著者 : 日野鏡子
わたしはこの村でおがむもん様と呼ばれています。千里眼で失せ物を見つけたり、いつに何が起きるという予言をしたり、霊力で怪我人の手当てをしたりしますー。毀釈で廃れた寺に棲む満ちると叔父の高歩は、人ならぬ能力を振りかざすことで、村人たちを精神的に支配している。しかし、それは所詮からくり。満ちるは偽の教祖に過ぎなかった。高歩の危うい魅力の虜となりながらも、周囲を騙し続けることに迷いを抱く彼女だったが…。閉ざされた村で起こる、愛情とトリックに溢れた幻惑劇。
平凡な庶民の出自でありながら、貴族しかなれない風水師に、孤独なイシャウッドはなることができた。それは、“風王”と呼ばれる、この国の王の好意によるものであった。だが、風王は、貴族の陰謀によって夫婦とも殺されてしまう。風王は、イシャウッドに、娘のフィアナを頼む。イシャウッドは、フィアナを助けたものの、超科学を持つ者の手で、背中に翼をつけられてしまう。フィアナを愛するイシャウッドは、すべてのことに耐え、フィアナを救おうとするのだが…。愛と陰謀が渦を巻き、闇の戦いが繰り広げられる好評シリーズ第2巻登場。
ヒンドゥー民族共同体で偶然に遭遇した少年エドウィン。彼のおかげで、あたし、岸野絵梨亜は、やっと柾樹と再会することができたの。でも、クシュカの街で再びセレンの襲撃にあい、柾樹は倒れてしまった。あたしには、彼の生死さえわからなくて…。セレン。あたしはあなたを絶対に許さない。愛する柾樹と引き離すあなたを許さないわ。見えない絆で堅く結ばれた、絵梨亜と柾樹のSFファンタジー最終幕。
あたし、岸野絵梨亜。十七歳。やっと、柾樹とのコロニー生活にも慣れてきた。ファースト・キス、そして、誓い…。ずっとこんな生活が続けばいいけど、そうも言っていられない。特務機関の動向を探りに、ユーロ都市核のデータバンクに潜入した、あたしと柾樹。でも、案の定、セレンの襲撃が。ねぇ、柾樹、あたしを置いていかないでね。見えない絆で固く結ばれた、絵梨亜と柾樹のSFファンタジー第二幕。
伝説の竪琴を手に入れるため、アケイシアの宮廷を抜けだすローリー。幼なじみの美姫、ユーリアをいとおしく思いつつも、冷たくあしらうリカード。復讐に燃え、闇の城シャクラへと赴くサイラス…。リリアンを語るにはずせない3人の人物たちの、それぞれの過去を語る、3つのオムニバス・ストーリーが、今、始まる。壮大なヒロイック・ファンタジー外伝。
戦場を駆けぬける、シタの王ダーハル。彼はいま、聖国エルンスターを目指す。“銀の冠山脈”を越えて軍勢を動かす目的は、聖王家の4姉妹の1人を妃として迎えるため。デーン神の神託を待つあいだに、彼は王宮の庭園で、聖王家の娘たちを垣間見た。彼の心を魅きつけたのは“炎の花”サラだった。美しくも激しい気性を持つサラと、野心に燃えるダーハルの物語が始まる…。壮大なヒロイック・ファンタジー外伝。
あたし、リリアン。今は失きバドリジア王国の第二王女。そして、この世を救う“創世の力”を持った“運命の娘”。エルンスター王との婚礼を翌日に控えた夜、あたしは何者かにつれ去られたの。“高原の民”。エルンスター王国の歴史の中で、常に影に生き、影に潜む伝説の一族。あたしは彼らに、“創世の力”のなんたるかを伝授された。そしてまた、恐るべき真実も…。壮大なヒロイック・ファンタジー第4巻。
あたし、リリアン。バドリジアの第二王女。今あたしは、“運命の娘”としてのさだめに従って、聖なる国エルンスターへ嫁いでいく。愛する人、リカードとも引き離されて…。でも、あたしはあきらめない。いつまでも運命に翻弄されてばかりじゃない。時には、自分の力で運命を切り開いてみせる。エルンスターへ向かう船の中、あたしは、重大な決意を固めたの…。壮大なヒロイック・ファンタジー第三巻。
あたし、リリアン。バドリジアの第二王女。そのバドリジアが悪の大国シタに滅ぼされて、はや数か月。あたしは今、豊かなる商業の国オレリーアナで留学生活を送っている。初恋の人を失った悲しみを、そして、聖なるエルンスター王国の女王となる“運命の娘”としての定めを忘れ去るために…。けれど、運命という名の魔物は、再びあたしを、血みどろの戦乱の渦に引きずり込んでいく。壮大なヒロイック・ファンタジー第二巻。
あたし、リリアン。バドリジア王国の第二王女。父様は亡くなってしまったけど、女王である母様と、カナリー姉様、妹のクレメンティアと四人で、平和に、幸せに暮らしていたの。でも、その平和は、一瞬にして崩壊してしまった。野望に満したシタ王国によって。あたしはたったひとり、隣国のブロニジアに落ちのびたけど、何もかも失って、いったいこれからどうしたらいいのだろう…。壮大なヒロイック・ファンタジー開幕。