた約束。それは死んだ妹を生き返らせてもらうことを交換条件に、魔女の娘を安全な地へと護送すること。魔女に恨みを持つ人々や魔獣、さらには魔女を捕まえようとする軍隊までも敵に回し、少年は魔女の娘と、寄る辺なき危険な旅に出る。
剣と魔法が大きな力として存在する世界。クレヲは絵を描くことだけを生きがいに孤独な日々を過ごしていた。だが、名家に生まれた彼は、跡継ぎになるための試練の旅に出なければならなくなる。禁断の森へ踏み込み、そこで半人半植物の魔獣の少女と出逢う。あっけなく捕まったクレヲは、なんとか気を惹いて助けてもらうが、代わりにペット同然に拘束されてしまった。こうして始まった奇妙な共同生活だったが、クレヲはいつしか安らぎを覚えていく。しかし平穏な日々は長く続かなかった…。人と魔獣の恋を描いた心温まる異色ファンタジー。
僕は死んだ。何もいいことがない、17年の人生だった。…でもマキエルと名乗るいきものが言うには、もういちど10歳からやり直し“奇跡の欠片”をあつめれば次は死なずにすむらしい。北欧から転校してきた明るいソフィア、絵がうまいとも実、甘えさせてくれる隣のお姉さん弥宵ー奇跡の欠片がなんなのかマキエルは教えてくれなかったけど、僕はまえはぜんぜんできなかった、身近な女の子たちとのふれあいをたいせつに生きよう、こんどは悔いを残さないために、と思った。だけど…。第3回ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作。