著者 : 川田みちこ
この手をはなさないこの手をはなさない
オレ、恒。あるときオレは、初恋の相手由香子に再会した。素直でひたむきだった由香子。でも、6年の間に、由香子はすっかり変わっちまってた。万引きはするし、ヘンな男と一緒に住んでるし、ものすごく醒めた目をしてるし…由香子、いったい何があったんだ。由香子に、笑顔をとりもどしてやる。オレは固く誓ったのだが…。
ガラスの靴をはかせてあげるガラスの靴をはかせてあげる
『変人!草薙画伯に絵をかかせろ!』これが次男・優に課せられた使命であった。代々悪徳金貸しとして世にはばかる稜泉家。金儲けが趣味の美形の長男・総司が画商からの依頼を受け、優に押しつけた仕事だ。稜泉家にあって唯一良心的な優は借金を返すためとはいえ気のりしない。兄と天才児の弟・薫の助言のもと、とりあえず優は画伯の娘でクソ真面目な女子高生ケイに接近するのだが…。
初恋は魔法で二度する初恋は魔法で二度する
遠い夏の日の思い出。当時、お化け屋敷と噂されていた洋館に、一人の男のコが忍びこみ、女のコにこうささやいた。「君をここから助けてあげる」小さな手を差し出したのは、佑介。その掌に、思わず黄色のクレヨンを渡してしまったのは、なつみ。二人は高校生になって、偶然同級生になった。満員電車が苦手で学校を休みがちななつみを、佑介が迎えにいくことになった。毎朝、遠回りをして…。
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