著者 : 明治サブ
腕を失くした璃々栖 弐 〜明治悪魔祓師異譚〜(2)腕を失くした璃々栖 弐 〜明治悪魔祓師異譚〜(2)
仇敵たる毘比白を神戸から退け、右腕を取り戻した璃々栖。そして、皆無は魔王化を経て、大印章の力に目醒めた。 次なる覇道への一歩、阿栖魔台移動城塞の起動の鍵を求め、十二聖人がひとり神威中将と共に、魔界へと臨むーー。 「皆無、征くぞ。予の祖国まで凱旋じゃァ」 物理界と霊界を跨ぎ、旧・阿栖魔台王国へと向かう璃々栖らに、やにわに毘比白の魔の手の影が差す。暗雲立ちこめる出立と時を同じくして、日本國を取り巻く情勢もうねりをあげーー悪魔祓師と大悪魔、二人の旅路は新たなる局面へ。 明治悪魔祓師異譚『腕を失くした璃々栖』、第弐幕。
腕を失くした璃々栖 〜明治悪魔祓師異譚〜(1)腕を失くした璃々栖 〜明治悪魔祓師異譚〜(1)
明治三十六年十一月一日/神戸外国人居留地。悪魔祓師の神童・皆無は、軍の任務中に心臓を貫かれ致命傷を負った。死にゆくなか、どこからか心地よい声が響く。「人の子よ、そなたに第二の心臓を呉れてやろう。その代わりー予と煉獄の先の覇道へ、ともに征こうぞ」現れたのは、天使とすら見紛う少女・楢々栖。「七つの大罪」に名を連ねる悪魔でーそして、彼女には腕が無かった。悪魔の力と引換えに、璃々栖と一蓮托生の命となった皆無。二人の旅路の果ては、煉獄での終焉か、未来を掴む覇道かー明治悪魔祓師異譚『腕を失くした璃々栖』、ここに開幕す。
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