著者 : 早瀬みずち
東北地方の山あいに、世を捨て、自給自足の平和な生活を営む『緑の矢』という共同体があった。指導者・四条隆之には二人の養子がおり、響は武術に秀で、16歳の紗矢は、植物の生育を促し守護するという特殊な能力ゆえに、共同体の実質的な中心人物でもあった。だがある年、山ひとつ隔てた里に、巨大な白亜の建物ができた。「自己啓発」の研究で名を成した緒方柊一のセミナーのための物で、若者たちが大勢集まってくるが、洗脳された彼らによって『緑の矢』は襲撃され、紗矢が連れ去られてしまう-緒方の悪魔的な野望のために。
天界を追われた皇子・鼓童の冒険ファンタジー。躍童の謀略によって皇位継承権の争いに敗れた鼓童は、天界を追われることに。なんとかして反旗を翻そうと策を練っているところを、紅珠児という娘に助けられて…。
山頂に雪をいただく聖山ミルアのふもとの水と緑にかこまれた平和な村カラオ。少年アマドは、成人の儀式のあとの狩りで巨大な熊を捕らえ、いきようようと村にもどってみると、父母、恋人はもちろんのこと、村人は皆殺しの目にあっていた。いったい、誰が、何のために?謎を解こうと、ミルアに登って、神の泉が汚され、女神が失われたことを知ったアマドの前に、世のすべての悪の根源で鬼神と呼ばれる凶悪な術者が立っていた。
あたし栗原妙子が連れていかれた剣と魔法の国-そこで、あたしは悪鬼に追われて滅亡寸前のエナンの人々を救うことになり、少年カリノ、美剣士エリス、その愛馬ユキとともに、ラサ王と悪鬼エン・ゾイの待つ中央の城めざして旅立つ。襲いかかる悪鬼の魔法のあまりの恐ろしさに、あたしの中に眠っていた戦いの神がめざめた時、剣士エリスはエン・ゾイに片腕を斬り落とされて死のせとぎわに追いこまれていた。
何かが私を呼んでいる…。恐ろしい、美しい何かが。私、妙土がビルの窓ガラスと大量のコンクリートの破片に襲われて逃げこんだ不思議な世界-。そこでは、失われた土地の回復をめざすエナンの民と、魔術で人間を支配しようとする悪鬼とが戦っていた。妙土は、美剣士エリスと少年カリノに助けられ、滅亡寸前のエナンの民を救うために立ち上がる。エリスとの恋の中で知った悪鬼の正体と妙土が呼びよせられた恐るべき秘密とは?