著者 : 松村栄子
「茶の湯だけでも奥深いのに、 弓と剣まで納めなくてはいけないとは。 友衛家に生まれなくてよかったとしみじみ思いました。 しかし他人事にも思えない本書です。(笑)」 --武者小路千家若宗匠 千宗屋氏 「“粗茶”シリーズの世界に遊ぶことは、 小説を読む悦楽に浸ること。 夏、涼しく、冬、暖か。 いつまでもいつまでも読みつづけていたい。」 --作家 大島真寿美氏 異色の青春お仕事小説の傑作! 弓、剣、茶の「三道」を伝える〈坂東巴流〉の 嫡男・友衛遊馬、二十歳。 家出先の京都から帰還するも、 家元でさえ副業しなければ家族を養えない貧乏流派ゆえ、 働き口を探してこいと言われてしまう。 建造が始まったスカイツリーの警備員に収まるが、 周囲からは「あそこの跡継ぎはダメだ」と後ろ指を指され、 ガールフレンドとの仲も“行き止まり”。 冴えない日々の中、曲者ぞろいの茶人武人にやりこめられながら、 遊馬は自分の進むべき道をぐるぐると探しつづける。 明日が見えないあなたに贈る、笑えて泣けて元気になれる物語。
友衛遊馬、18歳。弓道、剣道、茶道を伝える武家茶道坂東巴流の嫡男でありながら、「これからは自分らしく生きることにしたんだ。黒々した髪七三に分けてあんこ喰っててもしょうがないだろ」と捨て台詞を残して出奔。向かった先は、大嫌いなはずの茶道の本場、京都だったー。個性豊かな茶人たちにやりこめられつつ成長する主人公を描く、青春エンターテイメント前編。
京都に出奔した弱小武家茶道「坂東巴流」家元Jr.の友衛遊馬。お茶が嫌いなはずだったのに、宗家巴流の先生・志乃の家に寄宿し、お茶菓子作りが趣味の坊主・不穏や公家装束を着こなす高校教師・今出川幸麿など、怪しげな茶人たちとの交流は増すばかり。そうこうするうち、宗家巴流の後継問題に、あれよあれよと巻き込まれ…。大好評青春娯楽小説、感涙の大団円へ。
弓の道、剣の道と交わる茶の道って、何ーー? 曲者ぞろいの茶人たちに翻弄されつつ成長する 弱小家元Jr.の奮闘を痛快に描いた 大傑作青春エンタテイメント、第2弾! 弓道、剣道、茶道を伝える坂東巴流の家元Jr.友衛遊馬、19歳。 弱小流派を継ぐのを厭って家出中の身ながら、ようやく茶の湯に目覚めたーー かと思いきや、なぜか比叡山の〈天鏡院〉で修行中? 一方、弟行馬を巻き込んだ宗家巴流の跡継騒動や、 お目付け役カンナの結婚話にも、新たな展開が……。 めっぽう面白くてじんわり泣ける大傑作青春娯楽小説、待望の第二弾! 〈解説・大島真寿美〉 松村栄子(まつむら・えいこ) 1961年静岡県生まれ。筑波大学第二学群比較文化学類卒業。 90年『僕はかぐや姫』で海燕新人文学賞を、92年『至高聖所(アバトーン)』で芥川賞を受賞。 著書に、『雨にもまけず粗茶一服』(ポプラ文庫ピュアフル)、『ひよっこ茶人、茶会へまいる。』(朝日文庫)、 『京都で読む徒然草』(京都新聞出版センター)などがある。 共著『明日町こんぺいとう商店街』(ポプラ文庫)には、本シリーズのスピンアウト短編を収録。 京都市在住。