著者 : 小林一星
迷宮落としの魔女vs.怪奇現象 探偵は真実を求め、魔女は神秘を求める。そして時に、人には解かれたくない謎があり、秘密にしておきたい真実がある。忘れる事などできやしない。神秘的で、ミステリアスな一人の魔女に、この日ーー僕は、出会った。 亡き姉・飛鳥の残した「時を超える」現象を巻き起こす魔導書『シュレディンガーの猫探し』。 その行方と手がかりを探すため、「迷宮落としの魔女」焔螺と、その助手(使い魔?)の令和は、級友・芥川の故郷である猫又村を訪れる。 しかしそこには、数多の妖怪伝承と不思議な能力を持つ巫女が待ち受けているのだった。 閉鎖的な村の風習と、謎多き伝承の数々。「出歩いてはならない」と警告される「赤き月の夜」に起こる事件とは? 「謎とは、真実を隠したいという誰かの『想い』だ。良くも悪くも、人の心が生み出したヴェールなんだ」 村の秘密のヴェールが剥がされるとき、明らかになる「約束」と「物語」。 第14回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞受賞作、シリーズ第3弾!
「呪い」と「願い」。過去からの予告状 「”呪い”とは。”人”だよ令和くん」 焔螺さんーー「迷宮落としの魔女」はそう言った。 飛鳥姉さんの死の真相を、弥生に伝えるべきか悩む令和。そして、飛鳥の死後起こるようになった弥生の未来視&過去視じみた現象「やよいトリップ」--。 折しも東高の文化祭「七夕祭」の直前、空から光と共に予告状が届く。その予告状は暗号文でできていて、予告状の差出人は「東高五十面相」。 それは、死んだ飛鳥姉さんが過去に起こした、「ある事件」を模倣したものだった。 「呪い」は過去ではなく、「現在」の人が起こすものーー。 事件を「迷宮」に落とす「迷宮落としの魔女」とその助手・令和は模倣事件を迷宮入りにすることで、「やよいトリップ」の解決を目指すが……。 探偵と魔女の知恵比べ、第2弾!
探偵嫌いの僕と迷宮落としの魔女 妹にまつわる不思議な現象、「やよいトリップ」。未来視とも思えるその力が原因で巻き込まれたとある事件をきっかけに、訪れた洋館。 洋館の表札には『探偵事務所 ラビリンス』。 そして、古めいた書架に囲まれるように彼女はいたーー。 魔女のような帽子に黒い服。書架に囲まれた空間そのものが一つの芸術作品のように美しい佇まい。 「解かれない謎は神秘と呼ばれる。謎は謎のままーーシュレディンガーの密室さ」 彼女ーー焔螺は、世界を神秘で埋め尽くしたいのだと言った。 「私は決して『探偵』なんかじゃない。神秘を解き明かすなんて無粋な真似はしないよ」 探偵じゃないなら、いったい何なんだ。 問えばふたたび、用意していたように即答だった。 「魔女さ」 まったく、時代錯誤も甚だしいと嘆かずにはいられない。 神秘的で、ミステリアスな一人の魔女に、この日ーー僕は出会った。 第14回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞受賞。 ゲスト審査員・若木民喜氏絶賛の新感覚「迷宮落とし」謎解き(?)開幕! 【編集担当からのおすすめ情報】 第14回小学館ライトノベル大賞・審査員特別賞受賞作。ゲスト審査員・若木民喜氏(『神のみぞ知るセカイ』『キング・オブ・アイドル』)も「わくわく感が素晴らしい。登場キャラと事件が魅力的で、子供のように楽しみました!」と絶賛した痛快エンターテインメント!