著者 : 木尾寿久
14年ぶりに故郷に姿を見せた父オウマは、姿を消した時と同じように街を襲い、街の魔術師協会が保管していた遺物を持ち去った。取り戻すべく旅に出た召喚士ユウゴは、王都で父が西方辺境、ソザートン湖の北にある遺跡を調べていたという情報を得、湖近くのダンヴァーズの町へやってくる。しかし町は、すでにオウマ一派の武力と召喚術によって支配されていた。その町で、ユウゴはひとりの少女サリタと出会い、町を召喚士から救うことを約束する。 町を救うため、そして遺物を取り戻し、父オウマと決着をつけるため、ユウゴは仲間達と遺跡へと向かう。遺跡の奥でユウゴ達を待ち構えるものは何か? 明かされるオウマの目的とは……そしてユウゴのまわりに神出鬼没の銀髪の美少女カティの存在とは何なのかーー。 いくつもの謎が絡まり合い、やがてひとつになった時、ユウゴの熱い想いは仲間達や召喚獣達へ力強く伝わっていく! 少年は、いま、血の因縁から解き放たれる!
召喚士としての才能に恵まれた少年ーユウゴ・ヴァーンズは、しかし師のエミリア・アルマスから、その力を彼女の許可なく使用することを止められていた。彼が強力な召喚士であり、ブロドリックの町に災いをもたらしたオウマ・ヴァーンズの息子ゆえに。その事件から十四年。人々の心に傷を残しながらも、平穏な毎日が戻ってきたと思われた時、ブロドリックの町は再びオウマ率いる武装集団の襲撃を受ける。奮戦するユウゴは、その戦いの中で実父オウマと初めてまみえ、敗れた。そしてオウマは、悠々と、この町に保管されていた遺物を持ち去る…。ここから始まる冒険物語。共に進むのはオウマに見捨てられた召喚士・リゼルと、二人のお目付け役のモーガン、そしてユウゴとリゼルの召喚獣。一行は、最初の目的地として王都に向かう。「召喚士」たちの戦いが幕を開けるー。