著者 : 星野りかこ
夜のてまえで恋が待ってる夜のてまえで恋が待ってる
やった!今日は、あこがれの吉永先輩がライブハウスのステージに立つ日。授業が終わるやいなや、友だちの夏子とあわてて教室をとびだしたまではよかったんだけど、途中、横山先生につかまり進路指導室へ。家に帰ったら帰ったで、母親にとがめられ、けっきょくライブには行けなかった青木すもも。が、翌日、ライブ会場ですももを見たという人が続出。身におぼえのない事件の犯人にまでさせられ、まるで、すももが二人いるみたい。
誰かがあたしを愛してる誰かがあたしを愛してる
あたし、木島由良。寝つきの悪いあたしが、ようやく眠りについた夜の12時、闇の中に電話のベルが鳴り響いた。震える手で受話器を取ると、「…好きです」のひとことが…。友だちのエリに話したら、満月の夜の12時、告白すると恋がかなうというジンクスを教えてくれた。たしかに昨日は満月、でも、誰が。美少年の日浦くん、うぬぼれ屋の川村くん、うーん、今夜は眠れそうにない、と思ったとたん、また電話が鳴りだした。
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