著者 : 木村心一
「それでは、質疑の申し入れがございますので、順次これを許します。サラスバティくん」ゾンビな高校生・相川歩こと俺は、何を隠そう証人喚問を受けていた。…なーぜーだー!?話をよくよく聞いてみると、ヴィリエ・冥界・吸血忍者それぞれのトップと交渉するのに、俺たちでは頼りないからだという。確かに、俺ってば一介のゾンビでしかないからなー。でも、そんな俺でも…、絶対に負けられない戦いがここにあるんだっ!全ての世界を巻きこむであろう戦争を止めるための国会が、今始まるー。
『生徒会の一存』『ハイスクールD×D』『フルメタル・パニック!アナザー』『これはゾンビですか?』はこの本のために書き下ろした短編を、『東京レイヴンズ』『デート・ア・ライブ』は特典などで配布した、今はもう手に入らない短編に加筆したものを収録。イラストも文庫未収録の貴重なものばかりを厳選。
こんにちは、私相川歩。肩までの髪が鬱陶しいから小さなポニーテールに束ねていて、おっぱいはぼいんぼいんで、くびれがあって、お尻もぷりんと上がっている。太ももはむちむちしていて、肌は水を弾く。そんなーゾンビな男子高校生なの。…てゆーか、いつになったら男に戻れるのよ!こんな状態のまま修学旅行に行けっていうの?しかも、ただの修学旅行じゃなくて、ヴィリエの修学旅行に参加しなきゃならないなんて!そんな面倒なイベント行かずに家でのんびりしたいわーって、ユーも参加するの!?もう、こうなったら修学旅行で開催される下着コンテスト、絶対優勝してやるわよっ。
バレンタインデーを間近に控えたある日、ゾンビな高校生である俺こと相川歩は、クラス委員長にしてお下げ髪の美少女・平松妙子から衝撃的なお誘いを受けてしまった。「う…ウチに来ない?…家に私しかいないから…」こ、これは「チョ…チョコの代わりに私をもらって!」的なサムシングですか!?どうなる!?どうなっちゃうのよコレ!?一方、織戸(変態)が歌いながら靴箱を磨いているのが見えた。アカン。コイツ、悲しすぎる。靴箱を磨いてもチョコは貰えないのに。そんなマンモス哀れだと思っていた友人が、今回の話の主役になるなんて、世界で誰が予想できただろうかー。
「はい、こいつは誰!」「相川、歩…私の、恋人ですね」何をするにも「気持ち悪い」と一刀両断するセラが、なぜこんなありえないことを言うのか。それはヴィリエの女王によって、俺こと相川歩に関する記憶をリセットさせられたから。…だからお風呂も一緒だし、寝るのも一緒になったんだけど。嬉し恥ずかしラブコメディ展開!?ただ、俺はこんな『今』が欲しいんじゃない。俺は、『昨日の明日』が欲しいんだ。そのために、何としても女王に“しゃぶしゃぶ”をさせないと!そんなわけで、ハルナさん出番です。
「ぱぱぱぱーん。ぱぱぱぱーん」という音楽と共に入場する二人。勘の良い方はお気づきだろう。俺、相川歩は…「ただいまより、相川家、○○家の結婚披露宴を執り行います!」披露宴会場にいた。なぜ結婚披露宴をしているのかって?それは『そこに嫁がいるから』、ってえええ嘘だろーっ!?俺と嫁との馴れ初めを語る司会者。そうだそうだ、寿司を取り合ったり、ツンデレ喫茶に行ったり、フェステヴォー開催したりと色々あったなぁ。なーんて回想してたら、大先生と俺を殺した京子が会場にやって来た。そこで俺は、ハルナを守るために死ぬよりも辛い未来が待ち受けている“呪い”を掛けられることにー。
俺、相川歩は『愛』ってのがわからない。周りの奴らはすぐに「付き合おっか?」なんて言葉にしやがるが、そんな言葉に何の意味があるのだろうか。言い寄ってくるサラス、誤解に誤解を重ねる友紀。俺は今の関係が最良だと思っているのに、周りの気持ちは動いていく。「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい」クリスマスも楽しく終わって大晦日。俺自身が関わった、ネネさんの同人誌を買うためにコミケへやってきたのだが、そこで何かと謝る妙な少女に出会った。彼女、リリア・リリスの出現で、色んな『愛』が変化していく。第20回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞。
男のロマンは、女性にとって腹立たしい。俺、相川歩と美少女たちとのロマン溢れるハーレム生活も半年過ぎた。クールなナイスバディお姉さん、勝ち気な貧乳娘、無口な色白ガール。みんなが羨む環境で、彼女たちが言うには、俺にセクハラ疑惑があるとか。休みの日にもかかわらず、呼び出された学校の一室。そこでは今日だけ法廷となって、『相川歩セクハラ裁判』が行われていた。裁判長がハルナで、検事がセラ。俺の弁護を担当するのはアホの友紀…この四面楚歌の状況で、俺は無罪を勝ち取れるのか?真夏のプール、危険なホームパーティなどイベントを振り返りつつ、厳しい戦いが始まるー。
人生、あきらめが肝心だ。これは、俺の座右の銘だが、毎回あきらめるタイミングがつかめない。このところ俺は、目の前から消えた少女ユーを捜し回っているのだけれど、手がかりもなく途方に暮れている。そんな夏休み前のことー「い、一緒にプラネタリウムでもどうかな」トモノリからデートに誘われた俺。失踪したユーや傷ついたセラが気になるが、あきらめるにはいい機会かもしれない。と、そんな俺の前にハルナやセラが現れ、さらにはあんな場所で夜の王に出くわして。突然京子も出没するし、しまいにゃユーまでー!?あーもう!やっぱりあきらめきれねーっ。