著者 : 弘松涼
海閻の悪巧みを止めようとしたフィルだったが、僧侶たちは彼が反対したことに憤り、おぞましい真の姿になってフィルを襲った。しかし、地獄と化した煉獄法岩寺に、突如バイオリンの奏でる旋律が響く。そこに現れたのは生き別れとなっていた姉、セリシアだった。フィルは姉と力を合わせて海閻たちに立ち向かっていく。そして、絶体絶命の窮地の中、釣鐘の上にスタイリッシュにスーツを着こなす武器商人、伊藤が現れる。その姿を見たフィルは、アイテムボックスからかつて伊藤に貰った最強の武器ーひのきの棒を取り出すのだった。
ブサメンだけど優秀な営業マンの吉岡しげるは、やってもいない痴漢の容疑で逮捕されてしまう。それ以来、極度の女性恐怖症となり、引きこもり生活を送っていた。ある日、異世界で人生をやり直せる方法を知り、試してみると、なんとRPG風ファンタジー世界に転生していた!異世界では女性に極力関わらないことを決めたしげるは、ルックスをはじめ、女性にモテそうなパラメーターを極限まで下げ、その分すべてを他のステータスに突っ込む。さらにブサメンに磨きがかかり、クラス『絶対神』として最強の力を手に入れた、しげるだが…。
意外な一面を見せたカトリーヌ。あれほど意地悪ばかりしていた少女は、本当はノエルのことを…。だがカトリーヌの人生は、闇の覇王となって君臨する父親によって大きく狂わされていく。この世界で幸せを掴む唯一の方法は悪しかない。そう教え込まれていく。一方ノエルは母親に認められるために試練の旅を始める。彼女が手にするのはひのきの棒。それは攻撃力たった1の、世間でいうところの無いよりマシなガラクタ。されどノエルは、その小さな手にひのきの棒を握りしめ、強大な試練へと挑むのだったー。
ひのきの棒。それは最低最弱な武器の固有名詞である。この物語はそんなひのきの棒をこよなく愛し、これが史上最強の武器であると豪語する武器商人と、彼のもとに集まる迷える冒険者達の愛と感動の秘話である。武器商人の名は伊藤。彼はほんの些細な仕草から相手の本質を見抜く目を持っている。話は一流の戦士を目指す赤毛の少女の視点から始まる。彼女の名はヴァルナ。片田舎の農村で生まれ育った少女ヴァルナは、立派な戦士になることを夢見て、世界最大の交易都市アイゼンハードに旅立つ。だが、少女は夢破れ、路上生活を強いられるほどに落ちぶれてしまう。行き場を失ったヴァルナが向かった先は、伊藤の武器屋だったー。