著者 : 岬鷺宮
山間の街に住む高校生・しんの。恋人の相生あかねにフラれた彼はスターになるために上京するはずが…なぜか元居た街のお堂で目を覚まし、そこから出られなくなってしまう。困惑する彼の前に現れたのは、急に大きくなったあかねの妹・あおいだったー。聞けば、しんのが目を覚ました「今」は、あかねにフラれた十三年後。そこには大人になったあかねと、高校生のあおい、さらに…もう一人の自分、上京してミュージシャンになった慎之介がいた。かつての夢をかなえたはず…なのに、うだつが上がらない日々に苦しむ慎之介。やがて彼は、高校生のままのしんのと交錯しー。過去と現在をつなぐ「二度目の初恋」の物語を、慎之介/“しんの”の視点から描く、必読のスピンオフ。
文化祭実行委員なんて、柄じゃない。でも僕らの関係を変えようとする春珂の願い、春珂を想う秋玻の気持ちから委員として動き始めた僕は、かつての僕を知る庄司霧香と出会う。再会なんてしたくなかった。霧香は僕が別れを告げたはずの「過去の自分」を育てた人だから…。華やかな文化祭の裏側で、彼女は僕らの恋に隠れた、何より僕が隠した欺瞞をこそ残酷に暴いていく。もう戻れない僕らの関係。揺さぶられる『僕自身』のあり方。そして、舞台の幕が上がるー。僕と「二重人格」の彼女たちが紡ぐ、三角関係恋物語。
一人の中にいる二人の少女、「秋玻」と「春珂」。二重人格の彼女たちと触れ合ううち、僕は秋玻と恋人に、春珂と親友になった。そんな幸福にどこか浮かれていたある日、僕らは友人の須藤伊津佳から相談を受ける。告白をされたという相談ーその相手は、同じく友人の広尾修司。それを知った僕らは、二人の仲を取り持つために奔走し始め…けれど、そのとき僕は、まだ気づいていなかった。その出来事が僕らの不確かな関係を、秋玻と春珂を大きく、変えることに。-僕と彼女と彼女が紡ぐ、不思議な三角関係恋物語。
人前でどうしても「偽りの自分」を演じてしまう僕。そんな僕が恋に落ちた相手は、どんなときも自分を貫く物静かな転校生、水瀬秋玻だった。けれど、彼女の中にはもう一人ー優しくて、どこか抜けた少女、水瀬春珂がいた。「一人」の中にいる「二人」…多重人格の「秋玻」と「春珂」。僕は春珂が秋玻を演じる学校生活がうまく行くように手を貸す代わりに、秋玻への恋を応援してもらうようになる。そうして始まった僕と「彼女たち」の不思議で歪な三角関係は、けれど僕が彼女たちの秘密を知るにつれて、奇妙にねじれていきー不確かな僕らの距離はどこまでも限りなく、ゼロに近づいていく。これは僕と彼女と彼女が紡ぐ、三角関係恋物語。
陰キャと陽キャの歩く道は交わらないーそれをある意味覆した、陽キャ中の陽キャ、陽乃森さんの変貌事件。それからしばらくして…今度は陰キャ安息の地であるはずの「陰キャ部」に陽キャ化希望の波が到来していた。無理して陽キャになろうとすることは、自分を否定すること…そんなポリシーで協力を拒否した俺に対抗して、陽乃森理瀬は強力すぎる仲間を呼び寄せた!?何やってんだあいつ!変わらないもの、変えたいもの、変わってほしくないもの、それでも変わっていくものー想いが交錯する先にあるものは?やっぱりわかりあえない俺たちの、異文化激突青春ラブコメ!
陰キャと陽キャー俺たちに課せられた、透明な上下関係。お互い理解し合うことはできないし、そばにいても生まれるのは不幸だけ。だから俺は思っていたんだ。陰キャと陽キャは、別々に暮らすべきだと。なんなら、学校やら自治体レベルで、隔離して生きていくべきだと。なのにーそんな俺らが集う通称「陰キャ部」。陰キャだけの安息の地に、彼女はやってきた。陽キャ中の陽キャ、リア充中のリア充、陽乃森さん。しかも、彼女は…「わたしに陰キャを教えてよ!」なんて言いだしーえ、ちょ、本気!?自分が言ってることの意味わかってる!?わかり合えない俺たちの、異文化激突青春ラブコメ!
「納得できるまで、今日をやりなおせたら」-そう思ったことは、ないですか?ピアノコンクールを一週間後に控えた少年・中瀬と、同じく一週間後に告白の返事を待たせている少女・山田。ふたりはある日、同じ一日をループしている自分に気づく。次の日へと進むための条件は「『最善の一日』と思える一日を過ごす」こと。目の前にいるキミの、本当の願いはどこ?わたし達が出逢った理由はー?廻る毎日に二人が見つける「明日に踏み出す方法」はー。
この物語さえあれば、他に何もいらない。この小説『十四歳』と、その中に確かに息づく主人公、トキコがいればー。だが、彼女は俺の前に現れた。灰色の毎日の始まりになるはずだった、新学年のホームルーム。黒板の前に立った彼女こそは、俺が手にした物語の中にいたはずの「トキコ」だった。物語の中にいる「トキコ」と、目の前にいる「柊時子」のあいだで、奇妙に絡まってゆく想い。出会うはずがなかった読者と主人公の物語。その結末に、あるものはー。
全国大会を目指し、県立伊佐美高校吹奏楽部に入部した梶浦康規。真面目な演奏しか取りえがない康規が命じられたのは、天才的な音楽の才能を持ちながら、破滅的な指揮を振り続ける問題児「踊り場姫」藤野楡を、まともな指揮者に生まれ変わらせること。周囲に関心がなく自分の思う指揮を振る楡には取りつく島もなく、演奏は空回りを続けるばかり。どうすれば、彼女と周囲の歯車を噛み合わせ、美しいコンチェルトを奏でることができるのか…。青春の踊り場にいる彼女と僕の、吹奏楽ストーリー。
読めば魔術が使える『魔導書』が普及しはじめた時代。元勇者な美少女担当編集・ルビと今日も魔導書執筆生活を送っていた、新人魔導書作家な俺に、とんでもない事実が突き付けられた。-ついに、世界の終わりが訪れた。いやいやいや、ちょっと待ってくださいよ。確かに最近世界中でやたらモンスターが発生しててヘンだなとは思ってたけど…それ、さすがに急すぎない?しかも、その原因が「魔導書」で、世界を救うことができるのは元勇者な編集と元魔王な大魔導書作家と…え、俺ですか!?ちょっと待って!…ってわけにもいかないか。ただの魔導書作家な俺だけど、君と一緒に世界だって救ってやる!
読めば魔術が使える『魔導書』が普及しはじめた時代。新人魔導書作家の俺、アジロはアクティブすぎる美少女編集者(元勇者)のルビと一緒のダンジョン踏破生活にも慣れ、調子に乗っていた…そんなとき、その悲劇はやってきた。-やばい、新作爆死した!?調子に乗って作った新作魔導書がまさかの大爆死!ど、どうする俺!?というところに、謎の新キャラ登場。ダンジョンめいた家の最奥に住む超大物作家はーなんと、元魔王でした!元勇者×元魔王に挟まれて、俺は…っていうか世界はいったいどうなる!?
雷神魔導書大賞“大賞”受賞!!これで、俺も晴れて魔導書作家になれた!-はずだったのに。アクティブすぎる美少女編集者(※ただし元勇者)のルビに引きずられ、取材と称しては東へ西へダンジョン踏破生活に突入!?不思議系イラストレーターなオーク美女、厳しすぎるエルフ校閲のお姉さんにまで囲まれて、執筆生活はますます大変なことになっていき…俺はただ便利な魔導書を作りたかっただけなのに、なんでこんなことになっちゃったの!?読めば魔術が使える『魔導書』が普及しはじめた時代で、危険で楽しい魔導書作家のお仕事ライフがはじまる!
西荻窪。東京23区内にあるのに、どこかゆるりとした時間の流れるレトロな街。そんな街の片隅に、いまどきちょっと懐かしいラジオ局があった。放送範囲は西荻窪駅から半径数百メートル。担当するのは、夢破れてしまった大学生三人組。それぞれに夢を抱えつつも足踏みしている三人が、何かの拍子に放送を耳にしたリスナーのご相談を解決したりしなかったり、たまには夢を叶えたり。今日もにぎやかに放送中の街角ラジオ、あなたも聴いてみてください。
「號外」“墜落乙女”活キ人形と交戦す。-昨夜深夜。再び「活キ人形」上野に現はれる。帝都民に襲い掛るも、此れを屠る謎の乙女現はる。目撃者談に拠れば高所から墜落せしめ此れを撃退せり。時は大正、帝都・東京。今般、帝都民に悪夢を齎すのは、螺子巻き仕掛けの異形の化物「活キ人形」と、謎の魔術によってそれを悉く凄惨に屠る、異端の少女・墜落乙女ー。彼女を追う少年記者・乱歩が追跡の先に見るのは、誰をも寄せ付けない少女がその裏に隠した真実か、それとも…。血染めの美少女と堕ちる、鏖の暗黒夜話へようこそ。
「恋はいつか終わりますー」千代田百瀬は、その身をもって自らの言葉の意味を知る。危機を乗り越え、絆を深めながら恋の終わりの謎に相対してきた百瀬と九十九。しかし二人にとって決定的な「過去」が明らかになった時、破局は訪れる。-失恋探偵。ひそやかに行われてきた探偵活動、そして二人の恋の道筋に、ついに打たれてしまった終止符。依頼人たちと同じように、それ以上に決定的に失恋してしまった百瀬は、自らの恋の謎の結末に何を見るのかー。第19回電撃小説大賞“電撃文庫MAGAZINE賞”受賞、叶わぬ恋の謎を解く学園青春“失恋”ミステリ、感動の最終巻!
ミステリ研究会の部室を根城に行われる、学校非公認の探偵活動ー失恋探偵。千代田百瀬と野々村九十九は、解散の危機を乗り越え、再び「失恋探偵」として恋に破れた人のために失恋の真実を調べる日々を送ることになった。しかし依頼人たちの失恋に触れるうち、一度は通じ合ったはずの気持ちに思わぬかたちで影が差しはじめて…。「恋は常に、痛みを伴います」「だとしても、俺たちは上手くやれるよ」両思いになった日に交わしたその言葉は、果たされるのかー。第19回電撃小説大賞“電撃文庫MAGAZINE賞”受賞の、叶わぬ恋の謎を紐解く学園青春“失恋”ミステリ、待望の第2弾!