著者 : 椋本夏夜
雉子野中学で密かに噂となっているおまじないがあった。呪いたい相手の名前を書いた紙と硝子玉を一緒に桜の木の下に埋めておくと『硝子玉の魔女』がそいつを不幸にしてくれる、というものだ。噂を知った水奈たちはそこに『魔女』の影を見、調査を決意する。一方、それから遡ること半年前ー鍛冶目山市の中央にある関総合病院に、幼い少女が入院していた。彼女は『自分の病気を硝子玉に込めて木の下に埋める』という他愛ない願掛けをしていて…。ささやかな願いが呼ぶ、穏やかでない呪い。奇跡を願う心と奇跡に頼る罪とが絡まり合って、やがて災禍を招く。その先にあるものは、果たしてー。
異界ー“魔法の国”で起きた“女王のための統合戦争”に巻き込まれた、鍛冶目山市の少女たち。魔女となった彼女らが身の裡に宿すのは、殺し合いの螺旋を紡ぐ奇跡と罪の力ー魔法。魔女のひとりである咲森水奈は、行方不明となった親友の少女、早良坂人魚を捜していた。その傍らに立ち彼女を支える少年、早良坂蓮は“魔法の国”の住人であり、そして…。藤原祐×椋本夏夜が贈る新シリーズ、始動!
大坂の町に現れた人喰い鬼。薬種問屋武州屋の娘が突然、鬼と化し人を喰って逃げたのだ。適塾の魔法士・来青が彼女のもとへ通っていたため適塾の関与が疑われ、塾は閉鎖。塾長の緒方洪庵は行方不明となり、松江から戻ったばかりの伊織も追われることとなった。犯人捕縛のため壬生浪士組の土方歳三や沖田総司が動き出すなか、伊織と冬馬は真相究明に乗り出すが…。第16回電撃小説大賞“大賞”受賞作、魔導が奏でる幕末ファンタジー、待望の続編登場。
すべての真実は明らかになった。運命の糸は血を滴らせながら喉元に絡みつき、景介を奈落へと引きずり込む。一族殺しの宝刀『つうれん』は今や、忌まわしい恋を叶えるための刃となり、棗の、型羽の、檻江の、そして枯葉の生命を狙っている。反抗か、死か。二者択一の中、鈴鹿の一族の存亡をかけた最後の戦いは静かに幕を開けようとしていた。秋津依紗子に心を縛られてしまった景介と、木春により絶望を突きつけられた枯葉。ふたりが選ぶのは、永遠の断絶か、それとも再起か…?鮮血と恋慕が織りなす赤色の幻想奇譚ーここに終幕。
一族殺しの宝刀“つうれん”は奪われ、親友の歩摘も敵となった。叛乱の夜に見た記憶も足許を揺らがせるーそんな枯葉を励まそうと、景介は奮闘する。幼い頃の記憶、雪の日に出会った初恋の少女に想いを馳せながら。一方、自分が人間であることを敵味方すべてに欺いたまま、秋津依紗子は画策を巡らせていた。すべては愛しい人である、霧沢景介を手に入れるために。すべての謎が明かされる時は来た。叛乱の真実、霧沢雅の行方、供子の目的、依紗子の笑み…月明かりの下に曝け出された運命は、恋と死を交錯させながら景介に残酷な牙を剥きー。シリーズ最高潮、戦慄の第五幕。
白州高校の理事である分家“ひじり”の当主、砂姫が国外より帰還した。それにより入手したのは秋津依紗子に関する新たな情報。今まで座して待つしかなかった戦いを攻勢に転じさせることができるかもしれないーそんな希望の中、景介たちは学校の書類に記載されていた依紗子の住まいへと調査に赴く。しかし一方で、繁栄派の面々も各々の思惑の中、静かに動きを見せ始めていた。枯葉の記憶に掛かる靄。枯葉に対する景介の思い。型羽の過去。棗の迷いーそれぞれの抱えていた問題が戦いの中で露になっていく中、依紗子の狂気は景介たちに何をもたらすのか?シリーズ佳境、第四幕。
学校帰りの夕方だった。景介はひとりの少女と出会う。公園のフェンスの上に腰掛け、詩を口ずさむ娘。それは景介の姉、雅が昔よく諳んじていたものと同じ詩だった。彼女は檻江と名乗った。繁栄派に属する『鈴鹿の一族』でありながら、景介に敵意をーいや、それどころか何の感情も示さない奇妙さで以て。失踪した姉の手掛かりを掴むために檻江の後を追った景介だったが、辿り着いた先の病院で、一族にまつわる新たな秘密を知ることになる。鈴鹿の一族が抱える病、そして闇。それらは歪に澱み、景介をも蝕もうと鎌首をもたげていたー。
人間ではない『一族』がいた。ある山の奥深く、人の手の届かない場所で里を作り、ひっそりと暮らすー女しか生まれず、それ故に滅びかけていた『あやかし』。今までも、これからも、彼女たちは人の世から隠れ、人の世の狭間に生きていく、そのはずだった。しかし、その日。『一族』が起こしたある諍いは、小さな波紋となって町へと広がっていく。その結果として霧沢景介と灰原吉乃の前に現れたのは、枯葉と名乗る少女だった。彼女がふたりにもたらしたのは、運命か、或いはー。藤原祐×椋本夏夜のコンビが送る現代伝奇ファンタジー、ここに開幕。
『虚軸』に関連した一連の事件がすべて終わり、挟間学園に平穏な日常が戻ってきた。そして今日は、みんなが待ちに待った挟間学園の文化祭。けれど硝子は、すっかりおとなしくなってしまった蜜の様子が気がかりで…?更に、硝子たちのショッピングやナンパ騒動、夏休み最後のドキドキ温泉旅行、コスプレナース里緒の恐怖の完全看護など、過去のほのぼのエピソードも盛りだくさん。『レジンキャストミルク』番外編第二弾!ちょっぴりワケありな不思議少女とその仲間たちのドタバタ×しみじみな日々を、書き下ろし&描き下ろし大量収録で再びあなたにお届けします。
大きな犠牲の果て、森町芹菜と敷戸良司への接触に成功する晶たち。しかし、変わり果ててしまった芹菜を前に、晶はひとつの決断を迫られる。一方、自分たちの望む世界を作ろうとする樹と鏡、そして“無限回廊”もまた、行動を起こし始めていた。目前に迫る、最後の戦い。もう一度日常へ戻ってこようと誓う者、もう二度と戻らない覚悟を決める者、一抹の不安を抱えたままそれでも笑って過ごす者。それぞれが決意を胸に秘めたまま、その時は訪れー“実軸”と“虚軸”たちの殺し合いが、始まる。大人気シリーズ、堂々の完結編。
全ての“虚軸”を消滅させて世界の統合を図ろうとする城島樹。その計画の核となった城島鏡と無限回廊。家族が偽物だったのか、それとも偽物は晶自身なのか。心が揺らぐ中、それでも彼らの企みを阻止するため、連れ去られた芹菜を奪還するため、晶と硝子は反撃を開始する。しかし、晶の存在を憎悪する無限回廊もまた、既に次の一手を打っていた。無限回廊の許へと攻め込む晶と硝子。ふたりの留守をつき学校を襲う、新たな敵。それを迎え撃つ蜜や殊子たちー。思惑と策略が交差する戦い、その先に待ち受けるものは…!?完結へ向け、いよいよクライマックス。
城島晶の父親、城島樹。虚軸発生の原因となった『仮想観測論』を作り出したその男が“無限回廊”の画策によりこの世界へと戻ってきた。晶と硝子はすべてに決着を付けるため、二人だけで樹のもとへ赴く。-悲壮な決意をその身に秘めながら。連れ去られた芹菜の行方は?津久見奏と逆絵が負った過去とは?樹の目的とは?そして、樹を虚軸へと送った本人である“無限回廊”は何故樹と行動を共にしているのか?すべての真実が白日の下に晒された時、晶と硝子が見るものは…!?破壊と再生が飽和する緊張の第6弾。
「怖かったら手を握ってもいいですよ?」「握らなくていいっ!」休日の遊園地。高校一年生の城島硝子は、表向きは従兄弟で先輩の晶と初々しくデートの真っ最中。しかしそこには、もうひと組のアブノーマルなカップルが来ていて…!?他にも、直情少女とのお弁当対決、水着だらけのドタバタ海水浴、しんみり夏祭り、ネガティブ保健教師のとぼけた日常など、「電撃hp」に連載されて大好評を博したコメディ『レジンキャストミルクフラグメント』が、書き下ろし&おまけページを加えてついに文庫化。ちょっぴりワケありな不思議少女とその仲間たちが送る抱腹絶倒な日々。
夏休みが終わり、二学期。束の間の平穏を取り戻した晶たちの前に、双子の転校生がやってきた。何故か晶に妙に懐いてくるふたりの出現は、硝子や芹菜に波紋を投げ掛けていく。しかしそんな中、突如として学園中を巻き込んだ異変が起きる。それは今までとは規模の違う、日常を真正面から侵蝕する非日常だった。否応無しに巻き込まれていく友人たち。晶と硝子は戸惑うが、敵の罠は狡猾にふたりの喉元へと牙を剥き、そしてー。事件の影に潜み、晶たちの日常を揺さぶり続けていた“無限回廊”の真の目的が遂に明らかになる!シリーズ佳境、第五弾。
二年前。それは舞鶴蜜がまだ、速見蜜という名前だった頃。ひとりぼっちだった彼女は、直川君子と出会った。無邪気で朗らかな君子は、空っぽだった蜜の心をあっという間に埋めていく。生まれて初めての友達。ずっとこの娘と一緒にいたいと、蜜は強く願っていた。-虚軸“壊れた万華鏡”が、自らの裡に取り憑くまでは。そして、二年後。現在。かつての親友を“無限回廊”に連れ去られた蜜は、硝子を奪われた城島晶と共に、反撃のため立ち上がる。ふたりは果たして、それぞれの大事なものを取り戻すことができるのか。
死んたはずの姫島姫の姿で、突然現れた“無限回廊”に、硝子は生まれかかった感情を激しく揺さぶられる。戦いへの迷い。硝子は主人であるはずの晶にさえ、友達が敵になってしまったことを言えずにいたー。そして、晶と硝子との間に見えない亀裂が広がっていく中、“無限回廊”は姫島姫の身体を使って次の一手に出る。計画の主軸は直川君子。それは同時に“壊れた万華鏡”舞鶴蜜の過去にも関わる、これまでで最悪の侵蝕だった!ほのぼの×ダークな学園アクションノベル、緊迫の第三弾。
晶と硝子が“無限回廊”の侵蝕を退けて一カ月。晶は幼馴染みの森町芹菜たちと、硝子はクラスメイトの友人たちと、それぞれ平穏な日常を送っていた。しかし、そんなある日ー晶の親友である“有識分体”柿原里緒の元へ突然、“無限回廊”が直接その姿を現す。事態は、“目覚まし時計”速見殊子や“アンノウン”佐伯ネアを巻き込み、破滅へと進んでいく。生と死の間を彷徨う者から伸びた糸と、それに絡めとられていく日常。晶たちは、再び始まった侵蝕を止めることができるのか!?穏やかな日常と狂った非日常との間で揺れ動く、ほのぼの×ダークな新感覚学園アクションノベル、シリーズ第二弾。
全一ー城島硝子。有識分体ー柿原里緒。壊れた万華鏡ー舞鶴蜜。そして、城島硝子の固定剤ー城島晶。あらゆる空想と願望の果てに産み出されたこの世ならざる世界「虚軸」。そして「虚軸」と関わり、「欠落」と引き替えに異能を手にした少年と少女たち。平穏な学園生活の裏側で、薄れた境界線が現実に爪痕を残し、世界はゆっくりと侵食されていく…。彼らの闘いが始まる!藤原祐×椋本夏夜が贈る待望の新シリーズ、遂にスタート。