著者 : 椋本夏夜
「先輩、朝です。 起きてください。 がんがんがんがん」 平凡な高校生・城島晶の朝は、クールな美少女・硝子の叩く中華鍋の音から始まる。一見、普通の人間に見える硝子ーーしかし、その正体は、異世界 “虚軸”(キャスト) から来た特異な存在だった。 ありふれているが、平和で穏やかなふたりの生活。だが、その日常という脆い皮の下には、奈落の闇が広がっていた……。空想と妄想の果てに産み出された異世界と現実世界。その境界線が薄れるとき、“欠落” と引き換えに異能を手にした者たちの物語が幕を開ける!
“稀存種”を供犠に世界を崩壊させ、再び“純血種”のみの世界を創世しようとするエデンの計画ー。 ルナとシオンは生き延びるため、決して受け入れることのできない計画を阻止すべく旅路を急ぐ。 一方、完全なる破滅を願うロイドは、バベルに対して総攻撃を開始した。抗えない潮流の中、個々の思惑はそれぞれの意志を孕み、引き返せない混乱の渦を巻く。そして過去と未来は交錯し、血で血を贖う殺し合いを産むー。 斃れ逝くその果てに、生き延びたその先に、彼らが掴むのは、虚無か、それとも未来か…?
機械都市バベルの深層に隠された有機溶媒のプール。その水面を揺らしながら一人の少女が浸っていた。半ば狂気に犯された少女ー。だが、彼女こそが、かつて地球を荒廃に導いた“融合”の能力を持つ“稀存種”だった…。一方、ルナとシオンは作戦行動中、ロイドに捕らわれ、第3稀存種エンダの元に連れていかれる。そして、エンダから驚愕の真実を聞かされることに…。果たして、バベルは7人の“稀存種”を使い何を行おうとしていたのか!?バベルが秘す真の目的とは何か!?次巻完結に向けて、いよいよ物語はクライマックス。
森に佇む屋敷の中で、三人の変異種少女が暮らしていた。特殊な趣味を持った人々に売られるために…。 だが、彼女たちの日常は、森に現れたケモノを殲滅するため、機械都市バベルからウエポンが派遣されたことにより崩れていく。そのウエポン達を排除すべく、純血至上主義組織「フルブルー」のメンバーが屋敷に向けて派兵されたのだ。 さらにそこには、前回エデンを危機に陥れた「繭」の遣い手の影が…。 そして、巻き起こる混乱の中、人類が未だ見ぬ“第五稀存種”が覚醒を果たす!
第4の「稀存種」としての能力に目覚め、機械都市バベルでケモノ殱滅のためのウエポンとして慣れない生活を始めたルナ=イル。 そして、前回の戦闘で負傷したため、降格してしまった変異種の少女シオン。 二人は共に真の能力を発揮できず、苦悩の日々を送っていた。だが、その背後では、彼らが護るべき「村」とエデン本部とを同時に襲う大きな異変が起こりつつあった…。 かつてエデンに存在していた「繭」の力とは?そして、その影に蠢く新たな「稀存種」とは?
機械都市バベルの下に広がるスラムに、一人の少年がいた。名を持たず、変異を持たず、見えるはずの無い“月”を空に探す少年…。 そして、少女がいた。腕に変異を持ち、人類の“純血種”を守るために異形の生物達と戦うウェポンとして…。 世界が“混沌”に包まれて数百年ー。人類は前時代の遺産「過学」の庇護のもと、戦闘能力に長けた“変異種”と呼ばれる人々を管理し、荒廃した大地で異形の生物の影に怯えて暮らしていた。 だが、やがて少年と少女が出会うとき、世界は静かに変革の扉を開き始める…。
統合計画局にさらわれた を奪回するため、アレス部隊の生き残りが潜む豪華客船へと乗りこんだ恭介と香澄。だが、統合計画局が送りこんだ刺客によって、恭介の仲間たちは次々に傷つき倒れていく。 自らも傷つきながら姿なき暗殺者の能力を見破る恭介だったが、現れた敵の正体は、あまりにも意外な人物だったーー!? 新たなレベリオン“アンダーカヴァーズ”や統合計画局の新装備“アテナ・システム”なども登場。そして、絶え間なく続く戦闘の中で、恭介、香澄、萌恵が、それぞれ最後にくだす決断とは!?
“ミチビクモノハカケタルツキノナマエ” 監視役を解任された香澄は、なんの前触れもないまま、恭介たちの前から姿を消した。彼女が残したものは、たった三行の意味不明のメッセージだけだった。 わずかな手がかりを頼りに、香澄の行方を追う恭介。そんなときに現れた少女、皆瀬梨夏が、困惑する恭介に告げる。 「あたしが、あなたの新しい監視者よ」 そのころ香澄は、統合計画局の本部で、レベリオン原種最後の生き残り“紫焔”と出会っていた。彼の口から明かされる、統合計画局の恐ろしい秘密とは……? ついに語られる香澄の過去。そして、第二段階レベリオンの真の能力。